白日夢




                                      昼顔 さん 



第七章 P責めの緒、序奏・・・



誰かが軽く蹴ったのか、それとも手で押したのか、鉄アレイがユラユラと

揺れ始めました。或は・・・私の腰の蠢きに連れてだったのかもしれませ

ん。怒漲が受け持つ負荷に私はアヌスを引き締め熱り立ちを強くして負荷

に抗しました。根元を緊縛されて血流を止められている筈なのに、私の踏

ん張りや息み(いきばり)に応えるように、漲り(みなぎり)は其の度毎

に張り詰めピクンピクンと蠢いていました。

 

「もう少し重くして差し上げたら如何かしら・・」と奥様の声がしました。

奥様達の中の最年長者、上田御婦人で六十歳の志摩夫人のようでした。

「でも・・・陰茎、男根と言ったら感じが出てるかも、もう根元に皮が引

っ張られて・・・裏筋って云うのかしら、切れそうに・・・」
「でもギ

ンギンに張り詰めちゃって・・・田懸神社の男根御神体みたいねえ・・・」


「重しをもっと掛けたら如何なるのかしら・・?」 「折れちゃうかも・

・?」
「折れちゃったら奥様に申し訳ないわあ~」などと奥様達が囃し

ました。私はまた片手を縋り縄から離し、鉄アレイの重みに堪える怒漲の

その裏側に掌を当てました。右手でした。目を薄く開けて見回すと、妻と

男性四人は微笑みながらそんな私を見詰めていました。

 

「あら、ワタクシ達が折れちゃうのでは?って言うものだから・・・なの

かしらねえ・・」
「御自身で支えてらっしゃるのかしら・・・」と志摩

夫人の呟きに、「いいえ、折れたりしませんよ」
「大丈夫」 「平気へい

き」と男性陣は口々に囁き返していました。主宰氏の先生が「触って確認

したいのでしょう」
「奥様達が形容為さった事を」と、私の心中を代弁

するかのように囁いていました。事実、ピンピンに、パンパンに、皮膚は

張り詰め緊張し切った己が漲りに指を這わせていました。掌で包み握るの

ではなく、指の腹でそっと撫で回していました。目を閉じ指の腹に全神経

を集中させて撫で擦っていました。「嬉しい・・・う・れ・し・い・・・」

下着女装を施された私は女言葉で喘ぎそうになりましたが、辛うじてそれ

は抑えました。縋り縄に片手で縋る辛い姿勢のままに、上向きの顔を支え

る首の力を抜いて仰け反らせ、指の腹に全神経を集中させていました。

 

「あら、御自分で・・・逝っちゃうのでは??」と妻の囁きにそっと目を

開けると、妻は私の顔を、目を見詰めていました。「ああ・・」と私は小

さな喘ぎ声を漏らしながら身詰め替えしました。「如何な御心境??」


「連れ合いのワタクシのみならず皆様方に見詰められ・・・」
「貴方と

同い年の女(ひと)、綾香様も見詰めてらっしゃいますよ、いえ、見詰め

て下さってますよ」
「同級生だったら良いのにねえ・・」 「思い掛けな

い、思いもよらない邂逅・・・そんなシチュエーションだったら良いのに

ねえ・・・」と妻は嬲りを続けました。

 

「御自分で為さらない!!」と強い口調で怒漲に指を這わす私の右手が引

き剥がされました。志津御婦人、一番若い五十一歳の女(ひと)でした。

私は「アッ」と声をあげて腰を突き上げました。鉄アレイの負荷がググッ

と加わりました。「あら、ドサクサに紛れて」と奥様達が志摩御婦人を囃

し立てました。「バレちゃったか」と返す志摩御婦人に皆の笑いが起こり

ました。

 

初めてでした。初めての経験でした。今まで衆人環視の中での性の蹂躙は

何度かは経験していましたが、それは須く男性達からでした。嗜好を同じ

くする男、同性愛で
SM嗜好の男性達の前に身を投じ委ねた経験だけでした。

異性たる女(ひと)の前で、女(ひと)達の前で・・・バイの性向である

御主人の奥様である女(ひと)達の前で、御夫婦達の前で・・・そしてそ

れを妻の前で・・・初めての経験でした。性の羞恥は元より、普遍的な羞

恥が入り交じる中で私は両手で縋り縄に縋り付きました。

 

鉄アレイはユラユラと小さいながらも揺れ続け、再び訪れた静寂(しじま)

の中にあって、「ああ・・恥ずかしい・・」
「・・ああ・・あああ・・

・」と私は小さな声で喘ぎ続けていました。「ええ、恥ずかしいわねえ・

・・恥ずかしいでしょうねえ・・・」
「旦那様が皆様の前で・・・こん

な格好で・・・」
「ワタクシも恥ずかしくなっちゃいましたよ」と妻が

嬲り煽りました。「奥様~腹いせに・・・苛めて差し上げたら如何??」

と奥様達が煽りました。「ホント、如何してあげようかしら・・」と返し

た妻は、私の左の乳首を指で摘んでキュッと捻りました。私は「ああ、痛

~い」と大袈裟に身を捩りました。

 

「痣が着く程 抓っておくれ、それを惚気の種にする・・・ですね、奥さ

ん」と甲斐さんが囁くと、「あら、じゃあ御主人が惚気ちゃうのですね、

誰に見せてなのかしら??」
「御主人は誰にお見せになって惚気るのか

しら??」
「妻が悋気して、同性愛の褥のことに悋気して、ほら、こん

なに痣が着く程・・・って、抱かれた男(ひと)に惚気るのでしょうねえ、

きっと」と、奥様達が囃し立てました。

 

「もう そろそろ・・・」と甲斐さんと主宰氏の先生が同時に呟き、松本

さんの手が私の怒漲にそっと触れました。「冷たくなり始めてる・・・」

と松本さんが呟くと、「どれどれ」と上田さんも手を伸ばしてきました。

主宰氏が「鉄アレイの負荷からではなく、根元をキツク縛っているからで

す」
「血流は完全に止められているのではなく、少しは流れているので

すが・・・それでも阻害しているのは確かなのですよ」
「もう少し経つ

と色が・・・白味を帯びる様になるでしょう」
「一旦解きましょう」と

皆に告げ、先ず鉄アレイが取り外され、そして怒漲と睾丸の縛めを解かれ

ました。私は「フ~ッ」と大きな溜め息を吐いて身体を弛緩させました。

身体が、腰や背が痛くなっていました。縋り縄に縋る腕も辛くなっていま

した。

 

「一旦降ろしましょう、解放して差し上げましょう」と主宰氏が皆に告げ、

股縄、腹部の縄、胸縄と順に吊り縄が緩められ外され、二人の男性から両

肩を抱かれ起こされ身体を起こした私は、其れ等の縛め縄を身体に着けた

まま床に崩れ落ちました。ハーヒールが脱げない様にと気をつけるだけの

余裕(?)はあった様です。側臥位で両脚は軽く曲げて重ね、腰部の線や

お尻の張り出しを強調する事も忘れませんでした。いや、無意識に、だっ

たのかもしれません。観賞される男・・・下半身だけではあっても下着女

装の男・・・頬を押し当てる床のヒンヤリ冷たい感触は心地良いものでし

た。



                                                     続 く 









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