白日夢




                                      昼顔 さん 



第六章 視姦・・・そして鉄アレイ・・・



土蔵内は静寂に包まれました。時折は明かに空咳と判る咳払いが聞こえる

だけの静寂の中で、前屈の姿態を縋り縄に縋って支える私は、黒の透明な

ストッキングに包んだ脚を、ハイヒールで突っ張らせた下肢を、ガーター

ベルトを腰に巻かれた剥き出しの裸のお尻を、その後ろ姿を、皆様方に凝

視される視線をありありと感じながら晒され続けていました。視姦・・・


視姦かも・・・ 私は荒い息遣いを鎮める努力に努めました。見詰める皆

様方の咳(しわぶき)一つ聞き漏らすまいと、荒い息を整えるべく努めま

した。

 

そもそもの視姦とは服の上から裸を想像されながら見詰められるもの、顔

を見詰められ性の愛戯に悶え善がる顔を想像されるものとの理解でしたが、

ガーターで吊ったストッキング姿のあからさまな半裸ではあっても、両脚

の間には雄のシンボルが漲ったままに睾丸を引き連れているのがまざまざ

と晒し出されてはいても、想像の域にあって服を剥ぎ取り脱がさずとも、

心の内面を抉り取られ晒し出す視姦・・・
視姦されている・・・ 私はそ

う思い込みながら縋り縄に縋っていました。

 

腰をくねらせ捻り、脹脛や大腿部の筋肉の輪郭線をより強調せんとして、

ハイヒールで支える下肢を踏ん張り蠢かせました。尻えくぼも心掛けまし

た。そして、何か言って欲しい、揶揄でも讃美でも良い、何か・・・
黙っ

てないで何か・・・ 整え始めた荒い息遣いは吐息に変わりました。吐く

吐息に甘い声が混じり始めていました。前屈の姿勢で顔を俯かせて怒漲を

一瞥しました。鈴口からの男の涙は糸を引いて垂れ落ちていました。腰を

脚を蠢かすと、その涙はユラユラと揺れて床に達しました。

 

「貴方、如何・・?」 「どんなお気持ち・・?」 と、妻がイーゼル前を

離れて私が縋る縄の前に移って来ました。「・・・・・ああ・・・・・」

と喘ぐに止まり答えずにいると、いいえ、答える余裕も無い状態でしたが、

気を取り直した風に数回頭を振った私は、「犯されているみたい・・・」


と微かに小さな声で答えました。「犯されているみたい・・?」
「アヌス

をなのかしら・・・」
「そうよねえ、殿方達にはお見せしてらっしゃるの

でしょうけど・・・」
「その時って四つん這い? それとも膝胸位?腹這

いになって、いえ、させられてかしら・・・」
「お尻を突き出して・・・

そんな時って、お腹の下には座布団を丸めて何枚も、だそうですねえ」


妻が揶揄すると、男性陣が「そう、よく御存知」「昼顔さん、奥さんから

そうされてるのかな?お尻をアヌスを愛撫されてるのかな?」
「男から刺

し立てられる時の体位、こんなのがお好みなのかな・・?」
と口々に囃し

立てました。

 

「そう、アヌスの、アヌスへの愛撫・・・貴方ってお好みですものねえ」

「でもそれは扨措き・・・ワタクシ以外の女性から、三人もいらっしゃる

のよー」
「見詰めてらっしゃるのよー」 「殿方達へは何度も幾度もだっ

たでしょうけど・・女性達へは初めてでしょう」
「恥ずかしいわねえ」と

妻は私を揶揄し煽りました。

 

「犯され・・・そう仰っていましたよねえ」 「そうよ、男性も女性も・・

・皆さん挙って目で、視線で・・・
犯して下さってますのよ、貴方の事を」

「素敵ですねえ・・嬉しいでしょう・・・」と妻が嬲り囁くと、「何処を

犯されたいのかしら・・?」
と奥様の一人が呟きました。「何処って、も

う奥様ってカマトトさんですわねえ、決まってますでしょう、アヌスだっ

て事」「未だ未通、完全に埋め込まれてらしゃらないと仰ってたアヌス・

・・」
と他の奥様二人も嬲り囃しました。

 

「皆様方・・・もうデッサンは・・??」 と私は途切れ途切れの声で質し

ました。パシーッ、パア~ンと大きな音と共に双丘に焼ける様な痛みを覚

えました。何時の間に来たのか甲斐さんと共に妻の平手打ちでした。「余

計な事は考えなくてもいいの!」
と妻は叱責口調で私に言付けました。

「ええ、皆さん、粗方終えられていますよ」
「そうでなくても休憩を挟も

うかと考えていましたが・・」と主宰氏の先生が微笑みながら囁きました。

 

主宰氏のその声に私は些かの疲労感を覚えました。吊られ支えられ、縋り

縄に縋ってとは云え、ハイヒールでの前屈姿勢は辛いものでした。「少し

休ませてあげますか」
と甲斐さんが皆に告げ、「そうですね、名残り惜し

いですが」
と男性達が呟きながら梁から下りる縄を解き始めました。「名

残り惜しいって何が?」
と奥様の一人が尋ねると、「あら、アヌスに決ま

ってますでしょう、アヌス拝見に」
「まだ双丘に隠されていますけど・・

・」
ともう一人の奥様が返していました。「いやいや、それは大丈夫」

「降ろしてもアヌス検分はどうにでもなりますから」
と主宰氏の先生が笑

いながら返しました。「あら、奥様達って、主人のアヌスを御覧になりた

いのですか・・?」
と妻が囁き問うと、「いいえ、女性陣だけじゃなく、

私達男も・・・」と上田さんが混ぜっ返しました。

 

前屈の身体を吊り支える縄が解かれた私は縋り縄から手を離して身体を起

こしました。掌は汗で湿っていました。蹌踉けながらにも身体を直立させ

た私の肩をやお尻をポンポンと軽く叩いた男性陣が「じゃあ・・・一休み

の前に前屈していた身体を逆にしましょう」
「身体を伸ばしましょう」

「いいでしょう??甲斐さん」
と、松本さんと上田さんが尋ねていました。

「そうしましょう、そうして差し上げましょう」
と甲斐さんの同意と共に、

股縄、胸縄、お腹に巻かれた黒い縄夫々に、梁の滑車から伸びる生成りの

縄が、今度は身体の前で結わえ付けられました。

 

「ブリッジの姿勢ですか・・・?? レスリングの様な・・・」 と私が呟

くと、「ええ、そうですよ、お察しが良い」
と答えた男性陣に依って、先

ず股縄に張力が掛けられ、次いでお腹に巻かれた縄、胸縄へと続き、私の

身体は腰を九十度、いやそれ以上に反り返した姿勢で吊り縄に保持されま

した。甲斐さんが縋り縄を掴み持ちて、「さあ、縋り縄ですよ」
「今度は

上向きで縋っていなさい」
と両腕をダラリと下げた私の顔の前に縋り縄の

端部のコブを翳しました。

 

私が縋り縄に両手で縋ると、股縄の張力が更に高められ、「さ、脚を、両

脚を開いて!」
「ピンヒールの踵が着くでしょう、爪先も着くでしょう、

それが浮かない程度に脚を」
と甲斐さんが命じ、私はピンヒールの踵と爪

先で両脚を、吊り支えるものが無い両脚を開脚して支えました。「膝を少

し曲げて・・・」
「曲がるでしょう、さあ」 と促された私が開脚した脚

の膝を少し曲げると、腰縄、腹部の縄、胸縄を吊る生成りの縄の張力が再

調整されました。

 

肘を曲げて縋り縄の端部を掴み縋っていた私に、「上のコブを、三段ある

コブの内の昼顔さんが両腕を真っ直ぐ伸ばして縋れるところのコブを掴み

なさい」
と甲斐さんが告げました。これは腕力が要るぞ・・・私は直感し

ました。ばかりか、背を反らし気味だった私は背が痛くなっても腕力に頼

って身体を起こす事が出来なくなります。股縄の張力が調整され、ハイヒ

ールのピンヒールが床から離れました。負荷が腰部に集中します。私は両

脚の開度を変えてハイヒールの爪先やヒール部を床に着けて負荷を分散さ

せました。両腕は一杯に伸び切っていました。

 

「あら、おチンチン、真っ赤に怒ったおチンチン、正に陳列ね、一本だけ

ですけどチン列・・・」と、妻が駄洒落で揶揄し、「逆海老固めを引っ繰

り返された体位・・・ペニスは怒った様に真っ赤に・・・」
「それを突き

出し突き上げて・・・」
「よく見えますよ~」「御立派ですねえ」 「ど

うにかして差し上げたくなっちゃった」
と奥様達が囃し立て、「うん、男

の僕が見ても惚れ惚れする・・・」
と男性陣の一人が呟くと、「あら、ゲ

イさんですもの、バイとは云えゲイさん」
「熱り立つペニスに惚れ惚れす

るのは当たり前でしょう」
と、私と同い年の綾香奥様が混ぜっ返しました。

「仰る通り」
「言えてる」 と松本さんと上田さんが呟き答え、土蔵内に

爆笑の渦が沸き起こりました。笑えないのは私だけでした。案の定、腰が、

背が、腕が痛くなりました。

 

「ホント、不思議な身体ねえ・・・」 「艶かしいストッキングが良くお似

合い・・・ガーターも・・・」
「腰には造形美に富む雄のシンボル・・・」

と奥様達が呟く声に続き、「うん、下着女装の身体の縛め・・・」
「雄の

シンボルを取り払えば艶かしい女・・熟女の身体・・・」
「小股が切れ上

がった・・・ハイヒールで小股が更に強調され・・・」
と、男性陣も口々

に呟いていました。

 

「男根、男根の造形美、僕は好きです」 と男性陣の一人が呟き、「うん、

私もそう思う」
「うん、私も・・・女陰よりも観賞に堪え得ると思う・・」

と追随する声が聞こえました。「あら、ゲイさんだからなのでしょう・・?」

と返す奥様もいれば、「ええ、ワタクシもそう思いますわあ・・・口惜し

いけど・・・」
「テカテカ・テラテラと光り輝く陰茎・・・亀頭・・・」

「松の根の様にゴツゴツと怖いくらいにおどろおどろしいくらいに・・・

そんな男根もあるそうですけど・・・でも昼顔さんの男根・・って、それ

とは違う妖しい力強さ、造形美・・・」
「色も赤紫と云うよりはピンクに

近い色・・・それが赤くテラテラと・・・」
と肯定する奥様もいました。

 

私は縋る縄から片手を離し、それを股間にそっと持っていきました。亀頭

にそっと触れました。もう破裂しそうな程に張り詰め、指の腹でなぞると

ツルツルの感触でした。裏筋に指の腹を移すと千切れんばかりに思えまし

た。陰茎も滑らかに張り詰めていました。私は睾丸を握り下へ引っ張りま

した。更に陰茎の緊張感が増しました。アヌスに力を入れるとグッと膨満

感が増していきました。陰茎の根元、付け根に指を移し、人差し指と中指

を合わせの二本、それと親指で漲る陰茎を挟み持ち、そしてその三本の指

でグッと根元へ押し下げました。同時にアヌスに力を入れました。更に張

り詰め感を得ました。「自慰の手法の一つ・・・擦るばかりではないので

すよ」と甲斐さんが呟いていました。

 

「じゃあ・・・そうして差し上げましょう」 と主宰氏の先生が呟くと、

「女性陣、よ~く観て為さい」 と言った甲斐さんが私の両脚の間に入り

ました。張り詰めた怒漲の皮膚の感触を味合うかの様に数回撫で擦った甲

斐さんは、怒漲の、陰茎の縛めを始めました。手にしていた黒い江戸紐で

根元を数回巻き、「アヌスに力を入れて〜」
と告げ、私が口を結んでグッ

と引き締めると根元に絡め巻き付けた江戸紐をググッと引き絞り結わえま

した。「おおお・・・」と声をあげて、それでもアヌスを引き絞る力は間

欠的に、呼吸に合わせて続けていると、「ま、凄い」
「痛そう・・」

奥様達が私の腰の左右から覗き込んでいました。自身の怒漲を甲斐さんに

委ねた私は離していた片手を戻し、両手で縋り縄に縋り付きました。

 

怒漲の縛めだけではありませんでした。次いで余った黒い江戸紐を陰嚢の

付け根に巻き付け、同じようにグッと引き絞り縛められました。「ま、真

っ赤っか!」
「ツルンツルンに真っ赤っか・・・」 「ピカピカ光ってる

・・・」
と奥様達の呟きが聞こえました。「痛くないのかしら・・?」

「痛いでしょう、きっと」
「お可哀相に・・・もう、シンボル全体が破裂

しそう・・・」
「タマタマ君、縁日で売ってるアイス、ゴムに入った、み

たい・・・針でチョンと刺すと破裂しそうな程に」
「ホント、大きさも似

てますわねえ」
と奥様達が身を乗り出して囁き合う声が聞こえました。

 

更には・・・それだけではありませんでした。怒漲と陰嚢夫々の付け根を

キツク固縛した江戸紐の更に余る両端に、「はい、これ」と上田さんが差

し出したのは、鉄アレイでした。 ずっしりと掛かる鉄アレイの負荷を陰

茎と陰嚢に覚えました。甘い吐息と共に切なく喘ぎながら・・・



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