マール爺と忠犬ブブの華麗な旅



                                         KE爺さん 



(7) 修善寺温泉にて



「老いのときめき」ファンのみなさん、こんにちは!私はマール爺と一緒

に暮らす「忠犬ブブ」と申します。

今日はマール爺とKE爺の「紅葉狩りデート」に付き添って、伊豆の修善

寺温泉にやってきました。

なぜ修善寺温泉かと申しますと、ここはKE爺が小学校の修学旅行で訪れ

たことがある懐かしい所だそうです。KE爺が小学校6年生という事は、

今から60年以上も昔の事になります。

また、マール爺にとっても修善寺温泉は思い出の地なのです。マール爺が

アメリカ留学中に師事していたトランプ教授が日本にやってきた際に、一

緒に訪れた温泉地なのです。もう40年も前の事です。

今しも紅葉の真っ盛りの修善寺温泉に、二人はどんな想い出を抱きながら

訪れたのでしょうか。

 

ところで、修善寺温泉には「鎌倉幕府終焉の地」とも言える悲しい物語が

あるのです。

源頼朝と北条政子の長男として生まれた「源頼家」は、父の急死後、18

歳で鎌倉幕府2代将軍になりますが、北条一門のクーデターにより、修善

寺温泉に幽閉されてしまいます。幽閉されて一年後に、謎の変死を遂げて

しまうのです。「愚管抄」によりますと、入浴中に刺客集団に襲われ、四

方八方から太刀で切りつけられ、槍で串刺しにされたのです。当時22歳

で、すごい剛力の持ち主であった頼家は、なおも抵抗しました。しかし、

刺客たちは頼家の金玉を握りつぶしたうえ、さらにペニスを切り落として

息の根を止めたとのことです。

後日談ですが、鎌倉時代中期には、ペニスを切断された頼家の亡霊が、夜

な夜な男を襲い、殺害してはペニスを切り取っているとの噂が流れました。

事実、鎌倉近郊では御家人がペニスを切断されて死亡するという事件が何

件か報告されているのです。

さらに、頼家が殺害されてから30年後に、頼家のペニスを切断したと言

う刺客本人が、供養のためにと鶴岡八幡宮にそのペニスを奉納したとのこ

とです。今なお、閲覧料を支払うと誰でも閲覧出来るとのことですが、真

偽のほどは分かりません。閲覧した人の証言では、大根と見間違うほどの

極太サイズだったそうです。

 

 さて、KE爺はどんな想いで修善寺を訪れたのでしょうか。懐かしい修

学旅行の思い出がよみがえってきたのです。KE爺は、その頃、初恋に陥

っていたのです。恋を恋とも知らずに、ひたすら彼を慕い続けていました。

彼の名は「拓
(たく)ちゃん」、同じクラスで仲良しでした。それが彼に会う

たびに、なんだか恥ずかしいような気持ちが、だんだんと芽生えてきたの

です。手紙のやり取りもしました。自転車で追いかけっこもしました。拓

ちゃんは、とても乱暴者だと言われていましたが、父親は小学校の校長先

生で教育一家だったため、勉強は良くできて成績は常に上位でした。

そんな拓ちゃんと一緒の修学旅行で、修善寺温泉にやってきたのでした。

夜は広い部屋に大勢で寝ました。若きKE爺は、拓ちゃんの隣の蒲団に寝

たいな、いや一緒の蒲団で寝たいなと思っていたのです。

ところが、消灯するとともに始まったのが「枕合戦」です。枕を投げ合っ

てワアワア騒いでいると、先生が「コラーッ!」と大声をあげてやって来

ました。みんな蒲団にもぐり込み、寝たふりをしました。先生が引き上げ

ていくと、また枕合戦でした。

こんなことの繰り返しで、とうとう拓ちゃんとは、一緒の蒲団に寝ること

ができなかったのです。

そして一緒に、中学、高校へと進みましたが、大学は別々になり、次第に

疎遠になって行ったのです。今では、年賀状のやり取りと、同窓会でたま

に会うのみになったのです。

初恋の人、それは誰にもきっといるはずです。初恋の人に逢いたいなあと、

時々想うKE爺でした。

その拓ちゃんに、なんとマール爺がよく似ているのです。

 

一方、若きマール爺はアメリカ留学中に敬愛していたトランプ教授が日本

にやって来るとのことで、大はしゃぎでした。

もう40年も前のことですが、この紅葉の美しい修善寺温泉にトランプ教

授を案内したのでした。

アメリカ留学中は、トランプ教授に自分の恋を打ち明けることは出来ませ

んでしたが、この日本において自分の想いを打ち明けようと密かに思って

いたのでした。

やがて夜になり、隣に寝ているトランプ教授の蒲団にそっともぐり込みま

した。トランプ教授のチンポの上に、そっと手のひらを乗せると、チンポ

はムクムクと大きくなっていったのです。そして、ふるえながら、そっと

口に含みました。

しかし、パッと目を見開いたトランプ教授はこう言いました。

「オーッ!ノーサンキュー!」

こう言って、トランプ教授は背を向けて寝てしまったのです。

マール爺は、まんじりともせずに、夜明けを迎えたのでした。

 

 マール爺とKE爺の2人の爺様は、こんな想い出を抱いて、この美しく

紅葉した修善寺温泉を訪れたのでした。

桂川の清流に映える美しい紅葉は、ひらひらと舞って水面にたどりつき、

離れたり寄ったりしながら流れて行きました。

「わあッ!すごい景色ッ!」

「うんッ!いい眺めだね!」

「あれッ!?KE爺ったら、どこを見ているのッ?」

「マール爺のお股の間から見る桂川も、格別なものがありますよ!」

「アラララッ!KE爺ったら、噂どおりのスケベ人間なのですね!」

「マール爺のお尻を見ていると、菊の花が浮かんでくるようです!」

「ああーッ!なつかしいトランプ教授を思い出してしまったッ!」

「わしは、初恋の拓ちゃんを思い出してしまったッ!マール爺、今日は拓

ちゃんになってくれないか?マール爺は拓ちゃんにそっくりなのさッ!」

「いいともッ!それじゃあKE爺は、なつかしいあのトランプ教授になっ

てくれないかッ!」

「もちろんいいともッ!でも、わしのアレは「中の中サイズ」だから、マ

ール爺を喜ばすことができるかどうか心配だなあッ!」

「大丈夫ッ!KE爺はシアリスを飲んでいるから、その硬度は保証されて

いるよッ!」

二人はこんな会話を交わしながら、「ときめき荘」に戻って来ました。幸

いここはペットも同伴できる旅館で、私ブブもちゃんとお部屋に入ること

ができたのです。

桂川のせせらぎを聞きながら、素敵な露天風呂に入り、美味しいお酒を飲

んで、楽しく夕食を済ませました。

あとの目的はただ一つです。

浴衣の裾を乱しながら、二人は熱い口づけを交わしました。初めはゆっく

りと、しかし次第に激しい口づけとなりました。

「拓ちゃんッ!」

「トランプ教授ッ!」

思わず二人はお互いにこう呼び合いました!

タイムマシンに乗って、二人は数十年前に「バック・トゥ・ザ・フューチ

ャー」です!

「ずにゅう、ぬぬ、ぬんッ!」

「ずぐぐっ、にゅぽッ!」

今までに聞いたことのない淫靡な音が、薄暗い部屋に充満しました。

KE爺が、背後からマール爺を激しく突いています。まるで若者のような

勢いです。

マール爺は薄笑いを浮かべながら、私ブブを見つめました。いかにも満足

そうな微笑みです。

「拓ちゃん、うれしいッ!」

「トランプ教授、やっと望みが叶いましたッ!うれしいッ!」

すっかり昔に戻った二人は、長い間こうして結ばれていたのです。数十年

の想いを、しっかりと取り戻すかのようでした。

こうして秋の夜が、深々と更けていったのです。

 

翌朝、二人は桂川の流れを見ながら露天風呂に入っていました。

「マール爺、昨夜はありがとう!やっと永年の想いが叶えられたよ。」

「KE爺、こちらこそありがとうッ!私もやっと想いが叶いましたッ!」

朝日に輝きながら、赤いモミジが二つ、三つと散って行きました。

赤い糸で結ばれているように見えました。波にゆられて離れて寄って、ゆ

らりゆらりと流れていきました。

(おわり)









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