冥王星の夜


                                         佐良双樹 さん 


(8)野生の種


 男の限界も迫っていました。私はその時を迎えるべく、閉じさせた両足

を膝頭で抑え、陰門から溢れた淫水を尻の割れ目にまんべんなく塗り込み、

屹立してはいましたが今は快感と鈍痛の狭間にある男根をその割れ目に挟

んでその時を知らせました。腕は男の脇の下に回しただけで、右手は男の

口に取られていましたから、その時は左手一本で男の体を制するつもりで、

羽交締めの体勢も整っていました。

 男もそれを感じていました。虚ろな目を閉じ、それでも私の親指の付け

根への甘噛みは止めようとはせず、大きな柔らかな尻を小刻みに上下させ

て、私の始動を待っていました。導入用の穴は既に穿たれています。後は

ドリルを差し込みスイッチをいれるばかりです。慣れ親しんだ鑿岩機の先

端が少しづつ自分の中に入ってくるのを感じているようで、指を噛む力が

少ずつ強くなっています。小刻みに尻を振るわせながらドリルを中へ中へ

と誘導しています。その間も指の付け根に零れた唾液は音もなく掌へと伝

わっていました。

 男の穴に再び杭が差し込まれ、その杭目指して振り降ろされた槌音が谷

間に高らかに響き渡れば、それは間もなく緞帳が降ろされるとの合図でし

た。

 

 私が男の足と腰を外側から挟み込んでゆっくりと始動を始めると、男は

尻を左右にゆすって最高の位置を探します。私もそれに合わせて抜き差し

の具合を確かめながら、膝を締めたり、男の体を腰元に引きつけたり、そ

して尻の潰れ具合を確かめながらスピードを早めていったのです。亀頭が

リングから抜けることはなかったのですが、完全に抜けても同じ腰の動き

でそれはリングに納まります。その間、男は最後の力を振り絞ってリング

を締めたり緩めたりしていました。

 男の尻は固く閉じられていましたから、私は割れ目越しに杭を打たなけ

ればならなかったのですが、それでも深い挿入感がありました。男の尻肉

の窪地は充分な潤滑剤で滑り良く、腸壁と何ら変わることはなかったので

す。

 強く打ち込むと「ズブッ」と音がし、同時に「ううっ」と声が漏れます。そしてまた男の

唾液が掌を伝って流れます。ビチャビチャビチャ、ビチャビチャビチャと浅く素早く動かし、

最後は大きく強く押し込みます。そのまま押し付けて尻を潰したまま、次にはまた雨

垂れの音を奏でるのです。これが最後のリズムでした。

 

 男の噛む付け根に痛みを覚えます。最後が近いことを知らせようとする

のか、口から流れる唾液が掌を伝ってシーツを濡らしてもその口を放そう

とはしませんでした。

「いいかい、いいかい」

 と私が耳元で囁いても答えません。これから迎えるであろう断末魔に向

かって呻いています。それは今までの女の声とも少し違って、かと言って

男の声でもなく、野生の動物の唸り声のようでした。男は唸りながら最後

の時を迎えようとしていました。私もある一線を越えているのが分かりま

す。もう余裕はありません。一心にゴールを目指し、背後を叩きながら挟

み込んだ腿をきつく締めて最後の準備を備えていたのです。

 この頃男の足は閉じられ、私は大きく広げた両足で腰と足を外側から挟

んでその真ん中に杭を打ち込んでいました。鶏姦しがらみの状態です。性

48手しがらみの鶏姦バージョンです。男は閉じた両足をピンと伸ばし、

指の先まで真っ直ぐに硬直させていました。私は開いた太腿で男の両足と

腰を背後から締めながら、割れ目越しに杭を刺し、抜いてはまた突き刺す

行為を繰り返していたのです。

 次第に大きくなる雨だれの音と荒い呼吸音だけが部屋に響いていました。

 

         

 

 男はその門の奥に子宮を秘めているのです。バギナと化した直腸はその子宮の扉

を開き、その開いた扉で直腸の上部を塞ぎ、直腸を膣に変えているのです。そしてそ

の子宮の入口を、精子を誘う粘液を流しながら下に降ろして男根を銜えています。そ

うなるともう私は押すことも引くこともできず、全てを生き物のように蠢く男の体内に任

せる他はありませんでした。それは亀頭を銜え込むと次には揉み下しながら奥へ奥

へと引き込んでいきます。究極の快感に占領された私は呼吸も忘れて灰白色の世界

に喘ぐばかりでした。男の体もまた同じだったのですが、ただ一箇所だけ男根を銜え

て蠢く場所があったのです。

 ピクリと尻が動きます。それを合図に男は間断なく震え始めます。そしてその震えは

小刻みな痙攣に変わっていきました。その振動が私の体を震えさせ、二人の体を同

期させます。二つの肉体がひとつの塊と化して震え始めてから直ぐに、私は視界を失

い、己のものとも男のものとも知れぬ断末魔の叫び聞いたのです。それは窓を抜け、

あの暗い森の上の小さな星に届くほどでした。

 

 私は男の体内深くに野生の種を撒き散らしました。男は待ち続けたその

種を野生の狼のような甲高い声で受け入れたのです。



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