風神さんのエッセイ №21               .




困ったおじさん(更にその後) 



二階のおじさんが消えてから二カ月、相変わらず謝罪や言い訳の電話は入っ

ていません、生活保護の担当者の話ではリハビリをしていると言う…意識が

あるなら家賃の未払いを謝罪する電話は掛けられると思うが、その気もなく、

それでも部屋に帰るつもりで居るようだ、

大家は散らかり放題の部屋を見てホトホト困って1日も早く片付けたいと私

に言って来ました、

 

一旦入居を許してしまったら幾らだらしないと言っても家賃が未払いであっ

ても勝手に部屋にあるものに手を付けてしまうと法律に触れるのである…だ

から担当者の言うように嘆願書を制作して今日役所に届けたのです…それと

同時に二カ月分の郵便物も一緒に本人に渡して欲しいと手渡しました…

 

スカパーを契約して機材をリースしていた様で料金を払わなかった為に解約

され機材の返還を求める通知が何通も来て、挙げ句果てに督促状や弁護士か

らも封書が来ていて、返還しなければ裁判沙汰にも成るのです

郵便受けを開ける度にその手の郵便物が入っているのは私としても不愉快な

ので送って来た会社に電話して本人は入院していて対応出来ないので取りあ

えず機材を引き取りに来て下さいと言おうとしましたが会社の番号が書かれ

ておらず、フリーダイヤルに掛けるとガイダンスが流れお客様の登録番号を

入力して下さいと流れるのです…

 

私があのだらしないおじさんの為に面倒な事をしなくてもリハビリしている

おじさんが自分で処理すべきだと思って役所の担当者に託したのです…

忙しい大家に一任されていると伝えて未払いの家賃や施設に入れて欲しい要

望書の問題を一つづつ話を煮詰めていきました、

 

今回役所を訪ねた事で、解決の糸口が見えて来ました、病院の診察で一人暮

らしは無理と判断されそうだと言うのです…個人情報は教えられないとの事

で前回は病名も教えて貰えませんでしたが、今回は実は脳の血管が切れて運

ばれたと教えてくれました、軽い人はリハビリをして日常生活に戻るけれど、

どうやらおじさんは重くて一人で生活出来ない後遺症が残ったようです…

 

これで出て行って欲しいと言わなくても施設に行く事に決まりました…あと

は散らかり放題の衣類家財やリースした機材の片付けですが、借家人が亡く

なった場合は大家に任される様ですが、今回の様に病院の診断で施設に送ら

れるのは片付けは役所の方でやってくれる様です…

なので大家は家賃の取りはぐれもなく金のかかる片付けもしないで済むので

す、

部屋で死なれていたら大変な事になるところでした、

 

こんな事を書くと、ひどい冷たい人間のように思われそうですが、迷惑を掛

けたら「悪いね」、何かして貰ったら「有り難う」、その言葉の大事さが身

にしみました、それは肉親であっても必要じゃ無いでしょうか…

 

私の友達に車椅子の爺ちゃんと奥さんが居て二人暮らしをしていました、な

るべく顔を出して元気な様子を確かめていましたが、爺ちゃんから夕べ電話

が入って奥さんが入院していると聞かされました、

いつから?と聞くと四月からと言うのです、毎月一度は顔を出していたはず

が日常にまみれて二カ月も行かなかったのです…

車椅子の爺ちゃんが一人で暮らすのは大変な事です、子供がたまに様子を見

に来ると言いましたが必要なのは様子を見る事ではなくて身の回りの世話な

のです、

 

世話に成った爺ちゃんなので私に出来る事は何でもやろうとは思うけれど果

たして何が出来るかと心配です
           風神でした










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