杢太郎の、Short Story


                                         杢太郎 さん 


第二話


「はい、次の方どうぞ。」

 

診察室のドアを開けて、ジャージ姿の老人が入って来た。

「おお、弥助さんかい。」

老人はぺこりと頭を下げ、私の前の椅子に腰を下ろした。

「万年医者要らずのお前さんが、いったい今日はどうしたんだい?。」

弥助じいさんは、村外れで農家を営む、小柄だが筋骨逞しい男だ。

昔は海軍で鳴らしたと言う彼は、喜寿を迎えた今まで、健康診断以外で私

の所へ訪れた記憶が無い。

「へぇ…。」

視線を下に落として元気が無い。何時も矍鑠とした弥助じいさんらしくな

い様子だ。よほど体調が悪いのだろう。

「どこの具合が悪いんだい?。」

「あの…。」

口籠って、弥助じいさんは私の側に居る看護婦をチラッと見た。

何やら、女性の前では言い辛いことらしい。

「君、私が一人で診るから、受付を頼むよ。」

看護婦が診察室から出たのを見計らって、弥助じいさんは身を乗り出して

喋り始める。

「センセ、わしゃもう、どうすりゃええか判らんようになったんじゃ!。」

縋る様な目を私に向ける。

「かかあが去年の冬に逝っちまったのは御存知じゃろう?。」

そりゃあ当たり前だ。この村には医者は私一人、弥助じいさんの妻の最期

を看取ったのも私である。

そう言えば、彼女が心筋梗塞で倒れて亡くなったその日、弥助爺さんは出

稼ぎに街に出ていて留守だった。

「わし…かかあが死んでから淋しくて淋しくてなぁ…、大好きだった、か

かあの大っきなオッパイを思い出しては…。」

弥助じいさんは言い淀んで口をへの字に結んだ。

「思い出してはどうしたんだい?。」

「お、思い出しては自分の…自分のオッパイを…。」

消え入りそうな声で呟いた弥助じいさんの頬が、見る見る内に真っ赤に成

ってゆく。

「…揉んだ、のか?。」

弥助じいさんは小さく頷く。

「それで?。」

「そ、それで…止まらんく成っちまった。」

「自分の乳を揉むのをか?。」

「んだ、最初はかかあを思って揉んでたんだぁ、けど、毎日揉んでたら、

だんだん気持ち良う成って来て、そしたら、どんどん乳首がデカく成って

きて、それでも揉むのが止まらんよう成ってしもて…。」

「まぁ、自分の乳を揉む分には他人様に迷惑を掛ける訳では無いしのう。」

私が笑いながら言うと、弥助じいさんは一転して険しい顔に成った。

「センセ!笑いこっちゃねぇ!、わしは真剣に悩んどるんじゃ!。」

「すまんすまん、分かったから、とにかく乳の状態を診てみるから胸をは

だけなさい。」

弥助じいさんはジャージのチャックを外し、下着を首まで捲って見せた。

相変わらず、年に似合わぬ筋肉の盛り上がった良い身体をしている。

嬲り続けた所為か、確かに乳首はかなり肥大しているが…。

「セ、センセ、乳には触らんでね!。」

「バカな事を言うな、娘っ子じゃ有るまいし、触ってみなきゃ診察に成ら

んだろ?。あのなぁ、男も乳癌に掛かる事が有るんだぞ。ちゃんと診とく

のがお前さんの為だ。」

「で、でも、ワシャどうなっても知らんからの!。」

言うと弥助じいさんは胸をはだけたまま、しかめっ面で目を瞑った。

まったく、何がどうなると言うんだ。

私は両手で弥助じいさんの黒豆の様に肥大した乳首を触ってみる。

「んん~っ!。」

への字に結んだ弥助じいさんの口からうめき声が漏れた。

「?。」

私が更に触ると、弥助じいさんの腹の筋肉がぴくぴくと痙攣しだす。

「ああ…。」

触診を続けると、大きな乳首が更に大きく堅く勃起してきた。

「あ~センセ!、駄目じゃ…。」

ふと見ると、弥助じいさんの股間が異様に盛り上がり、今にもジャージを

突き破りそうに成っている。

「おお~、お前さん、その年で大層元気じゃのう!。」

それにしても凄い盛り上がりだ!。

私は生唾をごくりと飲み込んだ。

「ちょっと立ってみなさい。」

弥助じいさんが立ち上がると、私の目の前に小山のような股間の脹らみが

来た。

両手を伸ばして乳首を弄ると、それに連れてジャージの山がしゃくり上が

る。

「あ~あかん…センセ、辛抱溜まらん!何とかしてくろ!!。」

弥助じいさんは泣きそうな声で言うと、ジャージのズボンをパンツごと膝

までズリ下げた。

すると、なんとまあ見事な砲身が、勢いよく跳ね上がって腹を叩いた!。

眼前に迫る赤黒い巨砲と蒸れた香りに、私はくらくらと目眩に襲われた。

「も、もう駄目だぁ~。」

弥助じいさんの切羽詰まった声で我に返った私だが、何を血迷ったのか目

の前の巨砲をむんずとばかり握ってしまった。

「セ、センセ!そんただ事しちゃ!あっあ~!。」

棒握りの掌に、はち切れそうな熱い鼓動が伝わってくる。

「こ、これ、待ちなさい!、こんな所で出しちゃいかん!。」

私は慌てて辺りを見回すが、ちり紙が見当たらない。

弥助じいさんを見上げると憤怒の形相で歯を食い縛っている。

「センセェ~!。」

万事休す!、私は覚悟を決め、精一杯の大口を開けて四十六センチ砲にカ

ブリ付く。

「ひぃ~っ!。」

間髪を入れず、男の精が怒濤の如く喉に流れ込んで来た。

私は口元から溢れそうに成るのを必死で堪えて飲み干してゆく。

『いったい、どうしてこんな事に成った!?。』

私は混乱した頭の片隅で思いながらも、手で扱きつつ、最後の一滴まで残

らず飲み込んでいた。

 

ぐったりとして椅子に座り込んだ弥助じいさんは、惚けた様に私と顔を見

合わせた。

「センセ、すまねぇ…。」

申し訳無さそうに呟く弥助じいさん。

「…ま、乳癌は大丈夫のようだが、腫れた乳首の治療は必要かも知れんな

ぁ、月一回の往診でどうだい?。」

「そ、それじゃあ治らんと思うがのぉ…。」

弥助じいさんは不服そうな顔をする。

「じゃあ…週一回か?。」

弥助じいさんの目が輝く。

「んだなぁ、んだ、んだ!。」

「じゃあ、受付で予約を入れて帰りなさい。」

弥助じいさんは笑顔で頷くと、立ち上がって照れくさそうにズボンを上げ、

来た時の様にぺこりと頭を下げて去っていく。

弥助じいさんの背中を見送り、ハンケチで口を拭ってから息の匂いを確か

め、私はおもむろにインターホンのボタンを押した。

 

「次の方どうぞ。」

 

 

   ーおわりー








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