源吉の女房  .



                                      桃色の越中 さん 

                   主な登場人物


そ の 13  .



源吉は、結納というよりは、両家顔合わせ食事会の為、、昭夫と京子を連

れ、羽田空港へと向かった。

ANA(全日空)青森空港行き537便、ボーイング777型機である、通称トリ

プルセブンと呼ばれている機体である、三人はこの某
777型機に搭乗し、

羽田空港新設の
D滑走路より離陸し、一路青森空港へと時速900キロのフ

ライトの旅に発った。

茨城上空を過ぎた頃、見てはいけない物を見てしまった。

あの東北大震災の爪あとである、源吉はこの時ばかりは、反省してしまっ

た。

『新幹線にすれば良かったかなと?』三人は取り合えず、黙とうを捧げた。

『東北大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます、又、残

されたご遺族、ご家族の方々のご健康と、ご幸福とをお祈り申し上げます、

又、東北大復興を願って止まないもので有ります』

三分間の黙とうを捧げた後、三人は目を開けた。

この後、約45分過ぎ位に、青森空港が前方に見え始めた。

コックピット内の機長は、高度を下げ始め、いよいよ、ファイナル・アプ

ローチへと入っていったのである、さらに機長は、スラストレバーを後方

に引き始め、エンジンの出力を下げ、さあ今度はランディグだ、如何やら

着陸成功のようである。

さらに数百メートルを過ぎた頃、コックピット内の機長は、リバースレバ

ーを前方に倒し、エンジン逆噴射だ。

もの凄い轟音の後、機体の速度はゆるんだ様である、この後、30番スポッ

トに、無事スポットインしたのである、こうして、三人は青森の地に降り

立ち、昭夫の実家へと、タクシーに乗り向かったのである、昭夫の実家は

青森市内にあり、青森空港とは目と鼻の先にある、一方須田家では、母親

の文子が美味しいお茶を用意し、三人の到着を待っていたのです、いよい

よ、膝を交えての、真剣なお話し合いが始まったのである。

「私徳田源吉と申します。これが娘の京子です。単刀直入に申します。

実は私の店に、昭夫君がよくこられ、世間話をするのですが、昭夫君が好

青年で有ることしり、娘との結婚話を進めたところ、二人共結婚の意志が、

固まったようです。

本日はお日柄も良くご挨拶がわりと言う訳では御座いませぬが、本日ここ

に二人の結婚のご報告にまいりました。つきましては、昭夫君には徳田の

姓を名乗らせたいのですが、お母さんとしてはどうでしょうか」

「えっ、養子縁組の話ですか、それはとても、有り難い事ですわ、実は、

この子の他にも娘が二人おりまして、ろくな職につけず、アルバイト程度

の仕事をやっておりますが、昭夫ひとりだけでも、幸せにして頂けるのな

ら、後の事は、徳田さんに全部お任せしたいと思いますわ」

「えっ、お母さん、今何とおっしゃいましたか、確か娘さん二人が職に困

っているとか、お聞きしましたが、それなら、この源吉に娘さん二人を、

預けさせて貰えませぬか、実はの、この源吉の店では、会計係に婆さんを

雇って居るのですが、最近年のせいか、ミスが多く釣銭を間違えては、お

客さんにドヤサレて、本人もこの仕事を止めさせてくれと申しているので、

ちょうど良いですね、又、若い女性が居れば、お客さんも増えるだろうし、

良い縁談にも恵まれましょう、如何でしょうか」

「えっ、そんなにお世話になって宜しいのでしょうか?」

「いえいえ、とんでもない、この源吉に出来る事なら、何でも申し付けて

下さい、所でそうなると、お母さん一人暮らしに成ってしまいますね、い

くらご親戚がお有りとはいえ、いつ何時、病気になるやも、如何でしょう、

お母さんも一緒に三人で上京されては、その際には、東京都には、都営住

宅と言うのが在り、わりと格安の家賃で入れます、場所としては、東京都

下の八王子辺りが良いかと思います、又、昭夫くんの勤め先も八王子なの

で、何時でもお母さんに、甘えられるし、この都営住宅と言うのは、年に

二度ほど抽選会があり、当選してから、話は煮詰めるとして、如何でしょ

う」

「そうですね、当選まで時間があるようだし、それまでに親戚と相談して

見たいです」

「もし、実現するようでしたら、又、その際に話は煮詰める事としましょ

う」

こうして、話は順調に進み、夕食の時間と成ったのである、昭夫から母親

の文子に連絡があったのか、食卓には秋刀魚の刺身が用意されていた。

源吉の大好物である、又、青森ならではの料理が用意され、又、地酒も用

意されていた。

三人は遠慮なく頂き、一休みした後、風呂に入り、この日は就寝へと就い

たのである。

翌朝、朝食後、一休みして、青森空港から羽田空港へと向かったのである。

源吉は一つ心残りがあった、それは、娘さん二人は親戚の家に泊りがけで

行ってるので、会えなかった事だ。

でも、結婚式の時には会えるだろうと思い、気を取り直し、羽田空港へと

向かった。

この後、一ヶ月が経ち、今日は晴れの結婚式だ。

結婚の儀を済ませ、いよいよ、披露宴となり、新郎新婦の入場だ。

この後、ウエディング・ケーキ入刀が行われ、二人はお色直しに入った。

・・・・・・・・・・・・・・・中略。

そろそろ、カラオケによる、祝宴が始まった。

五、六人歌い終えた頃、司会の女性が、源吉の側にやって来た。

「京子さんのお父さんですよね、京子さんからお父さんは、お歌が上手だ

と伺っています、如何でしょう、飛び入りで
1曲」

「えっ、私にも歌わして貰えるのですか、それなら、芦屋雁之助の{娘よ

}をお願いしたいのですが」

「ハイ、かしこまりました、後ほどお呼びしますので、それまでお待ち下

さい」

この後、源吉に順番が廻ってきた。

イントロのメロディが軽快に流れ始めた。

 

「嫁に行く日が 来なけりゃいいと おとこ親なら 誰でも思う

早いもんだね 二十才を過ぎて 今日はお前の 花嫁姿

贈る言葉はないけれど ・・・・・・・・・・・♪」

 

歌い終え、舞台を降りてきた、源吉の目には薄っすらと光る物があった。

涙を浮かべていたのである、感無量といったところか。

こうして、盛大に披露宴が行われ、いよいよ、ハネムーンだ。

三泊四日のハワイ旅行である、マイクロバスがチャーターされて有り、先

ず新郎新婦が乗り込み、さらに須田家関係者が乗り込み、その後、徳田家

関係者が乗り込んで、マイクロバスは一路成田空港へと向かったのである。



                                                      








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