マール爺と忠犬ブブの物語


                                         小柄な爺 さん 


(1) 信濃路への旅



マール爺とブブは、一年ぶりにスイスから日本に帰り、今、新宿西口から

高速バスで長野に向かっています。

そこにはマール爺の元相方の野口爺が住んでいます。野口爺は、以前は東

京の市ケ谷で歯科医をしておりましたが、奥様も他界して古希になり、仕

事を辞め、今はここで5才年下の利爺と暮らしています。

野口爺は170㎝で少し太っていて、ゴルフはシングルの腕前です。方や、

利爺は
66才の短い白髪で、いかにも職人風で小ぶとりです。

その野口爺が昨年、この長野の別荘で倒れて、現在療養中。幸いにも軽い

脳梗塞でした。

そこでマール爺とブブは見舞いに行くことになりました。

 

野口爺の住む長野原村の林の中にある別荘地には、ログハウス、日本風、

洋風、様々な建物がありましたが、坂の途中にある丸太小屋風の建物が野

口爺の住まいです。

小淵沢に着いて高速道路のバス停から階段を降りるとすぐに一般道路に抜

けられました。

静かな田園風景に見とれていると、利爺がワゴン車で向かえに来てくれま

した。

「ようこそ信濃路へ、お疲れ様でした」

ブブは利爺と会うのは初めてなのにしっぽを振って近づいて行くではあり

ませんか!

「さぁどうぞお乗りください」

と利爺が荷物を車のトランクに詰めてくれました。

 

やがて別荘に着き、玄関に向かって行くと廻りにたくさんサギ草が咲いて

ました。今にも飛び立ちそうです。

 

丸太小屋の入口のドアを開けて、利爺が

「マール爺さんとブブさんがいらっしゃいました」

と声をかけました。

野口爺は

「どうぞ中にお入りください」

と和服を着て迎え入れてくれました。

「ここいらは夏でも寒いですから、床暖房しているんですよ」

とマール爺に話し、マール爺と野口爺は再会の喜びで強く抱きしめ合いま

した。

 

料理番の利爺が、そっと言いました。

「今夜は手打ちの日本ソバと鉄板で肉と取り立て野菜ですがよろしいです

か? それから、明日の朝は近くペンションに朝食を申し込んでおります。

そこのペンションのマスターは越褌さんという人柄がよくて男前です。で

も惚れても駄目ですよ。」

 

そして宴がはじまり、お酒を飲みながら楽しい会話が夜遅くまでとぎれま

せんでした。~~。

 

そして皆一緒に床に就きました。マール爺、野口爺、利爺も越中褌でした。

「野口爺、元気でよかったなあ!」

「マール爺、今日は遠いところありがとう!」

マール爺と野口爺の二人は熱い口づけを始めました。

利爺は野口爺のマツタケ並の一物を口に含み、玉を手で揉みながら愛撫し

ています。

マール爺は野口爺に久し振りに受け入れたいとお願いしました。

「アッ、思い出すよ、気持ちいいよ」

「マール爺愛してるよ」

そして各々に想いを遂げたのでした。ブブも嬉しそうです。

 

翌朝、予約しておいたペンションで朝食を食べ。名残惜しいなか、マール

爺とブブは、お盆にまた来るよ、とうっすら涙ぐみ、別れを惜しみました。

 

    おしまい










トップ アイコン目次へもどる    「投稿小説一覧」へもどる
inserted by FC2 system