恋の鐘




                                         筑紫俊一郎 さん 



【 7.木下闇 】



 月に1度か2度井坂の部屋に行くのが生活のリズムになった。家内には

大学時代の友達と定期的に逢うことになったと話していた。しかし翌年の

4月に小暮が急に子会社に出向になった。子会社の専務という立場であっ

たために実質的には何でも自分がしなければならなくなって時には土日も

出勤することがある。次第に井坂の部屋を訪問することが20日に一度位

と少なくなった。

 井坂は頭では理解できても、1週間に一度位は男と肌を合わせたいという

欲望は消し去ることが出来なくなった。8月のある日、また「赤とんぼ」に

飲みに行った。夜になっても歩いていると汗が噴き出てくる。ハンカチで

顔や首を拭きながら赤とんぼに飛び込んだ。マスターは笑顔で迎えてくれ

た。

「お久しぶりです。ボトルが残っていますよ。もう、腐りそうですよ。

(笑)」と冗談を言った。井坂は座っているお客を知らないのでマスター

と話しながら飲んでいた。つくづく素敵なマスターである。少し小太りの

白髪の混じった頭。優しそうな顔、身長も165位で非常に可愛い。

 1時間位飲んでいると、一人の紳士が入って来た。それは井坂にとって最

初の男であった渡辺である。もう18年位経っているが、忘れることが出

来ない人である。渡辺もすぐに井坂のことが解った。

「井坂さんですよね。」

「はいそうです。お久しぶりです。お元気でしたか?」

「井坂さんも元気そうだね。ますます魅力的になったね。」

「いいえ、渡辺さんこそ魅力的になりましたよ。少し太りましたか?私も

少し太りました。

「そうだね。私も髪も薄くなって、仕事も大分暇になりました。後1年で

引退します。」

「そうですか?まだまだお若いのに・・・」

懐かしい出会いに二人の会話も弾み、渡辺は井坂の腿に手を置いた。井坂

は昔の渡辺とのSEXを想い出して、渡辺の手に自分の手を重ねた。

「井坂さん!もう一軒行きましょうか?」

「良いですよ。暫くぶりでお会いして非常に嬉しいです。」

 店を出ると、渡辺が「井坂さん!少し休んで行きませんか?」と誘って

きた。井坂は小暮の顔が浮かんだが、「良いですよ。」と返事した。

ホテルに入って渡辺は井坂を抱き寄せてキスをした。「そうだ。この感じ

だ」と思った。昔のことが思い出されて、興奮して来る。風呂に入って渡

辺は井坂の腰を浮かせて、湯から出ているチンボを咥えてアナルを指で愛

撫する。シャワーを浴びてベッドで肌を合わせると渡辺の愛撫は身体が覚

えていて蘇って来る。井坂が渡辺の立派なチンボを尺八すると渡辺が「井

坂さん!尺八が上手くなったね。気持ち良いよ」と言ってきた。渡辺のチ

ンボをアナルで受けていると当時の快感が思い出されて、余計に興奮する。

渡辺が「今度は私に入れてみて」と言ってきた。井坂は入れるのは初めて

だが、今までの経験を思い出してアナルを愛撫して、ゆっくりと渡辺に挿

入して、じっと見つめ合ってキスを交わす。そして渡辺のチンボと乳首を

愛撫しながらゆっくりと挿入活動を繰り返した。

「気持ち良いよ!井坂さん!もっと・・・」と哀願する。

「渡辺さん!私はイキそうです。」「私も・・・」と二人は殆ど同時に発

射した。

お互いにその後の人生を話した。井坂はその後離婚したこと。渡辺との

SEXが忘れられずに「赤とんぼ」に一年前に行ったこと。柏に一人で住

んでいること・・

 渡辺も当時仕事の関係でなかなか時間が取れなかったこと、あの後数人

の出会いがあったが、長続きしないで終わったこと・・・

「一度、井坂さんのところにお邪魔したいね。」

井坂は小暮の顔がよぎったが、

「良いですよ。是非来てください。」と言った。



                                                  続 く 









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