白日夢




                                      昼顔 さん 



第三章 啼き柱・・・



応接間の出入り口ではなく、私はお縁に導かれました。沓脱ぎ石(踏み石)

には二足の草履が用意されていました。先生と私の為でした。「ワタクシ

は玄関を回って・・」と言い残した妻は応接間を出て行きました。女物の

草履を履いた私は沓脱ぎ石を降りて庭に佇みました。手入れが行き届いた

造園の中で佇む私に、踏み石を降りた先生が「庭園に佇む長襦袢をしどけ

なく纏った男(ひと)・・・」「艶かしいですねえ・・」と、背後から抱

き寄せ耳朶に口を寄せて囁きました。吹き掛けられた先生の息に、私のウ

ケの心が萌え始めました。このまま抱かれたい・・・野外で・・・犯され

たい・・・
私は顎を突き出して顔を仰け反らせ、先生の唇を暗に待つ仕

草を見せていましたが、「両手を後ろに回しなさい」と告げられ、そして

後ろ手に縛められました。

 

その時、玄関から回った妻が私達の処に戻って来ました。クルマの運転に

は差し障りがあるハイヒール、クルマに積んでいたハイヒールを履いた妻

が庭先に戻り、「あら、もうなのですか・・?」「皆様方、お待ちかねで

しょうに・・」
「先生・・お気に入られたようですね」と妻は私達に近

付きながら囁きました。「ええ、野外で・・・御主人を、いや、彼を・・

・野外で緊縛し責めたら如何許りかと・・・ふと、そう思いました」と返

す先生に、「今日これから・・そう為さるのですか・・?」と妻は質し返

しました。「いいえ、今日はお手合わせ・・・皆さんに御披露・・・獲物

を土蔵で・・・」と呟き返した先生は、私の身体の向きを変えさせて向き

合い、そして両手を背に回して抱き寄せ、顔を被せて唇を合わせて来まし

た。私は応えました。自らで口を開き、先生の舌先を誘導するかの様に待

ちました。燦々と降り注ぐ陽光を浴びながら、そして妻が見守るかの様に

見詰める中でのベーゼは私を蕩けさせました。犯されたい・・・貫かれた

い・・・陽を浴びながら・・・初めてのシチュエーションに私は喘ぎまし

た。

 

ベーゼから解放されて身体の向きを土蔵へ向けられた私に、「おチンチン、

締め込みに抑え付けられて痛いのじゃ・・?」と囁く妻の手が長襦袢の裾

前を割って侵入して来ました。「ほら、ヘンに曲がった様に・・・」


これだと歩き難いでしょうに・・・」
「土蔵に入っても直ぐに解かれた

りはしない筈ですよ」
「皆様方、貴方を焦らしながら、愉しみながらで

しょうから・・・」
「御開張はまだまだ先!」と囁いた妻の手が締め込

みの前袋を潜りました。勃起の納まりを直しながらの妻が、「ワタクシ達

って、ヘンな夫婦でしょう・・?」そうお思いでしょう・・?」と先生に

囁き問いました。「いいえ、此処では何等の不思議はありませんよ、日常

の世界から非日常の世界に移って来た御二人、性向・性癖の赴くままに暫

しの間の自己に忠実従順な御二人」と先生はこたえました。 「ありがと

う・・」と私が呟くと、「いいえ、どう致しまして」「さ、イッチョ上が

り〜〜」と妻は怒漲する勃起をポンと叩きました。「ウウッ」と呻き腰を

引く私を、そんな私を先生と妻は顔を見合わせて高笑いでした。

 

先生と妻とが私の左右から腰を押し、押された私は土蔵へ向けて歩き始め

ました。「お長の、長襦袢の肌触り・・・気持ち良いでしょう・・」「病

み付きになるかも、貴方って」と囁く妻から長襦袢越しにお尻を撫で擦ら

れながら土蔵前に着きました。艶消しの黒で塗られた分厚い耐火戸の前で

した。

 

扉が開けられると妻が先に立ち、中で待つ皆様方の中に身を置きました。

私は先生に背を押され、皆の視線を浴びながら土蔵に入りました。部屋の

中央に立たされた私は、「艶かしいねえ・・」
「女物の長襦袢が何故か

実に良く映える・・」
「これから・・・どんな声で啼くんだろう・・?」

「どんな涙を流すのだろうねえ・・」 「愉しみだ」と男性陣が口々に囃

す中で、「ええ、マゾさんの男の啼き・・・ホモさんの啼き、涙・・・ワ

タクシ達も愉しみですわ」「デッサンって・・出来るでしょうかねえ・・

する暇」と女性陣が口々に呟いていました。

 

私はそんな中で土蔵内を見回しました。微かに漂う黴臭さに淫靡な空間を

覚え、天井を見上げると太い梁が何本も張り渡され、梁の彼方此方には木

製の滑車が生成りの太い幾重にも巻いた縄で結わえ付けられていました。

四周の壁面にはオドロオドロシイ責め具が棚にこれみよがしにとでも謂わ

んばかりに、飾り立てる様に並べ置かれていました。別の壁には太細長短

無数の麻縄が、生成りを始めとして赤や紫、紺や緑、黒等々に染められた

麻縄の束が架台に掛けられていました。

 

そして奥には・・・拷問具である三角木馬や石抱き刑具で算盤責めとも称

される盤木が鎮座していました。まさか、まさか今日今から・・・恐怖に

身が竦んでしまっていました。それでも見詰め続ける私に、「怖がらなく

ても大丈夫」
「いきなりはしませんよ、第一 無理です」 「被虐度を見極

め確かめないままには三角木馬には乗せません」
「石抱も、ネッ」と先

生は私の肩をポンポンと叩いて囁きました。「乗ってみたい時は、乗って

みたくなったら先生に御願いしてみたら良いですよ」
「尋常な痛さでは

ありませんけどね」と、甲斐さんが私の傍に来て囁きました。「あら、甲

斐様、御存知なの・・?」
「甲斐様はSさんなのでしょう・・?」と女性

陣の一人が質しました。「ええ、仰る通り、私は
Sですが、責められる側

の筆舌にも尽くし難いと謂われる苦痛を身を持って確かめたいと、そう思

って」
「乗って、跨がってみました」 「直ぐに赦しを乞いました、乞う

てしまいました、我慢なんて、堪えるなんて、そんな次元ではありません

でしたヨ」
「性感とは無縁でした・・・尤も私は苦痛を性感に変え得るM

ではなく
Sですけどね」と最年長の甲斐さんは答えていました。

 

「昼顔さん、中央に太い柱が屋根までに達しているでしょう」 「大黒柱

ですが、此処ではそう呼びません」
「泣き柱!啼きとも謂いますが・・

・泣き柱!」
「此処で責め折檻され、ええ、全裸に縄化粧を施されてネ」

「此の柱に縛られたり、或は縋り付かされたり・・・」 「可哀相な被虐

者さんが縋って泣く柱・・・啼くのです、この柱に縋って」
「泣いて御

赦しを乞うたり・・・口ではお赦しを乞いながらも身体はもっともっとと

更なる責めを請い・・・」
「真性のMさんならば随喜の涙を流す柱、泣き

柱です」
「今まで何人の男が、女性もですが・・・啼いたのでしょうね

え、この柱に縋って、縛り付けられて・・・」
「昼顔さんはどうかな・

・?
どんな声で啼くのかな・・? どんな随喜の涙かな・・?」と、甲斐

さんが後ろ手に縛られた私の身体を押しました。七十一歳の瘦せぎすで非

力を窺わせる外見とは違い強い力でした。

 

後ろ手なるが故にか、私はバランスを崩して大黒柱に、いえ、黒光りする

啼き柱に身を委ねる様に凭れ掛けました。冷たい感触を頬に感じました。

両脚で挟み付ける様に柱に縋りました。太い柱の角に腰を押し付けました。

(膝を幾分曲げて腰を使っていたと、後になって皆から揶揄され教えられ

ました)
泣き柱・・・啼き柱・・・ 啼きたい・・・皆から寄って集って

責め苛まされて・・・
柱に縋って男の忍び泣きの声を洩らしたい・・・

啼き声をあげたい・・・
皆に見詰められながら・・・ 随喜の涙を流した

い・・・
私は頬擦りしていました。冷たい感触の泣き柱に、早く縛られ

たい・・
視て下さい、視られたい・・・そんな思いで一杯でした。

 

私は啼き柱に押し付ける身体を引き剥がされました。女性達が、奥様達が、

壁際に置かれていた机を、男性陣の手も借りず運んで移し、啼き柱に天板

をピッタリと着けて置きました。その机は私の腰の高さ程、幅は半間程で

したが、奥行きは殆どと云っていい程無く、辛うじて腰を預けることが出

来ると云ったものでした。何を・・?
推察出来ました。乗せられる・・

・お尻を預けさせられる・・・と、推察出来ました。

 

男性三人に依って、私はその机に浅く腰を掛けさせられ、両腕は啼き柱を

回して背後に縛められました。後頭部の啼き柱の裏側で両手を縛り付けら

れました。胸部や腹部にも啼き柱を大回しにして縄が掛けられました。女

性陣の内の和装の二人が、袂から白く長い紐を取り出し、一端を口に咥え

て素早い手捌きで襷掛けを施し袖を捌きました。 襷掛けの二人は夫々が

私の足元に跪き、爪先立ちの様に爪先で身体を支える私の左右の足首に、

三重程に重なり合わない様に巻いた生成りの縄を巻き付けました。同時に

私の妻と上田さんの奥様の洋装の二人が、天井の梁からスルスルと伸びる

二本の生成りの縄を空中で夫々が捕らえ、そして私の足首に巻かれた縄に

各々を結わえ付けました。

 

「もうお解りでしょう・・・」「泣き柱を背に貴方はこれから開脚・・・

全開脚ですよ」「
M字開脚が?、それとも脚は真っ直ぐ伸ばしてが?・・

何方がお好み・・??」「何れにしても・・・折角の啼き柱の御紹介・・

・」「開脚御開張は吊り責めでも出来ますが、この啼き柱を使いましょう、

取り入れましょう」と先生は私をあやす口調で囁きました。「貴方・・・

吊りよりは身体に掛かる負荷の分散が・・・少し辛いかもしれませんこと

よ」と、足首に吊り縄を結わえ終えた妻が私を見据えて囁きました。 

「ああ・・・怖い・・・」と小さな声の私の爪先立つ脚の太腿に、ピシャ

ッと妻は無言で平手をくれました。

 

「女性陣に引き絞って戴きましょうか」と呟く甲斐さんの声に、洋装の二

人(妻と上田さんの奥様、志摩さん)が梁の滑車を通って壁の静止具に留

められた各々の縄を引き絞り始めました。私の両脚は略同時に、真っ直ぐ

伸ばしたままで徐々に引き上げられていきました。「女性陣は彼の、昼顔

さんの前で視て為さい」
「替わりましょう」と松本さんと上田さんが交

代し、開脚が始まる私の真正面に四人並んで立ちました。

 

「奥様、御免為さいね、御主人の恥ずかしい格好をこれから・・・」

ええ、そう、赤い締め込みは誰が解くのかしら・・解いてあげるのかしら

・・?」
「御主人、ホモさん達のSMプレイしか御経験がないのよねえ・

・・男性同士の」
「私達女性から見詰められながら・・・どんなお気持

ちなのかしら・・・」
「でもホモさんだから、女から・・・どおってこ

と無いのかも・・」と女性達から揶揄されながらの私の両脚はユックリと

引き上げられていきました。

 

冷たい冷気が身体を撫でるのを覚えました。主催氏の先生が壁に唯一設え

られた耐火戸を開け放っていました。午後の高度が低くなった陽光が木漏

れ陽となって私の身体に差込みました。「良い演出ね、さすが先生」と女

性陣から感嘆の声が上がりました。「さ、急ぎましょう、陽がある内に」

と先生が男性陣を促し、私は更に胸部に、腹部に、そして締め込みの前褌

を境に左右に分けた生成りの縄で股縄を掛けられて啼き柱に固縛されまし

た。啼き柱を背に抱き、両腕を柱に回して縛められた私は、必然的に胸を

張り背を反らせざるを得ませんでした。ですが胸を張り背を逸らすと胸縄

が胸部に喰い込みます。モジモジと身体を蠢かすことは出来ませんでした。

預けたお尻が机から落ちそうでした。

 

先生が目配せを送ったのが解りました。松本さんが背後に回り、泣き柱越

しに私の双丘とそれを預ける机の間に手を差入れました。それを見た甲斐

さんと上田さんが机を引き抜き始めました。お尻を抱きかかえる松本さん

の手に力が入りました。机が外され取り払われると、股縄にググッと自身

の体重が、負荷が掛かりました。「ムグッ」と歯を食い縛ってそれに堪え

ると、抱え持つ松本さんの腕に力が入ったのが解りました。「腰を吊って

あげましょう」と先生の呟きに、更に天井の梁からスルスルと縄が降りて

来ました。その縄は股縄と腹部の縄とに結わえ付けられ、僅か引き絞られ

ました。松本さんが一気に手を離し、瞬間、グウッと股縄に負荷が掛かり

ましたが、それにウウッと呻くも束の間、縄の伸びが負荷を吸収して安定

した様でした。

 

「貴方、啼き柱を背負った貴方、いい格好ねえ・・・」「もう直ぐ御開張

の様ですよ、皆様方に御覧戴きましょうねえ、とくと、たっぷりと、マジ

マジと・・・」と、妻が締め込みの前褌を突き上げる私の怒漲を擦りなが

ら、輪郭を露わにさせながら囁きました。「御主人、どんな体位がお好み

なのかしら・・此の儘で??
それとも・・M字開脚・・?」と甲斐さんの

奥様が揶揄しました。すると私の答えを待たずして、膝夫々に生成りの縄

が巻き付けられました。甲斐さんと上田さんでした。夫々の縄尻を手にし

た二人が「さて、何処に」と呟くと、「足首の縄を解いて膝の縄に移し替

えては如何でしょう」と先生が呟き、移し替えられた二本の縄が引き絞ら

れて私の下肢は
M字開脚に決められました。

 

皆さんは私を取り囲んで凝視していました。舌舐めずりするかの様な目で

した。「不安定でしょう?? ずり落ちはしないかって、心配でしょう??」

「単なる吊りならそんな事は無いのにねえ」
「安心して身を任せ、浮揚

感に漂っていれば良いのですが」
「動かない! 動くとズリ落ちるかもし

れませんよ」
「でも動きたいでしょう・・恥ずかしいものねえ」 「先程

のお写真の女(ひと)の様な・・・それが婦人科内診の体位」
「そんな

格好を、
M字開脚をさせられて・・性器を診られるのよ、女性は」 「全裸

でない分、逆に羞恥
ha

殊の外・・・でしょう・・?」と男性女性が口々に囃し立てました。「股

縄を・・・両脚を吊る縄に絡めましょう、ズリ落ちるのが防げます」との

先生の呟きに、股縄が掛け替えられました。

 

私は僅かながらにでも得た安定感に、腰をモジモジと蠢かせ始めていた様

です。締め込みを解かれての怒漲の御開張、御披露のお強請りでした。視

られたい・・見て言葉で嬲って戴きたい・・・手に取り顔を寄せてマジマ

ジと試すがえすに・・・代わる代わるに・・・満座の中での陵辱・・・早

く締め込みを解かれたい・・・ ですが口には出せず、固縛されて僅か身

悶え出来る身体で晒しをお強請りしていました。唯一自由になる膝から下

の下肢、足先の白い足袋が淫美に思えました。

 

「貴方・・我慢出来なそうねえ・・・」 「泣き出しそうな顔してるわよ」

と妻が囁くと、「奥さん、もう少し、もう少しで御主人の啼き声が聞ける

と思いますよ」
「ほら、息も絶え絶えのように何かを言いたそうに、訴

えたそうに・・・」
「眼が赤くなっているでしょう、涙目に、もう直ぐ

涙が滲み始めるでしょう」
「手が自由になるのであれば、御自身で締め

込みを解き、かなぐり捨てて・・・晒された〜い・・・視られた〜い・・

・もう頂点に達しているのでしょう」と男性陣三人が口々に妻に、いや、

女性三人に囁き、そして私を煽りました。

 

「ああ・・・あああ・・・ううっ・・・ハア・・ハア・・」「もう・・も

う・・苛めないで下さい・・・意地悪しないで下さい・・」「ああ・・あ

ああ・・・ああ・・」と私は堰を切った様に喘ぎを大きくし、「お・ね・

が・い・し・ま・す・・・」と息も途切れ途切れに身体を蠢かせて訴え、

自身の喘ぎに酔ったのか、嗚咽が込上げて来ていました。小さな嗚咽でし

た。滲む涙は頬を伝っていました。「何を御願いしたいの・・?」
「視

られたいの??恥ずかしい処を・・・」
「お見せしたいのでしょう、皆

様方から視て戴きたいのでしょう」
「視られたいのでしょう」と妻が身

を乗り出して囁き掛けました。「うん・・・ああ、あああ〜、うん・・視

て戴きたい、視られたい・・あああ〜」と私は喘ぎを大きくしました。

 

「さあ、殿方達に視て戴きましょうね」「ワタクシ達女性も視て差し上げ

ますよ」と、もう誰かは解りませんでしたが、囁く声と共に締め込みの結

びが解かれるのが解りました。「あっ、厭、嫌あ〜恥ずかしい、厭あ〜」

と身を捩る私に、「どっちなんだ!」「何方なの!」と誰かが左右の内股

に同時に平手をくれました。鴇色の長襦袢の扱きはとっくに解かれ抜き取

られ、前は割られて肌蹴られ、腰に残る最後のもの、赤い締め込みが解か

れ始めました。「はあ、ハア、はあ、ああ・・・」と私の喘ぎの声だけが

土蔵内に妖しく低く響く中で、赤い締め込みは解かれ引き抜かれました。

もう誰からなのか解りませんでした。
M字開脚の両脚の間に入ったのは上

田さんだった様に思いますが、もう誰が締め込みを解いたのか、いえ、解

いて戴いたのかは解りませんでした。

 

ピンと飛び跳ねる様な怒漲の開放感に私は酔いました。三組の御夫婦と私

の妻の七人が肩を寄せ合い、或は肩を抱き抱かれ、身を寄せ合う様に扇形

に展開して私を見詰めています。股間の怒漲のみならず、顔を、目を、身

体を・・・七人の視線が身体中に浴びせ掛けられました。扇の後ろには先

生が居ました。八人も・・八人から・・私は白い足袋の親指を、四本の指

を、曲げたり反らせたりしながら晒される悦びに酔いしれていました。

 

股縄に負荷が掛かっているせいか、怒漲は連れて付け根に向けて引っ張ら

れる様で、漲りはツルツルと赤紫色に膨満し、亀頭はテラテラと破裂しそ

うに光り輝いていました。股縄で双丘の中心に潜む菊の花が連れて拡げら

れていました。俯いては自身の怒漲を見詰め、顔を上げては皆様方を見詰

め目を会わせ・・・ 誰かが背後に、啼き柱の後ろに行った気配がしまし

た。

 

「さ、俯かない!」「顔を合わすのが、目を会わすのが恥ずかしいだろう

けど・・・」「俯けない様にしてあげようねえ」
「羞恥に昂り善がり涙

を滲ませる君の顔を皆さんに御覧にいれなきゃ」と、解いた締め込みを畳

み重ねた最早一片の布と化した締め込みが額に当てられ、私は鉢巻を締め

るが如きして啼き柱に頭を固縛されました。目尻が吊り上がる程でした。

 

「男の涙、羞恥に酔い喘ぐ男の・・・哀しい男の涙・・・」と呟く声に続

き、「そう、そして
もう一つの男の妖しい涙も・・・潤み滲み糸を引い

て・・・鈴口がパックリ開いているよ」「亀頭もプクッと膨らみを増して

・・・」と男性の声が聞こえました。私はそっと目を閉じました。「女性

の皆さん、解るかな・・?
御存知だったかな・・? 男が迸りを放つ直前

はこうなるんですよ・・・迎えた膣内で解ってた・・?感じてた・・・?


御存知でした・・?」と、確か甲斐さんだったと思いますが、問うていま

した。「ええ、存じておりましたわ」
「・・・解りませんでした・・・」

と答えは交々(こもごも)でしたが、「識ってはいましたけど・・・もう

此方もそれどころではございませんもの、置いてけ堀を喰わない様に・・

・・」との誰だったかの答えに、皆の間で爆笑の渦が巻き起こりました、

私を除き。

 

笑いが治まると、「男性は如何なのでしょう・・?ホモさんって直腸に刺

し立てられるのでしょう・・?」
「パートナーさんのその瞬間って・・お

解りになるのですか・・?」と奥様の一人が尋ねる声が聞こえました。目

を開けると上田氏御婦人の志摩さんでした。「ええ、男を抱きますが、で

すが私達三人は所謂タチ」
「刺し立てる方ですから」 「それはウケさん

に聞かないと」と、男性三人は口々に返していました。「じゃあ昼顔さん、

此処にいらっしゃる中での唯一の・・・そう、アヌスに刺し立てられる男

(ひと)」
「如何なのでしょう・・・? 御解りになるの・・?」と、こ

れは志摩さんが囁き問いました。

 

頭を啼き柱に大回しの鉢巻で固縛された私は、それでも赦される限りに頭

を小刻みに振って、「・・・いいえ、それほどの経験はありませんから・

・・二度か三度・・・ですが痛くて・・・張り裂けそうで・・・ググッと

押し込まれるともう・・もう・・・」
「懇願して・・・御赦しを乞うて・

・・途中で・・・止めて戴いて・・ああ、あああ・・」と喘ぎながら答え

ました。すると妻が「お口は・・?お口の時は・・?為さってらっしゃる

のでしょう・・?
おフェラを・・・」と、妻が、妻がです、質して来まし

た。男根を口に、喉元深く含む口淫行為の経験を。「・・・・・」と黙り

こくっていると、「答えなさい!」と強い口調と共に扇輪形から出て私の

両脚の間に入り、陰嚢越しに睾丸をムンズと掴みました。「ううっ・・・

うぐっ・・・」と私の低い呻きに構わず、妻は男の急所中の急所、副睾丸

を指先で探り当てました。

 

「奥さん、手加減して下さいネ」「本気で為さると御主人は悶絶・・・」

「飛び上がって跳ね上がって、仰け反って・・いや、啼き柱に縛り付けら

れているからそれも叶わず・・」「兎に角、悶絶してしまいますから・・

啼き柱・・・啼き柱・・・」と男性三人は妻に進言すると同時に私を揶揄

し嬲りました。私は涙目で妻を見詰めていました。「どれどれ、私が替わ

りましょう」と甲斐さんが啼き柱に固縛された私の右横に移り、右手を差

し伸べて私の睾丸をそっと掌で包み込みました。甲斐さんは直ぐに副睾丸

を探り当て、コリッと指先で転がしました。「あっ!ムグッ、あああ〜、

ううう〜 ムグウウ」と歯を食いしばった私は低い呻き声をあげて甲斐さ

んの睾丸責めに堪えていました。一回のみでした、コリコリと転がされる

のは。

 

私は恐怖に戦きながらも、それでも勃起は癒えもせず、鈴口からはカウパ

ー氏腺液を滲ませ糸を引き続けていました。甲斐さんの手の甲に糸を引く

其れが流れ落ちていました。甲斐さんが其の手の甲を私の口元へ翳し、私

はそっと目を閉じ唇を開きました。微かに、ほんの微かに、如何形容した

ら良いのか??微かにスルメの味??良く解りません。無味だったのかも。



                                                     続 く 







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