風神さんのエッセイ №4               .




寂れた発展公園



この地に住んで早三十五年…時の流れは時代の変化を私に見せ付けました、

亡くなってしまった多くの友人知人…思い出だけが老いた脳みそに残り時

折蘇ります、

映画館に出掛けた帰りに、買った食パンを千切り鳩にエサやりをするだけ

のこの公園も昔はあちこちから男の肉体を求めて賑わいを見せた公園でし

た…その頃は情報のネットワークも少なく私に取っては飲みに出掛けた帰

りの休憩所でしかありませんでした、高い垣根に囲まれた公園の駐車場は

絶好の休憩地点で私はそこで酔いを冷まし警察の検問タイムが終わってか

ら走り出したものでした、

シートを倒し一服する私の目に垣根の隙間で蠢く人影がありました、目を

こらしてよく見ると木陰で佇む人の股間で前後する人の頭でした…発展公

園の存在すら知らなかった私は暗がりで行われている光景に度肝を抜かれ

心臓は早鐘の様に打ちました、車から出て公園に入ると真夜中だと言うの

に公園の中を歩き回る人たちが居ました、スナックに出掛けてもほとんど

は会話を楽しんで終わり…欲求を満たすにはその流れで淫乱宿へと行くし

か無かった時代に、こんなにストレートな相手探しの方法があったのかと

かなりの衝撃を受けてハマりましたね…

公園の中だけではなく周りの道路に駐車してある車の中でもチンボを見せ

付けて誘う人も居て公園の中で見つけた相手と車の中で行為に及ぶ人も居

ました、特に高台の噴水のベンチに寝転ぶ人のチンボは暗黙の了解如く食

えたものでした、有名に成り過ぎて真夜中のエンジン音とか歩き回る人影

が不気味だと近所からの苦情で警察官の見回りが来るように成って遂には

公園全体を封鎖して大掛かりな改装が行われました…長い時を経て作られ

た公園は垣根を取り去り、全てが見渡せる造りで遊ぶ場所はトイレの個室

しか無くなりました、警察官の見回りも強化され園内に三カ所あったトイ

レも次々閉鎖され、現在は道路に近いトイレが残るだけ…タクシー運転手

専用の様に次々と空車が停まり汚いトイレで手短に用をたして行くだけに

成りました、

私は仕事の都合で約十年この地を離れて居ましたが、帰って再び公園を訪

れるとあの頃の賑わいはどこへやら、日中に子供らが遊ぶだけの詰まらな

い公園に成って居ました…それでも私同様に名残を求めて来てる人は居な

いかと立ち寄るのですが結果として鳩にエサやりをするだけなのです…

今は無き古く良き時代…景気は上向きですと政治家は言うけれど活気や賑

わいはどんどん消えて私の住む商店街も次々と営業を諦めてシャッターを

閉じ、遂には住宅に成ってしまいます、酔っ払いの姿さえ見かけなく成り

ました、

若者は夢を見る事を諦めて堅実な道を選び早くに戸建てやマンションを買

いローンに追われて遊びを知らない可哀想な生き方しか出来ない…だから

人の痛みも知らず陰湿な犯罪が横行するんだと思わざるを得ない…

何だか爺さんの愚痴みたいに成ってしまいましたね? 

では又
       風神でした










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