暗殺者H


                                         あまね さん 



明石駅から乗り込んで来た一人のおばはんがばたばたとうるさい。

「こっち空いてるで、ミナちゃん、こっちこっち」

「暑いやろ、汗拭いたろか」

「ゲーム面白いんか」

三人の孫のことが気になって仕方がない様子のおばはんの顔を見ると化粧

で白い顔の中に角ばった描いた眉毛が浮かんでいる。話を聞いていると盆

休みで帰ってきた娘と三人の孫娘と一緒に大阪まで行くらしい。娘さんも

三人の女の子もちょっと迷惑顔になっているのには気がついているようだ

がなかなか静かにはならないおばはんだ。四十位の娘を見ていると、ひょ

っとしたらこのうるさいおばはんと娘婿が上手くいかなかったか、おばは

んのきつそうな性格を受け継いだ娘と上手くいかなかったかで夫が離れて

行ってしまっので、娘を連れて帰ってきたのかもしれないとも思ってしま

う。おばはんのせいで窓から見える明石海峡大橋もなんだか暑さに弱って

いるように見える。

 

戦後六十八年の平和な日本の盆の風景か。東京から子供が帰ってきて、孫

に囲まれて多くの人が過ごしている。あの人も先週から十日間ほど夏休み

に入った。今日は北海道でゴルフのはずだ。

それにしても隣のおばはんがうるさい。三宮で向かいのホームの各駅停車

に乗り変えた。おばはんがうるさいのもあるが、誰かが尾行しているかど

うかをチェックするためでもある。誰もついて来ていない様である。運よ

く席が空いていたので座った。日本の電車は冷房も程よく効いて快適であ

る。

大きな仕事の前は緊張感からかセックスが無性にしたくなる。有名なプロ

棋士も大きな勝負の前はセックスをして全てのストレスを射精することに

より体の中から出してしまいたいと言っていたが、誰でも一緒だろう。

 

昨日は久しぶりだったこともあり燃えた。

「今日も元気がいいね」

「お父さんだって」

素っ裸で抱き合いお互いの舌を絡めて、じっくりと抱き合った。

「父さん、好きーっ、もっと強く抱いて」

「うーっ」

「お尻を握って」

「うーっー」

ケン爺のお尻の割れ目に優しく触れると、大きくなったものが僕の金玉を

突き上げてくる。

「あぁー」

「吸ってー」

乳首を舐めるように吸い、下腹部に向かって舐めまわし、大きくなったも

のを銜えしゃぶった。

「ひいぃーっ」

「うがー」

「入れてっ」

ベッドから下り四つんばいになったケン爺のお尻にしゃぶり、舌で押し広

げ、少しずつ舌でつついてやった。

「ひーぃー」

「父さんっ」

「入れてーっ」

お尻を優しく掴み、後から少しずつ突いて入れてやる。

「はーぁーっー」

「いいっー、いつもよりええわ」

「ひーぃー、もっとー」

「たまらん」

「ぁあーぁー」

「いくーっぅー」

 

お陰でよく眠れた。芦屋で再び新快速に乗り換え、席に座り昨日までのメ

ール内容を繰り返した。彼の行動パターンは抑えている。彼を取り巻く護

衛の数も分かっている。しかし日本はやはり甘い。プライベートの時間帯

は穴だらけと言っても良い。早朝のジョギングの時が一番狙い安い。その

ことは警備関係の方も十分に分かっている。ましてや世界中から避難され

るような発言をしてから何日も時間が経ってない今は、いくら日本でも護

衛関係は神経を尖らせているはずだ。だから当分の間はジョギングはやら

ないことも分かった。

我々がやるのは本当はもっと時間を取り、発言問題が下火になった時かも

しれない。しかし上は決めた。今やったら恐らくあの発言に反対するもの

の仕業と考えるだろうからと。

 

品川で下り、モノレールでまだ明るい夜七時に羽田に到着し、仲間と最終

確認を終えた。予定通り彼の乗った便は新千歳より到着し、彼は到着ロビ

ーを出た。仲間と目で確認しそれぞれの位置についた。彼と護衛2人は車

に急ぐこともなく向かっている。形だけの警戒だ。照準器の中に彼の心臓

を捉え、トリガーに手を添えた。



                                            


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