アッチさんのエッセイ・詩 43                   .




昭和のはなし



その3 近所のお店



 子供の頃住んでいた自宅はいわば公務員の社宅で、広大な施設の中の一

角にありました。直ぐ近くに門があり
(その施設と外をさえぎる)、そこを

出て歩いてわずかな所にお店がありました。

基本的には「菓子店」だろうと思いますが、何でも屋的なお店でした。

正面から店に入ると右側に大きな中が見える冷蔵ケース。

牛乳・コーヒー牛乳、ラムネ、サイダー、ジュース。

右側の入り口から入ると3〜4段あるガラスの陳列ケース。

大福・きんつば・シベリア・吹雪等の和菓子。

一方では同じ陳列ケースの中に、ねじり揚げパン・アンパン・

クリームパン・ジャムパン・コッペパン。

また、バター・ジャム・チョコレート・餡子等がそれぞれ入った銀色の金

属製の四角いケースが置いてあり、それをコッペパンの横に切れ目を入れ

て間に塗って売るってこともしてました。和菓子もパンも別にこのお店で

作っていた訳でなく、ただ仕入れたモノを売っているお店ですね。

奥に入ると右側に平たいガラスケースが並んでいて、そこに

細かいお菓子類が入っていました。

お菓子と言っても、先日「おつかい」のエッセイに出てきた菓子店に置い

てある様な菓子でなく、駄菓子的なモノと言った方がいいのでしょうか?

飴玉のバラ売りとか、酢コンブとか、せんべいとか、森永ミルクキャラメ

ルとか、その程度ですね。

そうそうエノケンの歌声で有名になった「渡辺のジュースの素」なんかを

良く買いました。個別に買うとひと袋5円だったかな?今から思うとあん

なモノに水を入れてジュースだなんて言ってたのですね。後の時代に人口

甘味料がチクロ騒ぎになりましたね。

閑話休題、子供の僕がそのお店で自分のお小遣いで一番使ったのはクジで

すね。

今でも縁日の夜店の中に、何本ものロープの先に色々オモチャなんかが付

いているモノ、あれのいわば縮小版。

多くの紐先にお菓子や小型のオモチャが付いていて、1本を引っ張るとど

れかが当たると言うモノ。

もう一つは小さな箱型がいくつも並んでいてそこに障子の様に紙が張って

あって中の賞品が見えなくて、どこかを破って取ると言うクジ。

どちらも幼い子供心をついたクジですよね。

中身はたいしたことないモノばかりなのについお小遣いを使ってしまいま

した。

 このお店はその左側に2畳ぐらいのスペースで文房具も扱っていました。

おそらくちょっと先に中学校があったので

そこの生徒目当てだったのかも知れません。けれど中学校の前には大きな

文房具屋があったのであまり売れなかったと思います。実際にこのお店で

文房具系を買った記憶はないです。

 駄菓子のガラスケースの先に四畳半の畳張りの部屋があって、冬はコタ

ツ、その他の季節は座りテーブルが有り、

いつもおじさんかおばさん、いや、今から考えるとお爺さんとおばあさん

だったですね。必ず二人が居ました。

息子さんとか娘さんいたらしいですが、店番しているのを見たこと無かっ

たです。

                   おしまい










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