「晩秋の薔薇」  .

(スーさんと山ちゃんの世界)  .



                                         N爺さん 


(11)  .



「今度は、来週ですか?」

「違うよ、十一月だよ」

「そうですネ、十一月…」

 頓珍漢の答えに、スーさんはきっと変に思ったかも知れないと、高志は

思った。

「まだ時間が有るのだったら、又カラオケに行きましょう」

「時間があるから、そうしょう」

 車を走らせて、高志が何度か行った事のあるカラオケ店へ行ったが、矢

張り日曜日なので、高校生たちで混んでいた。大分待たされそうなので、

前に行ったカラオケ店へ向った。

 そこは、料金が高いせいか、待たされることなく部屋を用意してくれた。

 二人なので、狭い個室が割り当てられた。部屋に入ると

「モーテルへ行かなくても、ここでも出来るかも知れないね」

 とスーさんが言った。

確かに、通路からの死角を狙えば、チットしたプレーは出来るかも知れな

い。でも全裸になって互いに愛し合うことは無理なので、矢張りモーテル

が一番良いと高志は思った。

 時間に余裕があったので、二時間の予約で、遅い昼食を取りながら、ゆ

っくりと歌いまくった。

 高志は悪戯心を起こして、歌っているスーさんのズボンの上から、性器

を撫でたり摩ったりした。

 嫌がると思っていたスーさんは、高志の為すがままになって歌っていた。

 時折、通路を人が通る気配を感じ、体の角度を変える。またそれがスリ

ルがあって変に興奮してしまう。

 歌い終わって、スーさんも高志のズボンの上から性器を弄った。

「元気になったじゃない」

「もう一度しゃぶろうか?」

「矢張り、ここじゃ不味いよ」

 カラオケは、採点機能があるので、それを利用して歌ってみた。精密採

点で、スーさんは殆どの歌を八十点以上の高得点で歌い、高志は七十点そ

こそこしか点を上げられなかった。

 しかし、こうして好きなスーさんと一緒に好きな歌を歌えることに満足

していた。

 高志は、新潟の高村氏の事をスーさんに話していたので、スーさんは美

川憲一の『新潟ブルース』を

「山ちゃんのために歌ってあげる」

 と言って歌ってくれた。

 

〝今日は大変お世話になりました。あれからデパートへ行って、妻に頼ま

れた北海道物産展で買い物をして、先ほど戻りました。

 また、これから孫の誕生会なので外食になるそうです。 本日は本当に

ありがとうございました〟

 無事に帰宅したとのメールが届いたのは、午後七時頃だった。

 スーさんと別れてからも、高志の不安は消えなかった。

 またスーさんが尿道に異常をきたしたらどうしょう…スーさんが打開策

として、抗菌剤をネットで購入して、一緒に飲んでくれたのに、それが無

駄に終わってしまったのでは、申し訳ない。

 高志は、はやる心を抑えて、二日後にメールを送った。

〝こんにちは!

台風一過、秋晴れの良い天気…にはならず、どんよりとした天気です。

 先日は有難うございました。

心配で又メールをしました。 息子さんに異常はありませんか。逢ってい

る時から心配で、私の息子は萎縮したままでした〟

〝連休明けで忙しく…

連絡のみにします。息子は今のところ異常なしですよ~

とりあえず、連絡のみ〟

 前にも、大丈夫ですよ、心配ない、心配ないですよ~。と言っていたの

でもしかして、二、三日後に、又発病するのではないかと、不安になって

きた。恐らく、一週間後までに発病しなければ、スーさんの打開策が効を

為して、高志の病原菌を撲滅したことになるだろう。もう少し様子を見て

みようと高志は思った。



                                             続 く 










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