白日夢




                                      昼顔 さん 



第九章 A感覚・・(と、V感覚)



「昼顔さん・・・先程みたいに側臥位か、或は俯せになってくれませんか」

と休憩の茶菓を愉しみ終えた主宰氏の先生が私に告げました。体育館座り

を解いて主宰氏を見詰めると、「お尻を・・昼顔さんのお尻を皆さんに視

て戴こうかと思って」
「ですから体位はお任せします、昼顔さんのお好

きな様に」と告げられた私は、「膝頭が直接床にですと・・痛いと思いま

すので・・」と返し、左を下にしての側臥位になりました。「あら、何方

様が仰ったのでしょう??
四つん這いになれって・・」 「そうでしたよ

ねえ、俯せになって、とはおっしゃいましたけど・・四つん這いになれと

は・・誰も仰らなかったようですけど・・・」と、甲斐御夫人の志津さん

と松本御夫人の綾香さんが指摘しました。

 

「わっはっは 菊座を、アヌスを存分に視られたいのでしょう、昼顔さん

は」
「お視せしたいのでしょう」 「同性の猛々しくも怒り狂った怒漲で

突き上げられる男の器官、昼顔さんの器官を」
「双丘の奥にひっそりと

潜む菊座・・・アヌスを」と男性三人が笑いながら口々に囃し立てました。

 

「視られたいの?? お視せしたいの?? 皆様方に」 「ワタクシも視た

い!暗い処ではなく明るい処で!」
「ゲイのパートナーさんには、達に

は、お視せしてたのでしょう??何人もの方に」
「お視せしちゃいなさ

いよ、恥ずかしがらず・・・」
と妻が囁きました。「そうですわあ~、

視せて下さいましな」
「殿方のアヌスって、その気が無い方々には単な

る排泄器官・・・でしょうけど・・・」
「昼顔さんや宅の主人、皆様の

御主人に取っては・・・ねっ、妖しい性の器官・・」と奥様達が煽り立て

ました。

 

「そう云う事ですよ、さあ、昼顔さん」と甲斐さんが促し、私は俯せから

腰を少し浮き上がらせ突き出す様に、膝を浅く、極浅く立てて四つん這い

の姿勢になり、胸と額を床に預けました。「良い格好ですわねえ」
「膝、

痛い??」
「でも痛いのが、痛くされるのがお好きなのでしょう・・M

んですもの」と奥様三人から揶揄されながらの私は、黒いストッキングの

ウェルト(履き口)から覘く双丘を晒しました。

 

「うう~ん、奥にひっそりと佇むが故に・・・よく視えないねえ・・・」

「そうですわねえ・・・お睾丸とかペニスとかは丸見えなんですけどねえ

・・・」
「縛っちゃいなさいよ、縛っちゃえば??」 「そうですよねえ、

先程の股縄の様に、尻肉を左右に分けちゃえば??」
「そうねえ、股縄だ

けじゃなく身体中を雁字搦めに・・・」
「いや、両手は自由にさせといて

昼顔さん御自身で尻肉を・・・双丘を分けて差し出す・・・」
「うん、其

れも面白そうですねえ・・・」などと、三組の御夫婦皆さんが口々に・・

・。

 

「・・・じゃあ・・・こうしましょう」「皆様方交代で、代わる代わるに

昼顔さんの双丘を左右に分けるのは如何ですか??」
「その方が・・・昼

顔さんも・・・更に被虐に酔う事が出来るのでは・・・?」と主宰氏の先

生が提案しました。「じゃあ、両手は??縛めは??」と誰かの問いに、

「ええ、自由にしててあげましょうよ」
「アヌスの検分中に、検分されな

がらの昼顔さんが何処を弄られたいのかを・・・言葉で訴えられないのを

御自身の手が蠢き指し示すと思いますよ」と主宰氏は答えていました。

 

「貴方、それで良い??」「それが良い??」と妻が私の横で背を擦りな

がら囁きました。私は「ああ・・・」と小さく喘ぎながら両手を後ろに回

し、自身の双丘をそっと撫で擦りました。「ハイハイ、解りました」
「じ

ゃあ、皆様方にもっと良く御覧になられる様に・・・」
「膝をもっと立て

て~!」
「お尻を高くしないと皆様方、身体をキツク曲げて、いえ、極端

に言えば腹這いにならないと・・・でしょう!」
「さ、膝を立てなさい」

と妻は命じ、私は膝を立ててお尻を突き出す様に、体位で云えば膝胸位を

強くしました。自身の双丘を撫で擦っていた両手は後ろに投げ出す様に伸

ばして床に這わして掌を着けました。

 

「じゃあ介添人は、最初の介添人はワタクシが勤めますわ」と妻は皆に告

げ、同時に私のお尻の双丘がグアッと左右に分け拡げられました。「奥さ

ん、そんなに大きく拡げなくても・・・御主人のアヌス、歪に・・・」と

甲斐さんの声が聞こえました。「あら、ついつい力が入っちゃって」と返

す妻に、「御主人の、旦那様の秘めたる薔薇の蕾・・・奥様御自らで御開

張・・・如何な御気持ち??」と奥様の誰かが囁き問うていました。「う

~ん・・・如何な気持ちかって・・・」
「サディスティックな気持ちかし

ら・・?マゾヒストの主人を皆様方に差し出す気持ちかも」
「ですが・・

・それ以上に主人の方が・・・他人様からではなく妻の手に依って暴かれ

る主人、被虐の心が更に増幅してると思いますよ」と答える妻に、「うん、

然り」
「奥様は御主人の性癖を良~く理解為さってらっしゃる」と男性陣

が呟き囁いていました。

 

皆が私のお尻を取り囲み、身を乗り出すのが気配で判りました。視られて

る・・・双丘奥深くに潜んでいた菊座が妻の手で押し広げられ白日の元に

・・・。現に主宰氏が写真撮影用と思しきスタンドに立てられたレフライ

トを移し来て、私のお尻に照射範囲を調整していました。ホンノリと温か

い、心地良い温かさでした。

 

「蠢いて・・・蠢かしてらっしゃる・・・ヒクヒクと・・・」と、奥様の

一人が呟く声が聞こえました。「
A感覚とV覚・・・」と一番若い志津夫

人の呟きが聞こえました。「え、御存知??」と男性陣が返し、「そう、

稲垣足穂、少年愛の美学ってものもありますねえ」と、これは志津御夫人

の良夫、甲斐さんが呟きました。

 

A感覚こそが全ての性感の源・・・VたるヴァギナやPたるペニスはその

補助的な存在とする説・・・稲垣足穂は」「
V感覚とは水増しされたもの

・・ 
A感覚を実用化されたもの・・とも説いていますねえ」「単なる女

陰の、ヴァギナの代替物ではなく、性感の源・・・と」「そう云えば・・

・江戸期からさんざ、女色と男色との優劣論争が交わされていたと聞きま

すが・・」「男のアヌス、菊座、性感の源・・・なんとなく解る気がしま

すねえ・・・」と男性陣三人が呟き合い囁き合う声を聞きながらの私は、

妻に依って押し拡げられた双丘の奥に潜んでいたアヌスを晒し出され、そ

して小さな声で喘ぎながら、いや、喘ぎの声を漏らしながらアヌスを腰を

蠢かしていました。土蔵内は静寂に包まれました。私が漏らす喘ぎの声の

みが低く地を這うように・・・。



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