風神さんのエッセイ №25               .




人の生き様死に様



私の上京を機に疎遠に成っていた田舎の友人が何故だか急に気掛かりに成

って電話をして見た…

 

もしもしと言う私の声で私である事が判ったようだ、二十代から東北のゲ

イバー巡りをしたり九州や東京、仙台にも出掛けて遊んだ友人だった…裕

福な家庭の独り息子だった…両親は彼がゲイである事を気付いていた様で、

孫の顔は見れないと淋しそうな顔をしながらも独り息子を責める事などし

ない穏やかな両親だった…

友人も又親思いでお母さんを乗せて買い物にも出掛けていた…

 

私もよく彼の家に泊まりがけで遊びに行ったが、彼のお父さんは彼が留守

でも私の顔を見ると上がれ上がれと招き入れて晩酌の相手をさせて貰った

ものだった…

泊まる時は同じベッドで寝ていてお母さんも私を彼の恋人だと思っていた

かも知れないが、私は老け専だったし、彼は若い子が好きだったのでお互

いに興味は無く同じベッドで寝てもふざけ合う事はあってもそんな関係に

成る事は無かった…

 

新宿二丁目で遊ぶ時は彼は手っ取り早く売り専バーで若い子を買っては滞

在中あちこち連れまわしたのだった…

その売り専の子の一人が気に入ったのか田舎に連れて帰りアパートに住ま

わせ家具を与えて愛人の暮らしをさせた、養子縁組みの手続きも済ませた

はずである…

 

ところが若専の人間は相手が中年に成ると、全く興味を示さなく成る…彼

も同じだった…いつしか普通の義理の親子の関係に成り熱い関係は終わっ

てしまったようだ、

 

今回友人に電話をした事で、その子が自殺で亡くなったと知らされた

自殺する理由でもあったの?と友人に聞くと、昔から自殺願望があったと

言う…そう言えば色白でひ弱な感じであちこち飛び回って遊ぶ私たちの後

を黙って付いて回っていた…

 

どんな理由で売り専で身体を売っていたのか…嫌な客に身体を売って相手

が望む事は何でもしてわずかな日銭を稼ぐ…ブライトのある人間には出来

ない事だと思う…

友人の話で家庭環境に問題があったと聞いた覚えがあるが、親に愛されず

に育った人は自分を大事にするとか自分を愛す事が出来ないと言う…

 

それについては私にも覚えがある…ケンカに明け暮れ刺されて死んでも構

わないと思った時期があった…

私が皮一枚でとどまって居られたのは苦労ばかりの母にこれ以上の苦悩を

与えては成らないと言う苦しい選択だった…いっそ母が居なければもっと

気楽に地獄に落ちれたものをと我が身を呪った事もある…

 

その子にはそんな辛い愛さえ無かったのだろう…

友人の田舎で普通の暮らしを始めて身体を売る仕事から抜け出せても、生

きて行こうとする前向きな姿勢には成れなくて闇サイトの入り口を開けて

しまい、死にたい同士で死に方を模索する日々が始まって、それを実行す

る為に上京したらしい…

 

部屋中の窓に目張りをして、友人にごめんなさいの遺書を残して練炭自殺

を果たしたのだ、目張りをして睡眠薬を飲んで練炭に火を点ければ確かに

苦しまず旅立てるだろう…知らせを聞いて駆け付けた友人に遺体は見ない

方がいいと言ったとか…死んで直ぐに発見されればいいけれど、何日か過

ぎた死体は肉が崩れ体液が床に広がり死臭がはんぱ無いらしい…

友人に見ないでと言ったのは恐らくそんな状況だったと思う…

 

健康体で生まれながら死を選んでしまった彼は友人が売り専バーから引き

抜いて田舎に連れ帰らなくても恐らく死を選んでいたと思う…

親に抱きしめられなかった子は孤独感にさいなまれ心が温まる事は無い…

躾だとか教育だとか必死に成る前に何も言わなくても抱き締めるべきだと

思う…抱き締めて体温を伝えれば叱る必要はないのだ

千の言葉より確実に届くのだ、

 

老いときの読者の方々は恐らく高齢で子育ても終わっているでしょうね…?

今更子供を抱き締めても、お爺ちゃんどうしたのって成るでしょうね
()

効果があるのは子供時代ですからね?ヘタに抱きつくとエロじじいだと思

われますからご注意あれ
  風神でした










トップ アイコン目次へもどる      「エッセイ一覧」へもどる
inserted by FC2 system