源吉の女房  .



                                      桃色の越中 さん 

                   主な登場人物


そ の 6  .



ホテルでの情事から、一ヶ月が経ちました。源吉は心の中で呟いていた。

「(昭夫の奴、如何したんだろう)」、ここ一ヶ月の間、昭夫は姿を見せ

ていないのです。源吉は大分寂しさを感じていたようです。「(ちょっと

厳しい事、言いすぎたかなあ、センズリくらいなら遣らすか)」、すると

携帯の着信音がなった。如何やら昭夫からのようだ。源吉はニコニコしな

がら、店の外へでた。「もしもし、昭夫か、如何した、なに、今日は散髪

か、それなら、夕方5:00過ぎに来れば良い」、源吉は嬉しそうに、店に

もどった。夕方5:30分過ぎに昭夫がやって来た。源吉が、会計係の小母

ちゃんに、「そのお客さんは、ワシの大切な、お客さんだから、倉庫から

椅子をもってきてくれないか」、小母ちゃんは椅子をもってきた。特別席

だ。如何やら、店長の大事なお客さんのようだ。源吉は担当のお客さんが

終わると、今度は、昭夫の散髪に入った。「お客さん、今日は、焼き鳥屋

ではなく、喫茶店で待っててもらえぬかな」、昭夫は首を縦に振った。如

何やら散髪が終わったようだ。会計係の小母ちゃんが散髪代を請求すると、

源吉が、「そのお客さんは、ワシの大事なお客さんだから、金は取らんで

いい、そのまま帰してあげなさい」、昭夫は喫茶店へと向かった。源吉も

店が終ったので喫茶店に入っていった。「昭夫久しぶりだな、如何だ元気

にしてたか」「ハイ、お父さん」「おっそうか、元気がなによりだ、今日

は焼き鳥屋は取りやめだ。実はな、サムソンと言う雑誌を買ってきたんだ

が、横浜の野毛の辺りに、会員制のカラオケスナックが紹介されていたん

だ。面白そうなので、今日は其こへいって見ようと思う、昭夫はカラオケ

は大丈夫か」「カラオケは、下手くそですが、好きです」「下手くそで良

いんだ。プロの歌手なら、収入が減るが、素人はそんな心配は要らんから

な、じゃあ早速行こう」。こうして二人は、横浜市営地下鉄にのり、新横

浜駅から桜木町駅へ向かった。桜木町についた二人は、会員制スナック{

兄弟船}へと向かった。JRA場外馬券場の側にあるらしい、「おい昭夫、

ここだ。兄弟船の看板がある、ここへ入ろう」、二人は中に入っていった。

カウンター席に座った二人に、マスターが、「お客さん、ここが如何いう

所か、承知の上で入られたのですか?、それとも、誰かの紹介ですか?」

「いやサムソンと言う、雑誌を見て来たんだが」「それなら、いいでしょ

う、今日はゆっくり寛いで下さい、お飲物は何になさいますか」「焼酎の

ボトル一本、キープしたいんだが」「それじゃー、マジックで、名前を書

いて下さい」、「マスター、焼酎のまえに、ビールを頼みたいんだが」「

ハイ、お安い御用です、おつまみは、何になさいますか」「マスターのオ

ススメは?」「今日は、まぐろの生きのいいのが、はいっています、トロ

の刺身は、如何でしょうか」「おっいいねえ、昭夫お前なんにする」「僕

も同じでいいです」「じゃあ、マスター二人前頼む」そうしてる内に、ビ

ールが残り少なく
なってきた。「マスター、そろそろ焼酎だしてくれない

か」「ハイ、水割りですか?お湯割りですか?それともロックにしますか

?」「そうだな、水割りにしよう、昭夫お前なんにする」「僕も水割りに

します」「じゃあ、マスター水割りで頼む」「源吉さんて、おっしゃられ

るんですか、いいお名前ですね、お住まいはどちらですか?」「JR横浜

線の成瀬だが」「町田市ですか、第二の東京副都心と言われてる所ですね」

「そう、町田の町も昔は片田舎だったんだが、今は発展したね」「ところ

で、お生まれは、どちらになりますか」「この源吉は、花のお江戸は、葛

飾柴又のお生まれで、生粋の江戸っ子なんすよ」「それじゃ源吉さんは、

{老いのときめき}と言うゲイサイトを、ご存知ですか?」「ああ、それ


なら毎日見てるよ」「あそこで、投稿されてる、葛飾のとらさんの作品っ

ておもしろいですね」「そうなんだよ、面白いね、源吉も大好きなんです

よ、あのお父さんじらしてばかりで、とらちゃんと早く合体させてやりた

いね、この源吉も葛飾柴又のお生まれなんすからね、とらちゃん頑張れと

言う感じですな」、話に花が咲き出し、此の後お客さんがどんどん入って

きた。如何やら源吉は、少し酔が廻って来たようで、帰るつもりのようだ。

「マスター、そろそろ、おあいそして貰えぬかな」「あれ!もう帰っちゃ

うんですか、それなら、カラオケ1曲歌ってから、帰ると言うのは如何で

しょう」「そうだなー、そうするか、おい昭夫、都はるみの{浪花こいし

ぐれ}歌えるか?」「僕一度歌ったことがあります」「それなら、父さん

といっしょに歌おう」、先ずイントロのメロディが軽快に流れてきた。



 芸(ゲイ)のためなら 女房も泣かす

 それがどうした 文句があるか

 ・・・

 ・・・

 

源吉にとっては、うっぷんばらしの様だ。あんなオ○ンコやらせねえ女房

より、恋女房の昭夫がいればいい、と言いたげの様だ。此の後二人は、松

屋で軽い食事をすませ、ホテルへと向かったのである。



                                                     続 く 








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