ともしびさんのエッセイ 3             .



暗闇の中で




今日も今日とてフラリと足を踏み入れている

男達がむらがる暗闇の中に

何がしたい訳でもない

何をして欲しい訳でもない

それなのに、男の匂いで満ち溢れた暗闇の中に行きたくなる

時には壁に寄り掛かり

時には椅子に腰掛けながら

誰かがやって来るのを静かに待っている

こころは醒めているのに、身体だけが男を欲しがる

男の手、そして口を

ひと時の快楽を求めて今日も暗闇に佇む

ズボンのチャックを開けて

何時でもチンポを掴んで貰えるように

好きな様に悪戯してもらえるように

隣の男からさりげなく手が伸びて来た

それだけで快楽という名のゲームは始まる

後は黙って男の指に任せておけば良い

黙っていれば快楽の世界で遊ばせてくれるから

何をされても良い

男のなすがままに身体を預けておけば良い

座席に誘われたら着いて行けば良い

やがて手から口に変わるから

ほんの少しよがって見せれば良い

そうすればもっと気持ち良くしてくれる筈だから

静かに時が流れ、いつしか男の手の中に白い物が溢れている

何もかも終わった

快楽の渦の中に飲み込まれ、何時しか自分を忘れ

そして、今、けだるい身体だけが残った

身体は快楽に酔いしれても、何故かこころは醒めたままだ

どうしてなのか解らない

一体、自分は何を求めているのだろう

身体だけの快感か、それともこころの悦びか

もしかしたらその両方かも知れない

こんな暗闇の中では所詮無理な話なのに

何故かそれを追い求めている自分がいる

満たされないこころの隙間を埋める為に

一時の快楽を求めて

いつか理想の相手と巡り会えるかも知れない

そんな想いを胸に秘めて

今日もまた暗闇の中にひとり佇む








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