あまね さんのエッセイ




春・・・・ (2)氷柱(つらら)



ニュースでは前日は荒れた天気だったらしいが、それとはうって変わって

光が溢れている札幌に着いた。

薄暗い駅ビルから外に出ると眩しいが駅ビル正面壁のしゃれた時計に挨拶

する。

こんなに天気がいい日は地下街へ下りるより地上を歩き青空を楽しみなが

ら大通り西9丁目まで歩きたい。

 

凍っている雪で滑らないように歩く。

青空と雪に囲まれた温かみのある旧道庁がさらに美しい。

雪に埋もれている植物園の横を南下して雪まつりが終わった大通り公園を

見ながら西へ歩く。

西8丁目辺りから大通りを渡りながら、さっきから各種専門学校のビルが

目についていることに気がつく。立ち止まって辺りを見まわすと、ビジネ

ス、ブライダル、アート、音楽などの言葉が目に入ってくる。

100万人都市の特徴の一つに予備校も含めた各種専門学校の立派なビルが目

立つことが挙げられるがもちろん札幌もその例外ではないのだ。明るい太

陽の光のせいかショーウインドウかと思われるディスプレイがやけに華や

かで目立つが学生の姿は見かけないのはもう学期末の休みに入ったせいだ

ろうか。

 

凍った雪で滑らないように歩く。

チェックインまで少し時間があるので、ホテル近くの雪に埋もれた一軒家

の中華料理店に雪で滑らないように注意しながら中に入りで遅い昼飯を食

べた。テレビの地方ニュースを観て、また置いてある「北海道新聞」を見

て北海道を実感する。

チェックインして荷物を置いて2条ほど南の狸小路の方へ狭くなった雪の

歩道を歩く。

 

凍っている雪で滑らないように歩く。

少しだけ駅前通りからも大通りからも離れている狸小路7丁目辺りから西

は青空駐車場が多い。

またいわゆる現代的ビルではなく木造の一軒家が目立つ。一軒家と言って

も2階建てや三階建てもあり、デザインも様々である。

何層かになって厚さ2m近くもある雪の重さに耐えている家を、三階建て

の屋根から5m以上もの氷柱の幅5mもありそうな束を垂らしている家を

明るい夕刻の光が長い冬を耐えてきた労をねぎらっている。

西を見ると巨大な円柱タワー状の超一流ホテルが見える。

氷柱は毎年激変する札幌を見てきたのだろう。毎年今回が最後と思いなが

ら。

 

凍っている雪で滑らないように歩く。

春が雪で滑らないようにそろそろと歩いてくる。



                        




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