風神さんのエッセイ №2               .




雷 神



今朝方私はバケツをひっくり返した様な雨の音で叩き起こされました…テ

レビも点いたまま…タブレットの電源も入ったまま何時の間にか眠ってし

まった様ですま、毎度の事ですけどね…突然携帯とタブレットの両方に

(災害エリアメール)がけたたましい音量で入りました、雨による土砂崩れ

と落雷警報でした、私の住む神奈川は災害の少ないエリアでニュースで各

地の酷い被害の様子を見ては気の毒に…と思うと同時に自分の住む神奈川

にそんな悲惨な被害が無い事を有り難く思えて成りません…土砂崩れと言

っても平坦な土地なので崩れて来る山もありません…警戒警報もいつしか

慣れっこに成ってしまい又かぐらいの感じで微動だにしません、ま、この

歳に成れば死ぬ時は何処に逃げようと死ぬ…と居直りにも似た覚悟は出来

ているので慌てず騒がずですね…そう言えば東北を襲ったあの大震災の時、

私は映画館でうたた寝をしていました、激しい揺れと停電で瞬間館内は真

っ暗闇に成りましたが間もなく回復したものの揺れは益々強く成り上映も

止まりました、天井に近い壁に

ヒビが走り今にも崩れ落ちそうでした、ほぼ全員が避難しても私は例の如

く逃げもせずヒビ割れた壁を眺めて居ました…平日だけど三十~四十人は

居た客のほとんどが逃げて、振り返ると館内には三人だけ椅子に深く腰掛

けて居ました…上映は中止しますのアナウンスを聞いて初めて動き出しま

した…居るんですね?私の様に肝の座ったと言うか人生に未練のない人間

が…
()交通機関も全て止まり、私は二十四~五キロを歩いて帰らなけれ

ば成らなかったのですが、途中の公園にはヘルメットを被った集団が大勢

居ました、すれ違う人に何の集まりですか?と聞くと公園に避難した人に

ヘルメットが配られたのだと知らされました…どんだけ生きたいんだよと

呆れ果てましたが、神が与えた生きる本能ですから誹謗してはいけません、

タクシーで帰ろうにも道路は駐車場と化して歩く人より遅いのです携帯の

局はパンクして公衆電話に並ぶ列が出来ました…歩道は歩く人で一杯で、

戦争でも始まったのか…と思うほど、ようやく地元に着いた頃は脚がパン

パンで一番近い飲み仲間の部

屋を訪ねました、暗い部屋から小さな明かりが見えてパンツ一丁の親父が

出て来ました、何か凄い事に成ってるね…と部屋に入るともう1人の仲間

が来ていて蝋燭の灯りで酒盛りの最中でしたあれま~酷い目に合ってる人

も居る時に酒盛りかよ~と言いながらも仲間入り…その親父も震災の後に

亡くなりました…そんな事を思い出していると雨は益々強く成り、窓や空

気を震わせて物凄い雷の音が始まりました、六十四年生きて来たけどこん

なに近い雷音など聞いた事がありません…

まるで屋根の上に雷神様が立っている様でした…私のペンネームは風神で

すが、大地を吹き抜ける心地よい風でありたいと名乗ったネームですが、

その相方の雷神は怒りをぶちまけ人々を恐怖に陥れる怒りの神ですかね…

今にも屋根を突き破り襲って来そうな勢いでした、明日は色々と用事があ

ると言うのに何も出来ないか…とまんじりともせずに朝を迎えましたが、

昨夜の雷神の怒りはどこへやら…まるで嘘の様な晴天です…お陰で用事が

足せそうです全国各地の老いときの読者の方々大丈夫でしたでしょうか…

皆様のご無事を祈っております
       風神










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