ひとひらの


                                         あまね さん 



(7)札幌が好き



もちろん初夏の札幌もいいが、真冬の札幌もいい。

特に一月は札幌雪祭りの準備で活気付く。

札幌雪祭りの準備が着実に進んでいることが毎日、いや朝昼晩テレビで流

されるこの時期は街が日ごとにさらに元気になっていく。

バス、市電、地下鉄の車内にもこれでもかと言わんばかりに雪祭り関連の

広告が吊られ、札幌駅、各地下鉄駅構内、大きく伸びた地下街はまさしく

雪祭り一色だ。

 

地上15階のオフィスから遠くのテレビ塔のある大通り公園を眺めながら、

島田はやはり急速に大きくなった札幌を改めて感じた。

手稲の山々は青空をバックにその白き大きな姿で札幌を見守っている。

藻岩山も健在だ。方向は反対だが遠く石狩湾の方の広大さは今も変わらな

い。

 

しかし変わった。

この厳しい地にある北の都市、札幌は大きく成長した。

北海道という地での札幌への一極集中化により他の都市の成長はかなわな

かったが、確かに札幌だけは年を追うごとに変わった。

 

関西出身の島田ではあったが働くのはやはり北海道になるだろうとは学生

時代から予想はしていたが、まさかあの寂しかった札幌駅北側にこんなに

大きなビルが建つとは思わなかったし、ましてやそのビルの15階で働ける

とは想像できるはずもなかった。

札幌駅北側にある大学に通っていたとはいえ、今こうやって仕事をしてい

る札幌駅北側のこの地には寂しくて来た覚えがない位だ。

学生時代の冬はよく上を見上げる時が多かったような気がする。

 

「やっと青空が見えた」

「今日も吹雪か」

「軒先の氷柱大丈夫か」

「あの楡の木は雪で折れないのか」

「一度あの高層ホテルのてっぺんの暖かいレストランへ行きたいな」

「あのビルから雪祭りを見下ろしたい」

 

しかし、今は日常の視点が違う。

今朝見たニュースを確かめるように遠くにある大通り公園での雪像作りが

進んでいるの様子の一端が見える。雪の中を忙しそうに走る車、バスも、

電車もみんな雪祭りに向かって走っているように見える。

 

昼間の風景もいいが、夜見る風景も当然変わった。

人間の欲望にはきりがないのを象徴するような薄野辺りのネオンはやはり

見上げるしかなかったが、今は例えば札幌駅から大通り方面の夜景を見下

ろす楽しみが出来た。

学生時代はただただ薄暗く雪の重さにじっと耐えているような夜が多かっ

たが今は違う。

 

性の面でも視点が変わってきたとつくづく思う。

 

やっと自分が開放されたと思った時の性とは異なり、今の性は変わった。

ただただ夢中に性を貪っていた時とは大分変わった。

 

 

例えば月に一回は逢うようにしているとっくに退職された先輩との関係も

そうだ。

もう20年前にもなるが、初期の頃はもっぱらお互いに抱き合い扱きあい銜

えあい、69で滅多にない同時発射を目指していたような性であった。

今は、先輩の希望で決まったホテルの10階と決めている。

そのホテルから見える札幌が好きだから、変わり行く札幌をいつも二人で

見たいからそのホテルを希望される。

 

最近はお互いに弱ってきたこともあるのでEDを飲んでからゆっくりと楽し

む。

浴槽で素っ裸で抱き合い、お互いを銜えあいベッドに入る。

69でお互い十分に亀頭、竿、玉、会陰、秘孔を舐めあった後は、島田が先

輩の秘孔に優しく入れる様にしている。

島田が先輩の両足を抱え、先輩の腰の下に枕を入れ相手も楽な姿勢で楽し

めるようにしてやる。

 

「もう少しオイルを塗ったほうがいいですか」

「いや、これでいい。あーっ、気持ちいい」

「こんなに大きくなって」

島田が挿入したまま先輩の左胸を吸う。

「うー、最高」

「キスをしてー」

お互い相手の唇を舌を吸いあう。

一度抜き、優しくゆっくり挿入する。

「いいですか」

「あーっ」

「今日もテレビ塔が見てますよ」

「雪祭りだね」

「えー」

なぜか雪祭りと言う言葉でさらに昂ぶってきた。

「そろそろいいですか」

「アーいいよ」

「いくーっ」

「うーっ」

 

「後何回出来るかね」

「来年も再来年も」

「いつまで札幌を見れるかね」

「来年も再来年もずーっと」



                                            







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