S.T さんのエッセイ 24                  .




義父とフロ(2)



家でも2度のぼせて倒れたことがありました、冬場は特に危ないんですよ

ね。1度は、脱衣場でガタッと音がしたので、慌てて行ってみると狭いと

ころで横になっていました。のぼせたなとすぐにわかりました。裸でいる

のでタオルを掛けました。妻がやってきて「じいちゃんまたかい、気を付

けろと言ってるのに」と小言です。「それより、バスタオルを持ってきて」

と私が言うと部屋にバスタオルを取りに行きました。うんうんうなってい

る義父にどこか痛いところはないか聞くと「大丈夫」とかすかに言いまし

た。タオルで体を拭きながら股間も少し触りました、あれ?どこにあるん

だろう? と思ったとき妻がバスタオルを持ってきたので、それを体にか

け水を飲ませました。しばらくして「のぼせちゃったな、悪かったな」と

体を起こしました。「大丈夫、どこかぶつけてない?」と聞くと「大丈夫

だ、部屋へ行くから手を貸してくれ」と言うので、身体を支えて立たせる

としっかりした足取りで部屋へ向かいました。少しでも身体に触れて嬉し

かったです、フフフ。

 

そんなことがあって、心配した妻が、義父が風呂に入っている時は時々声

を掛けていたようです。妻が、旅行でいない時は頼まれて代わりに声を掛

けていました。ドアを開けて見たい、という気持ちを押さえていました

(笑)。

 

亡くなる2・3年前から、「1人で入ると危ないから」と、妻が心配して、

介護士をしている娘が昼間家にいる時に風呂に入れて貰っていました。私

も何回かは頼まれて夜に入れたこともあります。もちろん一緒に入る訳で

はないです、義父も足腰はしっかりしているし、ボケたわけでもないので

ついていなくても大丈夫なのですが、身だしなみに気を使わなくなってい

て、髭もほっておくと剃らないので、風呂に入れて剃ってあげたりシャン

プーをしたりするくらいでした。体は、あかすりに石鹸を付けて渡すと洗

うので、その時は外で待っています。時々ドアを開けて様子を見るくらい

でした。妻が家にいるのでいたずらは出来ないしね(笑)。

 

1度、一緒に入って体を洗いたいなと思っていたら、千載一遇のチャンス

がやってきました。残暑が厳しい土曜日、妻が休みだった娘と用事で出か

けました。「帰るのは夕方になるよ」の言葉に、心がワクワクしました(

笑)。昼飯を食べて、昼寝をして少し涼しくなりかけた頃、「風呂に入る

かい?」と聞くと「そうだな、ここのところ入ってないから、入りたいな、

おめえが入れてくれるのか?」と聞くので、「俺で良かったら」「じゃあ

頼むわ。暑いから温くしてくれや」の言葉に気持ちが高揚しました。風呂

の準備をして、呼びに行きました。すぐにやってきて風呂場に入りました。

私も下着姿で待っていましたが、ちらっと見ただけで何も言いませんでし

た。

ドアを少しあけておきました、義父が「ひげ剃ってくれや」と言うので、

中に入り顔を蒸らしてから石鹸を塗り髭を剃りました、それから「頭洗う

から椅子に座った方が楽でしょう」と声を掛けると、浴槽から出て椅子に

座りました。シャンプーをした後、あかすりに石鹸を付けて背中を洗いま

した、「ありがとう、後は自分で洗うから」と言うので(当然ですが)、

「全部洗わせて、お願い」と言うと、嫌そうな顔で見ましたが、「しょう

がねえ奴だな」と腕を下げたので、そのまま両腕を洗い胸に手を回して洗

いました。「足洗うから立って」と頼むと、立ってくれたので足を洗いま

した。胸はドキドキです。明るいところで義父の裸を見れるのですから。

その時は義父の気持ちを考える余裕がありませんでした、とにかく自分の

欲望のままに動いていました。股間は素手で洗いました、さすがに義父の

顔を見ることは出来ませんでした。

石鹸を流して湯船にはいってもらいました。興奮から勃起していまして、

当然目に入ったと思うのですが何も言いません。私も何も言いませんでし

た。その後、「体も拭かせて」と頼むと、嫌そうな顔をしながら任せてく

れました。全身を拭き終わるころ、不機嫌そうな声で「もういいか?」と

聞いてきたので「終わりだよ、ありがとう」と答えると、さっさと浴室か

ら出ていきました。

悪いことしたかな、と思いましたが、初めて全身を見ることが出来た喜び

が大きかったです。さすがに90近いこともあり、肌の張りがなく胸の筋

肉もたるんでいましたが、義父の人生を感じました。

夕方帰ってきた妻に、「さっきTに風呂に入れてもらった、気持ちよかった

。」と何の屈託もない声で言っていました。それを聞いて許してくれたん

だなと有難く思いました。妻からも「じいちゃん風呂に入れてくれてあり

がとう、喜んでたよ」と礼を言われました。

 

しかし、その後風呂に入れてくれと頼まれませんでした。やっぱり男(婿)

に触られるのは嫌だったんでしょうね。ましてや大事なところまで触るん

ですから(笑)。

おやっさん、あの時は俺のわがままで困らせてごめん。そして、わがまま

を許してくれてありがとう。











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