切腹小説 想い


                                         十文字 さん 


その三 (最終回)



「大殿様より頂いた、こ、この名刀、さすがに良く切れる、この刀、あの

世とやらまで持って行かねばなるまい。」そう言い放つて、まだ下腹深く

突き刺さる刀をぐいっと抜いた。

そして武将は屈むようにして左手を後ろに回し、尻の肉をぐいっと押し開

いた。

周りのものは、武将が何をするのか判らず呆気に取られていた、がすぐに、

その意味を理解すると、次に見られるであろう惨劇を固唾を呑んで見守っ

た。

武将は血に濡れた指で、尻肉の先にある己の尻の穴を弄る、そこはすでに

血潮が流れ込んでいてぬるぬるとぬめり、武将の一番敏感な部分も血の色

に濡れそぼっていた。

武将は尻の肉をこじるようにして尻肉を開き、血に濡れる刃先を導きいれ

た、そして刀の鞘の方をしっかりと地面に固定してその上に伸び上がるよ

うにして仁王立ちした。

周りに声を出すものは一人も無く、時が止まったような静けさが周りをつ

つんだ。

武将は刃先を静かに自らの菊座にあてがう。

そのまま両手をひざの上におくと、眼がカッと見開かれた、少しの間の後、

武将は静かに腰を落としていった。

体重の掛けられたその鋭い切っ先は、柔らかな菊座の肉壁を破り、一気に

股間に没して行った。

その時武将は、今は亡き、大殿様に、情けを頂戴し、大殿の肉棒で尻の穴

深く突き上げられた記憶が一瞬にして駆け巡った。

そして、その記憶は切り裂く激痛を、快感の痛みに昇華していった。

狂おしいほどの快感が、稲妻の様に武将の体を駆け巡った。

「大殿。」武将の口からせつない声が漏れた。

それと同時に、武将の肉棒が脈打ち鈴口が大きく開いたと思うと、次の瞬

間、もえたぎる男の血潮が勢いよく飛び散った。

その間も、武将はぐいぐいと腰を沈めて行く、刀はぶつぶつと低い音をた

てながら、はらわたを断ち割りながら突き進んでいく、「うぐううう、ぐ

うあううううっ。」地の底から響いてくるような呻き声がした。

そんな声を発しながらもなお、刃先に己の重みをかけ続ける。

刀身のほとんどが武将の股間に飲み込まれようとした時、刃先が太い血道

を貫いたのだろう、腹の切り口から血潮が噴水のようにほとばしった。

そして、一瞬の痙攣の後、武将は静かに流れ出た己がはらわたの中に倒れ

て行った。

 

鏡の中には、腹を十文字に断ち割り、立ち尽くす自分自身の姿があった。

私は、左手を自分の尻の割れ目にあて、ぐいっと肉を引き寄せた、そして

指先で自分自身の肛門の柔らかな肉壁を探り当てた。

私は震える手で腹から血刀を抜くと、血塊でぬめる切っ先を、肛門の肉壁

に押し当てた。

切っ先が肛門に当たり、冷たい刃の感触が伝わってくる、狙いを定め、私

はそのまま腰を落とした。

微かな音がした。

切っ先は、ほとんど抵抗も無く柔らかな菊壁を破り、股間に没していく。

それは、灼熱に燃える鉄の棒を突きいれられたような感じだった。

痛みとも熱さともつかない強烈な感覚、それと同時に弾けるような快感の

炎が渦巻きながら体を走っていった。

究極の快感、痛みの感覚が全て快感に変わったようだった、全ての感覚が

快感へと昇華して行ったのだ。

そして、その感覚は、怒張した男根に強烈な射精を促した。

色とりどりのはらわたの間にそそり立つ肉棒が、一際大きく震えると、白

い血潮が勢いよく弾け飛んだ。

それは、何度も何度も鏡を白く染め、雫となって流れ落ちた。

鈴口からほとばしる血潮がなくなった後でさえ、射精の感覚は続き、ひく

ひくと肉棒だけが動きを止めようとしなかった。

そのあまりの快感に腰が砕け、全ての体重が切っ先にかかった。

私の体を鋭い刃が一気に貫いていく、ぶつぶつと自分の臓器が断ち切られ

る感覚が体に響く。

これこそ、私の夢見ていた切腹だった。

刀は全て私の体に没し、私は刀を体内に抱いて、あぐらをかくような形で

崩れ落ちた。

その時私には苦痛は無かった、そこには想いをとげた満足感と陶酔に似た

感覚が私を包んでいた。

薄れる意識の中、血と精液に塗れた鏡の奥に、見事に切腹して果てた老武

将の姿が見えた。

                                完




                                   








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