風神さんのエッセイ №22               .




困ったおじさん



私の住んでる借家に住みついて、四月から行方不明に成ってたおじさんは

生活保護の担当者を訪ねた事で、入院してリハビリしている事が分かりま

したが、七月までリハビリの予定が、
入院中に再び倒れて歩く事もままな

らなく成ったとの事でした…

一人で暮らす事が無理と成った今、おじさんは施設に入るしか無いのです

が、大家の友人にすればゴミ部屋と成ったままの部屋を1日も早く片付け

て知り合いを入居させたいと言うのですが、転院先の担当医の口から施設

への入居を勧められる迄はこの借家のおじさんの荷物を勝手に処分する事

は出来ない…と言われました…

窓を全開にして匂いだけはしなく成りましたが、開かずの間と成ってしま

った部屋は何となく不気味で一人で住んでいる私も気持ちのいいものでは

ありません…どうせこの借家に帰って来ないならば1日も早くケリを付け

ればいいのに、役人のやる事はどうしてこんなに生ぬるいのか、四月から

家賃も払われないまま、ゴミ部屋の片付けも出来ないまま放置状態なので

す、

身よりの無い孤独な老人…私と重なって他人事とは思えないのですが、長

年の勝手気ままな暮らしは人に気を使うと言う神経を鈍らせた様で、家賃

の立て替えや借家の掃除の全てを人任せにしても申し訳ないと言う感情は

湧かない様で、匂
いとゴミに悩まされる私には迷惑な存在なのです…

私とて鬼では無いし、いつも済まないね~の一言でもあれば仕方ないかと

諦めも出来るけれど、

階下に降りて来る度に靴下やスリッパにゴミを部屋から引っ張り出し、ト

イレも側面にウンチを残したまま平気で出る…風呂に入ると廊下が水浸し

で後を付けて掃除をし、消臭剤を撒かなければ成らないのは、幾ら私が老

人好きでも許容範囲を越えているのです…

人の振り見て我が振り直せと言うことわざがあるけれど、神は私にそんな

年寄りに成るなよ?とおじさんを遣わし、その姿を私に見せるのでしょう

か?

私は流転の人生を歩き図太い面もあります…言いたい事をズバズバ言うけ

れど、やっていい事悪い事の区別は人並みに持っているつもりです、人と

の調和を考える気持ちもあるつもりです、おじさんはどうしてあんなに人

の迷惑も考えない性格に成ってしまったのでしょうか…それほど辛い思い

もせずに自分の事だけ考えて生きた人生の結果?

歳を取ると頑固に成るのは仕方ないけれど、意固地に成ってはいけないと

つくづく思いますね…?

柔らかい脳みそで人の苦しみの解るお爺ちゃんに成らなければね?

おじさんの人生は施設に入居してやがて訪れる死を待つだけでしょうか…

色んな人に迷惑を掛けていると言う自覚がなければ、入院先でも上手に生

きられないでしょうね…?合掌










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