源吉の女房  .



                                      桃色の越中 さん 

                   主な登場人物


そ の 11  .



源吉と娘の京子は、町田駅南口で昭夫と待ち合わせをしていた。

如何やら、昭夫がやって来たようだ。

「おう、昭夫君、やっと来たか、これが娘の京子だ。こちらは須田昭夫

君、それでは何処かの喫茶店にでも入るか」

こうして、三人は近くの喫茶店に入っていった。

「父さんは、先に帰るけど、後は二人だけで大丈夫だな」

源吉は、喫茶店を後にした。

この後何度か、この二人は、デートを重ねた。

ある日、仕事先から帰って来た源吉は、今日は勤め先のデパートから、

珍しく速めに帰って来た京子に、問いただした。

「如何だ、京子、昭夫君と付き合って見て、少しは結婚のこと考えみた

か?」

「お父さん、私あまり乗り気では無いけど、お父さんの為だから、結婚

する事にしたわ」

「(何、お父さんの為だからだと、もう二人の関係には薄々気づいてい

る様だ、可愛い娘だ。お父さんの為だって!!)」

「それなら、京子の気持ちを、昭夫君に伝えて、おくからな」

京子が父親思いなのは、自分も稼ぎはあるが、小遣いをせびると、快く

出してくれるし、欲しい物があれば、惜しげもなく、何でも買ってくれ

る。そんな父親が大好きで、父親が望む事なら、何でも実現させてあげ

たいと、常日頃思っていたのである。

又源吉は、そんな、京子の性格を、良く知り尽くしているようだ。

翌日は、仕事先で源吉の携帯の着信音が鳴った。「もしもし、昭夫か、

何、今日は散髪は良いのか、それなら、白木屋で待っててくれるか」

もう源吉は、京子との結婚が決まったので、何処でも(昭夫、お父さん)

と呼べる様に、なったようだ。

やがて、仕事を終えた。源吉は白木屋に向かった。

もうすでに、昭夫は来ていた。

「おっ昭夫、元気なようだな」

「お父さん、早かったですね」

「昭夫の、顔が見たくって早く来てしまった様だ。所で話は変わるが、

京子が結婚を承諾したんだ。昭夫は勿論結婚はするんだろうな?」

「そりゃ、お父さん当然ですよ」

「よし、そうか分かった。今度は女房の紀子に合わせるからな、その事

については、又この次にしよう、所で青森の実家の家族構成は?」

「田舎には、母と妹が二人います」

「そうか、親父さんには、小さい時に、死に別れたといっていたな、そ

れなら早くお母さんを安心させてやろう、いづれは結納を交わしに、行

かないといけないからな」

そうしている内に、大分時間が経ってきた。

「昭夫、今日は目出度い日だ。又カラオケスナックへ行こう」

こして二人は、白木屋を後にし、会員制スナック{兄弟船}に向かって

いった。

{兄弟船}に着いた二人に、マスターが「お客さん、久しぶりですね」

「そうだな、久しぶりだな、所でマスター、焼酎のボトルは、まだ残っ

ているかな?」

「そうですね、半分以上残っていますね、それじゃ、今日も焼酎の水割

りになさいますか」

「水割りで頼む」

「つまみの方は、何になさいますか」

「そうだなあ、適当に見繕ってくれないか」

こうしている内に、お客さんが大分入ってきたようだ。

大分時間が経ち、快いよい酔い心地になってきた頃。

「お客さん、そろそろ、カラオケ1曲どうですか?」

「そうだな、それなら、歌わしてもらうか」

如何やら昭夫は遠慮した様だ。

「マスター、五木ひろしの{おしどり}頼むわ」

軽快にイントロのメロディが流れてきた。

 

「夢で隠した 心の寒さ 春の日ざしを 待ってるお前・・・

       ・・・・ これからは おしどりのように お前一人を

抱きしめて 生きてゆく♪」

 

まるで、俺達はおしどりの様な、夫婦になって行きたいとでも、良いた

いような唄だ。

この後、松屋で軽い食事を済ませ、ホテルへと向かった。



                                                     続 く 








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