旅人さんのエッセイ 4               .




癒し旅


4)四国お遍路



スタンプ帳は全国に約200件の、協定旅館が有ります。

11月の旅行予定を相談し、今までは信州方面の旅行が数多いから、今度

は関西方面にと、リクエストが有りました。

私は色々探しましたが、スタンプ帳の旅館が少なく四国に1軒、徳島県

(祖谷温泉)が有り計画してみましたところ、Aさんは、「四国に行くの

であれば少しだけでも、お遍路さんに寄って行かないか」と、なりました。

私は冗談のつもりで、

「残り少ない命だから四国八十八ケ所の内、少しだけとは言わずに全て周

ろうか」

と言ってあげたら、計画してほしいとの事でした。

四国の地図と、八十八ケ所の寺を穴が開くほど見て計画を立て、7泊8日

の行程を決めました。

その当時、私も仕事をしており休暇も中々取れないため、暮れから正月に

掛けての計画となりました。

短期間で周るわけですから、八十八ケ所すべては無理だとしても、半分位

は周れるだろう、残りの寺は、後日周れば良いかなと思っていました。何

回も出直しで行くのは費用の負担にもなります。

今回の遍路旅は、男性4名で、周る事になりました。

いつもの喫茶店で、今度はお遍路さんを周る事になったと話をしましたら、

なじみのお客さんたちが

「その行程では、般若心経も読経せねばならないし、良くて30ケ所か

40ケ所周ればいい方だ」

と、口をそろえて言われました。

その場に同席していたAさんが、ポンポンと手を合わせ、

「オッスと言えばええのや」

と可愛いことを言ってくれるのです。神社と勘違いしています。

12月の末の夕刻から、お遍路旅が4輪駆動車で始まりました。

その日の夜、徳島『阿波』の霊場に入り、1番寺(霊山寺)の近くに宿泊、

翌日の日曜日、朝700には霊山寺の境内に、寺社で納経帳と納札を買い、

空海=弘法大師の世界を、周り始めました。

本来は、本堂と大師堂で写経(般若心経)を読経、それぞれに納札に住所・

願い事記入し納札箱に投函し、寺社で墨字と朱印を納経帳に記入していた

だきます。

7001700まで(300円)御賽銭も小銭が沢山必要です。

2番・3番・・・と調子よく巡り、12番寺(焼山寺)は登り勾配がきつ

く、ガードレール無しの
カーブの多い、霜柱が立っている山道を、これが

遍路ころがしだなと思いました。

今でも沢山の人が、歩き遍路で周っていて、大変だなと思います。

徳島県には、23ケ所有ります。その日は21番(太龍寺)まで巡りまし

た。阿南市の国民宿舎で

泊まり、この調子で行けば、案外早く周れそうと思いました。

翌日残り2ケ所を巡り、高知県『土佐』の霊場に入りました。

ここからは太平洋を見ながらひたすら進んでいきます。次の寺までの距離

が、長くなって行きます。
旅行気分から、とにかく次の寺、次の寺へと、

心に変化が生じてきます。

家の事とか、仕事の事とかは一切思わず、無の世界に突入して行きます。

室戸市・南国市・高知市、桂浜も坂本竜馬碑も観ず、高知市内の旅館で泊

まり、翌日、土佐市へと、次の寺まで92Kmとか距離も伸びて行きます。

四万十川も渡り足摺岬までの遠い事、38番寺(金剛福寺)を参り、その

日も国民宿舎足摺テルメで泊まりました。

翌日からは愛媛県『伊予』の霊場で、どんどん前へ進めて行き、中でも、

45番寺(岩屋寺)は駐車場から登りの30分、遍路ころがしでインパク

トの強いお寺でした。

Aさんは途中で、「俺ここで待っているから参拝してきて頂戴」と、少し

疲れた表情でした。

走っていると、遥か彼方に松山城が見えてきて、大晦日に道後温泉で泊ま

り、もちろん道後館へ行き風呂に入りました。

風呂の壁には(坊っちゃんおよがないで)と書いてありました。夏目漱石

の世界です。

元旦は、51番寺(石手寺)参拝客で人の波、松山市から今治市と進め、

しまなみ海道を横に見ながら当時は、一部開通状態で車窓から少し見る事

が出来ました。

今治市で泊まり、翌日西条市へと進めて、四国で一番高い山、石鎚山

1982m
、60番寺(横峰寺)

愛媛県最後の寺、65番寺(三角寺)を終え、香川県『讃岐』の霊場へ入

っていきます。

最後の宿泊地、坂出市で泊まり、翌日善通寺市にある、75番寺(善通寺)

参拝、遍路旅も終盤になり、いよいよ最後の寺、さぬき市にある、88番

寺(大窪寺)参拝、1月3日12:08分お遍路さん

終了です。讃岐うどんで昼食を、正月の帰省客と重なり帰宅が遅くなりま

した。

四国一周車遍路旅、約1300Kmでした。

後日、喫茶店で、全て周ってきたよと言ったら、信用してくれませんでし

た。

自宅から納経帳持ち証拠品として見せてあげました。みなさん納得と感心

をしていました。

よく周れたましたねの一言。

Aさんが言っていた、オッスが周れる事に成ったのかもしれません。

参考までに

最初に記入しました納札、1周〜4周は白札、7周まで緑札、24周まで

赤札、49周まで銀札
99周まで金札、100周以上は錦札で納札箱に投

函、納札箱に金札とか錦札が入っていれば
持ち帰ってくると、御利益有り

とか言われています。世の中には300周以上周っている人が。

今回は、順打ち(1番〜88番)で周りました。逆打ち(88番〜1番)

は、順打ちの3倍の
御利益があると言われています。

2か月後に、和歌山県の高野山にお礼参り、奥の院で満願達成です。

その日は高野龍神スカイラインを走って、久しぶりに秘湯の宿、龍神温泉

(下御殿)で宿泊、スタンプ1個ゲットしました。

1枚目のスタンプ帳が満タンになりましたので、Aさんと無料宿泊の旅を

後日楽しみました。


つづく










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