風神さんのエッセイ №3               .




性欲への疑問



若い頃の私は性欲は歳を取れば自然と薄れて行くものと思って居ました…

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歳のこの年に成って、ようやく老いた先が見える様に成ったのです…私

は自他ともに認める老け専で若い子の身体には見向きもしません…当然友

人関係も自分よりも十歳も年上が多いのですが、敬意を払いながら自分の

少し先を学ばせて頂きながら友人関係を築いております。

今一番深いお付き合いをしているのはシャッター会社の会長さん…この方

は奥さんを早くに亡くして現在気楽な独り身であります二階に独身貴族を

通す五十半ばの次男坊が住んでおりますが、外階段でほとんど独居生活を

しております…現在
84歳…思った事は口に出してしまうタイプで二人で行

ったラーメン屋でも食べてる最中に大きな声で、どっかに美味しいラーメ

ン屋を知らない?と聞いて来る始末
()その話は店を出てからする話でし

ょ?と苦笑いするしかありません。

万事がこの調子なのです、飲み仲間が集う寿司屋でも一口食べて不味けれ

ば食べない…口が肥えてるかと思うと頑固な性格が邪魔して新しいもの


受け付けないし好き嫌いもはっきりしているので高級思考では無い様です

…この会長スケベ心で女友達を誘ってツアーであちこち行くのですが、決

まって気まずい雰囲気で帰って来るのです、お婆ちゃんとは言え女は女…

普段からお尻を撫でなり太ももに手を入れたりしているので誘われたら多

少の期待はしてしまうんでしょうね…

頑固で不器用な会長は手を出しても起たないかも知れないと背中を向けて

寝てしまう様で、気まずい雰囲気で帰って来る羽目に成るのです…それを

五回も繰り返すと流石にお婆ちゃんも二度と行かないと逆ギレ状態
()

にはもう一度女のアソコが見たいと言うのに、起たない不安で手も出せな

い会長に私は教えて上げるのです…チンチンに頼り過ぎじゃ無いの?出掛

ける前にバイブとオイルと玩具を仕込んで舌と指を合わせて逝かせるぐら

いの遊び心は無いの?とね
()乱れた遊びもしないで女房一筋に来た会長

はお定まりのセックスしか経験が無いのです…

でも
84歳の老いた身体にも性欲はあってジレンマに苦しんでいるのでしょ

うね…発展映画館でファスナーを下げて寝た振りしてるだけでしゃぶって

くれる世界があるなんて知らないままに終わる人生…どちらが幸せかは価

値観にもよるけれど会長がそれほど望むのなら叶えてやりたいと私の女友

達にもウチの爺ちゃんの最後の望みなので一回でいいから見せてやってく

れる?絶対手は出さないから…と言う
といいわよと笑って答えてくれるけ

れど、照れ屋の会長はその冗談に悪乗りも出来ない堅物タイプで、移管と

もしがたいのです…

男は起たなくても性欲はあって、起たなくてもしゃぶると快感はある…そ

れが最近に成ってようやく分かりました、自分でも溜まっているから抜こ

うとしても、硬く成らずに出てしまう事があるのです、あ~これでは好き

な人が出来てもお尻に挿入する事は出来ない…ただでさえ可愛いチンチン

なのに合体は不可能なのかとがっかりするばかりです
()

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歳の私が年上を求めて勃起させて射精させる可能性はどんどん少なく成

り、かと言って若者好きになれない私は会長のように我が身に残る性欲に

苦しむ事に成るのでしょうか…

血を求めて真夜中にさ迷うドラキュラのように公園に行っても冷たい風が

吹き抜けるだけ…昔のように酔っ払ってベンチで眠る人影もないしホーム

レスの姿も今は無い…身体の性欲は出してしまえば嘘のように消え去るけ

れど心の性欲はチロチロと燃え盛りいつまでも消えないのです…

あぁ虚しき人生因果応報と言う言葉はあるけ
れど、私が何をした?と空を

見上げるけれど答える言葉は無い…

再び私は下を向いていつまで続くか解らない人生を歩き出すのです


                                              
風神でした










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