愛しの寅さん


                                         ともしび さん 


その7


 今日は寅さんとの二回目のデート。

今回は比呂司の方が寅さんの地元へ行く事になっているので、恐らく昨夜

から待ちきれなくてバタバタしているのではないかと思った。

二週間前に初釜の体験をして以来、悶々とした日々を送っているようで、

メールや電話が来る度にこころの葛藤が感じられた。

身体の方は二日ほどで正常に戻ったようなので、やはり手加減をしておい

て良かったな、と思ったが、こころの葛藤だけはどうしてやる事も出来な

い。

多少なりとも痛みがあれば少しは違ったのかも知れないが、殆どと言って

良いほど痛みを感じる事なく、それまでまったく知る事のなかった快楽の

世界に迷い込んでしまったのだから。

永い間、いつもこころに想い描いていた男とのセックスが、自分の想像を

遙かに超えた快楽の世界であったが故に、尚更、これから一体自分はどう

なってしまうんだろう、このままずるずると快楽の渦に巻き込まれてもう

二度と後戻りが出来なくなってしまうのだろうかという、不安な気持ちに

拍車を掛けたのだと思う。

例えどんな理由があろうと自分から望んでウケになったのだから、余程強

い精神力でも持っていない限り、もう二度と後戻りはする事は出来ない。

激しい痛みに必死に耐えながら、それでも快楽をむさぼろうとするウケも

居れば、寅さんのように最初から快楽に酔いしれるウケもいる。

それは、体質的なものだから何とも言えないが、多少なりとも痛みがあれ

ば少しは違ったのかも知れない。

然し、好むと好まざるとに関わらず、初釜から一気に快楽の世界に迷い込

んでしまったのだから、少なからず不安な気持ちになるのも致し方のない

事だと思っている。

比呂司がサイトに入って間もなくの頃だったが、当時70歳になったばか

りの小父さんから突然、サイトにメールが届き、「自分はウケなのでチン

ボを入れてもらえないか」と言われた事がある。

流石にその時は驚いたが、小父さんが東京の人だった事と年齢や体形が自

分好みだった事もあり、褌を買いに行くついでに遊んでも良いかなと、気

楽な気分で相手にした事がある。

その小父さんはどうしてもチンボを入れて欲しくて、サウナで知り合った

男に入れてもらったが、痛いだけで何の快感もなかったと言った。

一週間ほどして痛みが引いたので、暫くしてからまた別の男に入れてもら

ったがやはり激しい痛みしか感じられなかったが、どうしても男が忘れら

れないので自分の好みの男に抱かれたいのだと言った。

比呂司も多少はタチの経験を持っているが、顔も知らない男と寝た時に果

たして本当にチンボが起つのか?という不安がない訳ではなかった。

元々タチになる気はなかったが、いつの間にかタチにさせられてしまった

ので、チンポを入れてくれと言われると断れないのだ。

それに、東京のホテルは知らないが、大番なら比較的に空いているので、

無理して個室を取らなくても大部屋でのんびり遊べるのを知っていたので、

大部屋で良ければ寝るよと返事をしたら、それでも良いと言ったので、褌

を買いながら浅草まで出掛ける事にしたのだった。

この小父さんとはまったくの初対面で、互いに顔が判らないので、携帯の

番号だけを交換して大番の近くで待ち合わせてから入る事にした。

顔を見た時、比呂司の好きな白髪頭だった事もあるし、体系的に問題がな

いのでこれなら何とかなるかなと思った。

比呂司の顔を見た時、小父さんの方はかなり緊張していたが、一緒に建物

野中に入り、一足先に裸になったら諦めたようで、黙って風呂へ着いて来

た。

風呂場でも未だハッキリしない態度だったが、隣に入ってチンポを握った

ら、驚いた様子を見せたが、何も言わなかったので多少はその気になった

のかなと思った。

大部屋へ着いた時は誰もいなかったので布団の上に仰向けに寝かせ、バス

タオルをはぎ取ったら覚悟を決めたようで、おとなしく身体を任せたので、

おっぱいを舐めたり、チンポを軽く扱いたりしながら緊張をほぐして行っ

た。

何とかなりそうだったので、ほんの少し気を逸らせ、その隙にチンポを押

し込んだが、痛いとも言わず、スンナリと飲み込んでしまった。

 比呂司にとってはいつもの事なので何とも思わなかったが、小父さんの

方はとても驚いたような顔をして、勃起した自分のチンボを握ったまま呆

然としていた。

比呂司にしてみたら何時もと変わらないセックスをしただけだが、小父さ

んが慣れていなかったので、精神的にかなりの衝撃を受けたのではないか

と思う。

その後、二度ほどメールが届いたが、すっかり落ち込んでしまって手の施

しようがなかった。

どんな事情があってウケになりたかったのか知らないが、ウケは痛いもの

だ!という想いがあまりにも強すぎたので、まったく痛みを感じないまま

チンボを入れられた事で、恐らく自分自身の感情をコントロール出来なく

なってしまったのではないかと思う。

この事は比呂司にとっても大きな衝撃となったが、それ以来ウケと寝る事

はなかったので、後々その事で悩まされる事はなかった。

それから何年も経ってから、今度は初釜の相手をする事になったが、その

日はサイトで知り合った75歳の小父さんと約束していたので、その小父

さんの後で良ければ寝ますというメールを送ったら、それでも良いという

返事だったので、たまには二人を相手にするのも良いかも知れないと、気

楽に構えていた。

然し、最初に約束した小父さんはサイトに載せていた写真とは大きく違い、

小太りだったので、それだけで幻滅してしまった。

それでも一旦約束をしたので小父さんの望み通り個室で縛ってやったが、

あまりにも身勝手な事を言うので、すっかり頭に来てしまい、チンポが中

々固くならなくて苦労した。

やっとの事で入れてはやったが、すっかり自信をなくしてしまい、果たし

て午後に会う男に入れてやれるかどうか不安になった。

小父さんと別れ、褌を買いに浅草まで行き、昼食を採った後、再び駒込へ

戻ったら、約束していた男は既に来ていて、風呂に浸かっていたので、風

呂へ行ったら直ぐに声を掛けられた。

その男はやせ形で歳の割に髪の毛が真っ白だったので、顔を見た途端、比

呂司のチンポが勃起した。

今日は二度目なので自信はなかったが、それでも男が個室を借りて来ると

言ったので、3階の階段の処で待っていたら、4階への階段の昇り口に座

っていた小父さんがチンポをしゃぶってくれたので、一気に固くなった。

これなら何とかなるかなと思っていたら、男が戻って来たので直ぐに個室

へ入って抱きしめた。

すると、直ぐに比呂司のチンポが固くなったので、何の迷いもなく男に言

われるままチンポを入れたら、忽ち声を上げたのですっかり気分を良くし

た。

男は毎日のように玩具を入れては一人で愉しんでいたが、どうしても本物

のチンポを入れてみたくなり、偶然、サイトで見掛けた比呂司の褌姿に魅

せられたのだと言った。

そして、この男なら良いかも知れないと思ってメールを送ったが、その日

は他の男と寝る約束になっているので自分は二番目になると言われたが、

そこまでハッキリ言われたので、却って親しみを感じたのだと言った。

比呂司の方もやせ形で白髪頭だったので、自分より身長は高かったが、そ

んな事は気にもならなかった。

それ以上に、自分のチンポを入れただけで声を上げて悦んでくれたので、

それが嬉しくて少しでも長く愉しみたいと思い、いつもとは違い、じっく

り時間を掛けてピストンをしていた。

何時もなら激しく腰を使うが、先程の事があったので、入れる時もゆっく

り挿入し、一度止めてから入れた時の倍の時間を掛けて抜くようにして、

亀頭の首が引っ掛かるのを確認した後、再び、ゆっくりと押し込んで行っ

た。

そんな事を繰り返していたら、男の方はすっかりおかしくなってしまい、

とうとう意識朦朧とし始めた。

その様子を見ながら男がかなり昇って来たなと思ったが、あまりにも時間

を掛けすぎたのと、先程の疲れが出て来たので、すっかりチンポが萎えて

しまった。

あと少し、と思った時にチンポがスポン!と抜けてしまったが、それでも

男は気がつかなかった。

その為、暫く様子を見ていたら、やっと目を開けたので声を掛けたら、こ

んなにセックスが気持ち良いものとは思わなかったと言った。

男と別れ、自宅に戻ってからメールを確認したら、男からメールが届いて

いたので開けてみると今日は愉しかったと書いてあるのが読めたが、その

後の文章を読んだ時、比呂司は固まってしまった。

それは、「帰りの電車は座れたので嬉しかったけど、電車が揺れる度にお

尻に刺激を受けてしまい、先程の事が蘇って来てとても困ったと書いてあ

ったからだ。

翌日は、あなたの事が忘れられなくなってしまいました、近い内に抱いて

くださいと書いて来たので、これは困った事になったと思った。

 それでも、男に火を点けたのは自分なので、何とかしなくてはと思った

が、中々暇がなくてとうとう二週間も待たせる事になった。

 二週間ぶりで男を抱いた後、男が「これでやっとモヤモヤから解放され

ました」と言ったので、初釜を相手にするのは大変なのだと実感させられ

た。

 そんな事があったので、幾らその男より年上だとは言って寅さんがおか

しくならない筈はないと思っていたので、一日も早く抱いてやらなければ

ならないと思っていたのだった。



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