越褌の連れ連れなるままに №8                 .


                                         越褌(えつこん)



(8)ふきのとう



何気なく、ガラス戸を通して、山や畑を眺めていたら、庭と接する土手

にふきのとうが目に止まりました。思わずニヤっとしながら目を凝らし

て見ると、あるわ、あるわ、うじゃうじゃ出ているではありませんか。

『ふきのとうが一杯でているよ』、と妻に言うと、妻は小躍りして

『うん、知ってるよ、採ろう、採ろう、天ぷらにしよう』

と言うことになりました。

妻はカゴを手に、私はデジカメを手にテラスから飛び出しました。

近寄って見ると、まだ少し小さいものの、おいしそうなふきのとうが一

杯出ていました。

 

     

 

土手のふきのとうは早い者勝ちですが、誰も競争相手はいません。まず

は、今夜の天ぷらに必要な量だけ採りました。

 

       

 

明日は天気も良くなるというので、たくさん採って、街に住む妻のお友

達にプレゼントしようと思います。

 

ふきのとうの天ぷらは、まさに旬の味。ちょっと苦くて、そこが旨い。

私は大好きです。

でも、妻はふきのとうよりも、ふきの葉の茎の方が好きと言います。春

になれば、二人して採りに歩きまわります。山菜採りって、本当にのど

かで、ゆったりとした気分に浸ることが出来ます。おいしそうな山菜を

見つけた時の、あの嬉しい気持ちは何とも言えません。里の贅沢なひと

ときです。

野山には、たくさんの山菜が採れます。ウド、タラノメ、ぜんまい、こ

ごみ、わらび、よごみ、水ぶき、つくし、のびる、アケビの芽、・・・。

我が里は、山菜の宝庫です。

 

ああ、今夜の夕食が待ち遠しいです。ふきのとうの天ぷら・・・、それ

はあたかも、大好きな爺の一物かのようです。こころゆくまで、じっく

りと堪能したい。そんな期待でいっぱいです。おっと、よだれが・・・。

 








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