マール爺と忠犬ブブの華麗な旅



                                         KE爺さん 



(2) スイスにて



 「平成の光源氏」と言われる「マール爺」は、蝶が蜜を求めて花から花

へと舞うように、愛しき爺様を訪ねて日本国内はもとより世界各国へと旅

を続けているのです。

私の名は「ブブ」、日本生まれのミックス犬ですが、マール爺のふところ

の中で育てられました。いつもマール爺と行動を共にし、「愛犬」から「

忠犬」へと進化している途中です。

今回マール爺は、遠い昔に愛し合った「總爺」(そうじい)を訪ねて、は

るばるスイスへとやってまいりました。

總爺は俳優の「山村 總」によく似た、渋くてゆったりとし、しかも教養

溢れる素敵な爺様です。スイス人の女性と結婚し、スイスに永住している

のです。

ところで、スイスの首都は何処であるかご存知でしょうか?

ジュネーブではありません。チューリッヒでもありません。

そうです、今日はスイスの首都「ベルン」にやって来たのです。

今しも、約束の「スイス・インペリアルホテル」の広い中庭で、マール爺

と總爺が、久しぶりに落ち合ったところです。

「やあッ、總爺、久しぶりッ!いつ見てもいい男だなあ!」

「おおッ!マール爺、お前こそ相変わらずいい男だぞッ!」

二人は今にも抱き合いそうな雰囲気です。でも、總爺はやっとの思いでマ

ール爺の肩に手を添えるにとどまりました。

「あれッ!ブブも一緒か!おお、相変わらず可愛いらしいなッ!」

「ワゥ〜ンッ!」

私は色っぽく、可愛く鳴きました。

總爺は時々日本へ帰って来ては、マール爺と逢瀬を楽しんでいましたので、

私のことも覚えていてくれたのです。

さて、スイスと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?

私ブブは、あの美しいアルプスの山々を思い浮かべます。

アルプスと言えば、あのミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージッ

ク」を思い出します。トラップ一家がナチス軍に追われて、オーストリア

からアルプスを越えて、無事にスイスへと逃れてくる物語です。

ほらッ、聞こえてきましたよ、あの歌声がッ!

♪ドーッは、どんな時でも

♪レーッは、レロレロして

♪ミーッは、そんなに見ないでね

♪ファーッは、もっと深く

♪ソーッは、そっと入れて

♪ラーッは、楽にして

♪シーッは、静かにね

♪さあ、遊びましょうッ!

アハハッ!これはマール爺が作った替え歌ですが、ちょっと下品過ぎて、

人前では絶対に歌えませんッ!

あれッ!そうこうしているうちに、マール爺と總爺は、さっさと部屋に向

かって歩き出しました。私ブブも大急ぎで後を追いました。

二人はサッサとシャワーを浴びたかと思ったら、すでにベッドの上で抱き

合っているではありませんか。遠い旅路の疲れもなんのその、まるで若者

のようにかたく抱き合い、甘い口づけを交わしていました。久しぶりの愛

の交歓に、二人はもう無我夢中のようです。

するとマール爺は「ウケ」にもかかわらず總爺を押し倒したではありませ

んか。

「チュルルッ、プチュプチュッ!」

なんとマール爺は總爺のオッパイに吸い付いたのです。

「あッ、そこッ!いい〜ッ!」

不意をつかれた總爺は、思わずせつない声をあげました。

常日頃、マール爺の愛の交歓シーンに立ち会ってきた私ブブですが、今日

のマール爺は、奇襲作戦にでて、まず相手を攻め立てる戦術のようです。

そして、あとでいっぱい總爺の愛をいただく魂胆なのでしょう。それにし

ても、總爺の性感帯がオッパイにあるとは知りませんでした。

「チュルルッ、プチュプチュッ!チュルルッ、プチュプチュッ!」

マール爺に吸われた總爺の乳首は、みるみる大きく膨らんで大豆ぐらいの

大きさになりました。

「ああッ!たまらないッ!今度は噛んでくれッ!」

總爺はもうメロメロです!

マール爺がそっと乳首を噛みました。甘く優しく噛みました。

そして突然、今度は口を大きく開けて乳房全体をガバッと少し力を入れて

噛みました!「甘い暴力」ですッ!

すると、總爺は突然大きな声をあげたのですッ!

「♪アェ〜アェ〜アェ〜ッ!オェ〜オェ〜オェ〜ッ!」

總爺は、なんと「ヨーデル」でよがり声をあげたのでした。

さすがにスイスに永住しているだけのことはあります。

私ブブも、これに負けじとオオカミの遠吠えの真似をしました。

「♪ウォ〜ウォ〜ウォ〜ッ!」

まるで、あの長いラッパの「アルプスホルン」のようです。

「♪アェ〜アェ〜アェ〜ッ!オェ〜オェ〜オェ〜ッ!」

「♪ウォ〜ウォ〜ウォ〜ッ!」

愛の二重奏が部屋いっぱいに響き渡りました。

ところで私ブブが不思議に思っているのは、人間は愛の交歓をするとき、

口づけしたり、オッパイをなめたり、アソコをしゃぶったりすることです。

これは他の哺乳類では見たことがありません。

人間は、本当に変わったことをするのですね!

ホラッ、今度はマール爺が四つん這いになりました。總爺が後ろから覆い

かぶさりました。今度は我々犬属のワンワンスタイルを真似しているので

す。本当に爺様達は器用ですッ!

部屋の中は二人の熱気でムンムンと蒸しかえっています。

大きな窓を開けました。

總爺は絶頂期が近づいたのか、再びヨーデルでよがり声をあげ始めました。

私もそれに合わせてオオカミの遠吠えを真似しました。

「♪アェ〜アェ〜アェ〜ッ!オェ〜オェ〜オェ〜ッ!」

「♪ウォ〜ウォ〜ウォ〜ッ!」

こうして、「ヨーデル」と「アルプスホルン」の二重奏が、美しいアルプ

スの山々に響き渡って行きました。

(おわり)









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