土建屋のおっちゃんたち



                                         すばる さん 


(2)所長



翌日事務所に行くと出張から戻った所長を紹介された。所長は立ち上がる

と「やあ、柏木さん、所長の岩本です」と手を差し出して握手をして、肩

を抱くように軽くハグしてきた。爽やかなコロンの匂いが漂っている。歳

は50前後くらいか、背が高くがっちりした体型で、少しお腹が張り出し

ている。目はクリっとしてベビーフェイスな顔立ちに口ひげを綺麗に刈り

込んでいる。襟足は短く刈り上げられていて、男の色気を醸し出している。

そして「早速ですが、私の事務所兼宿泊所の掃除等をやっていただけると

助かるのですが…実はおばさんに辞められて困っていたんです」と言って、

僕が了解すると所長の車で事務所へ向かった。所長は単身赴任で会社から

マンションを与えられているのだという。4階建てのこじんまりとしたマ

ンションだった。では、昼頃にまた戻りますと言って、所長は仕事に戻っ

て行った。所長はとても感じのいい人だ。それにしてもダンプの千葉さん

の微笑みを含んだウインクが気になる。もしかしたら所長はこちら側の人

なんだろうか?しかし僕は自分より年上の人にしか興味がない。同年代や

それよりも年下の人に何かを感じることは全くないのだ。今までときめい

てきた人は学校の先生や職場の上司だったりで、ふた回り近い人にしか興

味が湧かなかった。

部屋の掃除は済んだ。台所も風呂場もトイレも見違えるほどに綺麗になっ

た。僕はソファに腰掛けて、改めて部屋を眺めまわした。と、玄関のドア

が開いて、所長が顔を出した。「やあ、やあ、なんと見違えるほど綺麗に

なって!柏木さんありがとう!と言ってまた肩を抱くようなハグをしてき

た。そして耳元で「ダンプの千葉さんから聞きましたよ、柏木さん…」と

息をかけるように囁くといきなりキスをしてきた。その行動は素早くて僕

に拒む隙を与えなかった。僕は抱きしめられて動きがとれず、キスされる

ままにしていた。所長は強く抱きしめると唇をこじ開けるように舌を入れ

てきた。僕も気持ちよくなってきて、その舌を思いっきり吸い込んでいた。

しばらく抱擁した後、二人はソファに座りなおした。所長は僕の手を握り

ながら、柏木さんを一目見たときから好きになってしまったようだ。これ

から付き合ってほしいと、じっと僕の目を見つめながら言った。所長をよ

く見るとふっくらとした頬と優しい目、整えられた口髭を僕はかわいいな

と思った。僕は所長の手を握りなおし、今度は僕の方からその唇にキスし

た。所長の手はだんだんと下に降りてきて、右手はお尻を抱え、左手は僕

の股間を撫で回し出した。僕は所長にしがみつくようにされるままに心地

よさにうっとりとしていた。

その時、所長の携帯が鳴った。至急現場に戻ってほしいという連絡だった。

二人は興奮を抑えて現場に戻った。戻る途中、所長は僕の手を握るとその

手に合鍵を優しく握らせて、明日仕事の後にマンションで会おうと言って

別れた。



                                                  続 く 






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