縄に酔う男




                                  昼顔さん



禁断の園に・・・

(四)




 視られてる・・・ もっと視られたい・・・ 勃起を覆う赤い布を早く・・・ 一切を晒したい・・・ 晒されたい・・・

 

 私は同類のM氏三人を強く意識し始めていました。S氏二人以上に、同

M性の三人を強く意識していました。既に妖しき性の痴戯を終えたM氏、

私と同年齢と思しき男、社会的な所謂キャリアも似ている様な風体の男性

が見詰めています。明かに私より若い二人の
M氏、如何程の痴戯の体験も

無いと思しき二人、其の二人に対し、
Mの男としての教材(?)として吾

が身を供したいとも思い始めていました。今は、此処は、正しく其の時で

はないのかとも思っていました。

 

 自信の身体の手入れは如何だったろうか・・・ 晒し、そして視られる

に値する手入れは怠らなかった筈・・・ 恥毛はスイミングパンツを穿く

に難無き様に、ビキニラインの手入れは怠っていませんでした。水泳を趣

味とはしていませんでしたが、家人が留守の時の私は、僅少面積の扇情的

な下着一枚の半裸の姿で、妻の姿見や浴室の鏡に全身を投影させ、そして

自慰に耽っていました。浴室での行為では、僅少下着にシャワーを浴びせ

掛け、身体に張り付き怒張の輪郭も露わに透ける其れに見入っていました。

(ポリエステル製の扇情的な僅少下着は、事後の乾きが早いのが利点でし

た)体毛は元々薄く、筋トレとは無縁な中肉中背の身体。嗜好で別れるの

でしょうが、果たして如何に・・・

 

 同室する皆さんの観賞に堪え得る身体だろうか、そして同性愛の嗜好対

象である熟年氏、これから更に性の責め苛ましを加えて戴くであろう熟年


S
氏の彼は如何に、気に入って戴けるであろうか・・・ 父性愛にも似た

抱擁性を以てして、時には厳しいまでにの激しい性の責めを、時には優し

く包み込むが如き性の痴戯を、これから私に加えて戴けるのだろうか・・

・ 初体験の私を如何にして導いて戴けるのだろうか・・・

 

 そんな思いが錯綜する中で、そんな思いが交錯するなかで、取って戴き

たい、赤い布を、焦らさないで戴きたい、もう充分です、焦らされるのは

・・・ 早く、早く晒されたい、私の全てを。露わにされた怒張の品定め、

褒めて下さっても揶揄されても構いませんから・・・ 早く、早く取って

下さい、取り払って下さい、赤い布を・・・ と、見知らぬ初対面の男性

五人に、然れども性向・性癖を同じとする同性五人に見詰められ乍らの私

は、もうそれだけで漲りは更に増していました。

 

 視て戴くに止まらず、触れて戴きたい、手に取り試すがえすに仔細を見

詰めて戴きたい・・・ 私の亀頭の張りは如何でしょうか、陰茎は如何に、

手で触れ仔細に点検するが如くに、顔を寄せて見詰めて戴きたい、揶揄も

されたい・・・ 私は「視てえー」「ああ・・視られたい~」「晒された

い、晒し出された~い」と、声をあげたい気でいっぱいでしたが、それは

憚れたのか・・・ いや、憚れるもなにも、憚るに至るまでの思考は無か

った様です。

 

 察したのか、或は斯かる焦らしは常だったのか、彼が私の前面に移り、

前屈みになって赤い布に手を掛けました。「厭~」「取らないで~」と私

は心にも無い事を訴えましたが、豈図らんや、両脚を突っ張らせ、爪先立

ちで腰を突き出していました。

 

 彼は前屈みの姿勢から身体を伸ばし、鏡への私の姿態の投映に割って入

るのを避けるかの様に、私の側面に立ちました。赤い布がゆっくりと私の

怒張から滑らす様に払われ始め、私は鏡を見詰めていました。同室の四人

が私を囲むのが鏡に映し出されていました。

 

 意外と素早く、サッとばかりに赤い布は取り払われました。もっと焦ら

されるものと私は思っていましたが、一糸纏わぬ、いや、赤い麻縄で縄化

粧を施され、後ろ手に縛られた私は、最後まで隠された熱り立つ(いきり

たつ)怒張と共に全てを晒し出されました。

 

 流石に、普遍的な羞恥が先ず襲い来ました。消え入りそうな羞恥だった

様に思いますが、其れは一瞬(?)だった様に思います。通り一遍の俗に

謂う羞恥の其の瞬間は確かに襲い来ましたが、私が酔いしれる処の性的羞

恥、マゾヒズムの男を妖しく蠢かすもう一つの、心惑わす妖しい羞恥とに

直に入れ替わりました。


                                         つづく 








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