二人のスクリーン



                                         そら さん 


(4)



(最終回)



「自己紹介できた」「きつく言われたよ、君の事を心配していたぞ」

「岡元君を幸せにしてくれるように言っただけだよ」

「僕には二人の間に入れない空気を感じてしまう。」

「余り直ぐにのめり込んではいけないよ君の言う。モテる人じやないか」

「そうですよ。だからきてもらったの。中島さんが、何かアドバイスをい

ただけると思ったから」

「優しさそうな人に違いないが、誰にでも変わらないと思うだからそのー」

「わかった。別れる中島さんに観てもらって良かった。悲しい思いしたく

ないからね」

「儂も賛成」

「僕も賛成」3人で大笑いして二人は帰って行った。二人の幸せそうな顔

を思いだすと、複雑なジレンマが中島に覆い被さる。

それを払拭するように。本格的に中島は終活の準備にとりかかる。なるべ

く要らない物を減らす。先ずは分別だ。捨てる物が見つからない?ある程

度書いてみたものの。改めて生まれ来た者は必ず終焉と向かい合う。己の

最後の義務。本音は母に抱かれて逝きたい。人は心は弱い。しかし、体は

頑丈にできている。簡単に空からはお呼びにならない。岡元は笑顔をくれ

た。しかし二人の邪魔はできない。岡元の期待に応える事はできない。ひ

とつの世界を知った。中島は改めて生きる意味を知りたいと思った。今か

ら『生きてる意味』を教えてくれそうな人々と積極的に交流したい。心か

ら探したい。

1ヶ月後

「こんにちは」

「はーいどちらさん」

「岡元です」

「上がってきなさい」

「お邪魔します」

「おーどうした珍しいな」

「別れた」

「誰と」

「もう。松本さんと、連れて来た」

「なんでだよ」

「亡くなったの。元々心臓疾患があってね」

「葬式。行かなくていいのかい」

「行ったよ、遠くら合掌してきた」

「いつよ」

「えーと今日49日だから」

「なんだ寂しいのか」

「別に私には中島さんがいるから」

「おいおい待てよ、松本さんと同じようなことできないよ」

「充分承知してます。新しい恋人が見つかる間」

「なにもできないよ儂にも恋人ができたんよ」

「どんな人」

「どんな人てまあまあキレイな人だよ」

「ちゃんと確かめた」

「なにをよ」

「相性てあるじやない。大切なことだよ。」

「あのねこの歳になるとSEXはもういらない。体が触れてるだけでお互い満

足なんだよ」

「しかし大事だよ」

「だから裸で抱き合ってるだけで幸せなんだよ。相手が望めば儂も頑張る

けど。お互いが納得してのことだから、歳とれば君にもわかるよ」

「でもね。二人の儀式が終わらないと、お互い落ち着かないんじやないで

すか」

「若い時だけ。稀に性豪と呼ばれる人はいるよ、儂はただお互い触れて…」

中島は胸を張り岡元を言い負かした。

「今度紹介してよ」

「嫌だよ」

「勿体ぶらないでいいじやない」

「君の後ろだ」

「えー」

岡元は振り向き仏壇をみつめた。カーテンを風が揺らす音しか聞こえてこ

ない。カーテンコールは鳴り止まない。



                                                  完 









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