マール爺と忠犬ブブの華麗な旅



                                         KE爺さん 



(1) 湯島にて



 「平成の光源氏」と言われる人物をご存知でしょうか。その人の名は

「マール爺」と申します。父はフィンランドからやって来たサンタクロー

スの末裔、母はあの卑弥呼の子孫と聞いておりますが真偽のほどは定かで

はありません。

私の名は「ブブ」と申します。日本生まれのミックス犬でございます。が、

時々「忠犬ブブ」などと呼ばれています。生まれた時からマール爺のふと

ころに抱かれて育ちました。

私達の住まいは東京の湯島にあり、菅原道真公を祀る湯島天神の近くです。

上野の不忍池もそれほど遠くはありません。折しも不忍池を一周する散歩

を終えて、マール爺と松爺が戻ってきたところです。

松爺は、遠距離恋愛のマール爺を訪ねて、昨日上京したところです。ちょ

うど大正ロマンの雰囲気を残すホテル「グランパラダイス」の前にさしか

かったところです。

「ねえ、ちょっと寄っていかない?」

松爺がそうマール爺に声をかけました。

「う〜ん、そうするか…」

マール爺が迷わずにそう答えました。

「ブブも一緒においでッ!」

私はてっきり、ホテル「グランパラダイス」の玄関の横にある「珈琲越褌」

に入るものと思っていました。コーヒーでも飲んで一休みするのだと思っ

ていたのです。

ここのマスターの越褌爺は、背が高くてお腹がちょっと出ていて、とても

やわらかそうな身体つきをしています。お公家様のような上品なお顔立ち

は、しかるべき家柄の出であることを物語っています。私ブブが、この世

で2番目に好きな爺様です。

ところで、「珈琲越褌」に入るものと思っていたマール爺と松爺は、なん

とホテル「グランパラダイス」のドアを開けたのでした。

夕べあんなに燃え盛った二人なのに、なんと言うことでしょう。久しぶり

の逢瀬に、二人は今までの空間を一気に埋めようとしているのでしょうか。

ホテルの支配人も兼ねている越褌爺は、2階のダブルベッドの部屋の鍵を、

ウインクしながらマール爺に手渡しました。

部屋のドアを開けて中に入ったとたん、二人はガバッと抱き合いました。

そしてまるで若者みたいに夢中になって口づけを交わしたのでした。あた

かもアニメ漫画の主人公が、突然ヒーローに変身したような早業でした。

私は先にベッドに上がって、ゆっくりと見物することにしました。

「マール爺ッ!」

「松爺ッ!」

二人は声をくぐもらせて、お互いの名前を呼びあいました。

遠い昔に知り合った二人は、住む場所は離れましたが、今でもこうしてそ

の愛を育んでいるのです。

松爺は、俳優の松村達雄に似た風貌で、身体はスリムでやや弱々しい感じ

がいたしますが、とんでもございません。ムチのように身体をしならせて、

ガンガンと相方を責める「タチ役」なのです。

二人はいつの間にかシャワー室に消えました。楽しそうな笑い声が聞こえ

てきます。まるで小学生のように華やいだ明るい声です。

やがて、まだ濡れた身体を十分に拭きもせず、二人は手に手をとってベッ

ドへとやって来ました。

「松爺、やさしくしておくれッ」

「ああマール爺、もちろんさッ」

二人はお互いの股間に顔をうずめ、ズルズルとジュニアを口に含んで愛撫

し始めました。

「マール爺、相変わらず大きいのう。ちょっと柔らかいが、俺はこの柔ら

か目が好きなのさッ!」

「松爺、あんたは相変わらず、コリコリとした硬さだねッ!」

二人は相方の大きなジュニアを口いっぱいに頬張りながらも、こんな会話

を交わしました。

松爺のジュニアは、先ほど飲んだ「シアリス」のおかげで、高校生のよう

にギンギンにいきり立っているのです。

「マール爺、そろそろ入れるぞッ!」

「ああ、そっと入れてくれッ!」

マール爺は仰向けになって、両足をあげて、両手でグッと引き寄せました。

「ムギュッ!ムギュッ、ムギュッ!」

「アアッ!」

「マール爺、痛いのか?」

「イヤ、気持良いのじゃ!」

「そうかッ、それじゃあ行くぞッ!ソレソレソレッ!」

ちゅぷっ!ちゅぷっ!

ベッドが上下に揺れて、私はまるで遊園地のトランポリンの上で遊んでい

るような気分です。私もだんだん楽しくなってきました。

「マール爺、お前さんの尻は、なんだかちょっとユルクなってきたんじゃ

ないかい?」

「そんなことはないさッ!最近はほとんど使ってないんだぞッ!蜘蛛の巣

でも張っているんじゃないかな?」

アハハッ!マール爺は、適当なことを言って誤魔化しています。私ブブは、

いつもマール爺と一緒なのでちゃんと知っているのです。マール爺はとて

もモテモテの爺様で、ときどき素敵な爺様と、こうしてホテル「グランパ

ラダイス」を利用しているのです。

「あああッ!マール爺、いきそうだッ!」

「松爺、気持いいぞッ!もっと突いてくれッ!」

「あああッ!ラストスパートだッ!ソレソレソレッ!」

松爺は、まるで削岩機のドリルのように、いきり立ったジュニアをマール

爺の尻に打ち込んでいます。

「あああッ!わしもいきそうだッ!」

「ああああッ!」

「ああああッ!」

昔、映画で観たターザンが二人いて、叫び声をあげているようでした。私

ブブは、さしずめチンパンジーのチータと言った役どころでしょうか。ベ

ッドの上で、ピョンピョンと跳ねて、二人を煽り立てました。

「ああああーッ!」

とうとう二人は同時に果てました。

マール爺と松爺は、息を荒げたまま、ベッドに身体をぐったりと横たえま

した。

さて、ここからが私こと忠犬ブブの出番です。まだ萎んでいない二人のジ

ュニアのお掃除です。

「ペロペロペロッ!ペロペロペロッ!」

慣れ親しんだマール爺のジュニアをきれいにしてあげました。

「おお、ブブや、いつもすまないねえッ!」

「ペロペロペロッ!ペロペロペロッ!」

今度は松爺のジュニアをきれいにしました。松爺のジュニアは、シアリス

効果が持続していてまだ臨戦状態を保っているのです。高校生のように、

はちきれんばかりに輝いています。

「ブブ、ありがとねッ!」

「ハイハイ、お疲れ様でしたッ!」

私は心の中でこう言って、微笑みながら二人のジュニアを眺めました。満

足そうな2本のジュニアは、ようやく柔らかくなってきました。

やがて身支度を整えて、二人は部屋を後にしました。

マール爺はフロントで鍵を越褌支配人に返しました。

2階の爺様達の大乱闘を想像していたのでしょうか、越褌支配人の顔がポ

ット赤くなっていました。

松爺はこうして心身ともに癒されて、遠く離れた地方都市へと帰って行っ

たのでした。

 

 「平成の光源氏」の異名を持つマール爺には、日本各地いや世界各地に、

昔、愛を交わした爺様たちが住んでいるのです。

これからその一人一人を訪ね歩き、今も続く熱き愛を確かめる旅に出かけ

る予定です。もちろん私「忠犬ブブ」も従軍記者としてお供をし、皆さま

にその「ベッド上の愛の戦い」の様子を、逐一お知らせする予定です。

(おわり)









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