風神さんのエッセイ №6               .




知人の旅立ち



最近パチンコ屋でも寿司屋でも見かけないな‥と気に成っていた飲み仲間

の一人が亡くなったと聞かされました…

彼は私と同い年でした、心筋梗塞で突然の死だとか…

昔からの知り合いであれば住まいも知っていて情報も早く入り葬儀にも行

けたのでしょうが彼はここ二~三年の言わば新人でした…

独身の独り住まい、もし部屋で具合が悪く成っても病院に連れて行く人も

居ません…死んだ時の状況を詳しく知る事は出来ませんでしたが、恐らく

は部屋で孤独な死を遂げたのでは…と思います、

寿司職人で三十年も同じ店に勤めた彼は客が少ないと言う理由で、週に二

日と出勤を減らされやる事も無い彼はパチンコ屋通いをしていたのです…

勤め先の寿司屋は結構大きな店で全盛期にはかなりの売り上げを誇った様

ですがじわりじわりと続く不況に回らない寿司屋はどんどん閉店に追い込

まれている現状で、彼の店も例外では無かったのでしょうね…

退職金も雀の涙でご苦労さんで追い出されるんじゃ無いの?と私が心配す

ると、そんなバカな…と言いながらも不安を隠せない彼でした…客が置い

て行ったチップでさえ独り占めする店主と嘆くのを聞くと可能性は大です

よね…私も職人の世界に身を置いた人間ですが職人に退職金なんて聞いた

事がありませんでした…

この先の人生どうするか…彼なりに不安を抱えていたと思いますが、突然

の死で人生の不安は無くなったのです…寿司屋のカウンターには色んな生

き様の人たちの集いバカな話をして一夜を過ごすけれど、もう何人も見送

っています、友人会と名付けて十五名からお金を集めて見舞金やら葬儀の

献花を出すのは私の役目でした…皆さん快く出してくれるのですが、福島

に転居して役目を終えたのです、

今回の知り合いの死は寿司屋に顔を出したのが八月でもう二週間も来ない

と不審に思った矢先に聞こえて来た訃報で誰もがびっくり…葬儀も通夜も

密かに行われた後だったのです、私と同じ秋田の生まれで同い年で同じ独

り身ですが近所に兄弟がいた様なので兄弟が全て仕切って終えたんだろう

と思いますが、なぜだか心が沈んでしまいます、

心筋梗塞と言えば苦しむ時間は短くてそれだけが救いですでも本人は突然

の死を受け止めきれずに居るのでは…と不憫にも思ってしまいますよね…

我々独身組は老いても子や孫に囲まれる老後は無いし、いずれ訪れる孤独

死が早いか遅いかの問題ですから考
えようによっては老後の苦しみを知ら

ずに逝けたのは神の救済かも知れないと思います、ゲイで独身で老人でと

くれば先が見えた様なものですよね?何だか悲しい話に成ってしまいまし

た、すみません、

あ、そうそう私の友人の会長ですがサクラと言う名の柴犬と二人暮らしを

してました、メスの老犬ですが、昨日の朝亡くなっていたと会長が言いま

した、犬が先か俺が先かと争っていましたが、先に逝かれた様です可愛が

っていたので愛犬の死はこたえるのでは…と心配しましたが、ケロッとし

ていたのでそれほど心配は要らない様です
 

              風神でした










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