男の影を慕いて



                                     秋山槙太郎さん 



(25)夜明けの抱擁



二人の熱い夜は、やがて明けようとしていた。

二人は素っ裸のままで寝ていたのだ。

カーテン越しに、外が明るくなってきていた。

昨夜は激しかった。俺と田中は、まるで盛りのついた獣のようだった。

ラブホテルで初めて二人が愛し合ってから、久しぶりの性行為だったから

だ。

 

田中は、俺の体に夢中だった。

田中の体は、もうすっかり男色の色に染まっている。

俺はまだ寝息を立てながら寝ている田中を見た。かわいい顔をしている。

短く刈った髪、下膨れの丸い顔。団子鼻が、田中をより可愛くしている。

黒々とした隠毛の中から、朝立ちの陰茎が太く固く勃起している。勢いの

ある陰茎だった。

 

何よりも、ふっくらとした体が艶かしかった。田中の体は中年の体型であ

り、適度に脂が乗っている。色気のある体をしている。

 

こういう体型の男は、その道の男にモテるタイプだ。

その道の男なら、田中を見れば必ず振り返るはずだ。

田中の体のタイプは、男色の男にとっては、チャンスがあれば、すぐに肉

体関係まで進展させたくなるような体つきをしている男だった。

それだけ田中の体は、中年の色気を醸し出すほどの魅力的なものだったの

だ。

 

田中は、昨夜の満ち足りた俺との性行為で、ぐっすりと眠っている。

俺はそのままにしておいた。

少し俺が体を動かすと、田中は俺の体にすり寄せてきた。そして俺に抱き

ついてきたのだ。

田中は気持ちよさそうに眠っている。田中は、昨夜の俺に熱く抱かれて、

身も心も満足しきって寝ている。体が満たされているだ。

 

外はすっかり開けてきた。

カーテン越しに、日が差している。

すると田中は、大きな伸びをして目を覚ました。

俺は田中をじっと見ていた。その目が田中と合ったのだ。

田中は俺を見るとニコッと笑った。

 

「ぐっすり眠れたか?」

「うん」

田中は嬉しそうな顔をして頷いた。

すると田中は、俺に抱きついてきたのだ。

俺もやさしく田中を抱きしめた。

「昨夜はよかったか?」

「気持ちがよかった。秋山さんに抱かれて、本当に気持ちがよかった、、、」

田中は、少し恥ずかしそうにして俺の胸の中に顔を埋めた。

 

そして、俺の胸毛の中に指を入れてなぜ回した。

「秋山さんの胸毛がすごい、、、」

田中は、俺の胸毛に顔を埋めるようにして頬ずりしてきた。

すると田中は、俺の乳首にペロッと舐めてきた。

途端に俺は体に、快感が電流のように走ったのだ。

今まで、俺は男の乳首を舐めたり吸ったことがあるが、舐められたのは初

めてだった。

 

新鮮な快感だった。

俺は思わず、うっと呻いた。

田中は、俺の反応を面白がり、乳首を吸ってきたのだ。

俺は途端に、「アーーーー」と声が出てしまったのだ。なおも田中は俺の

乳首を吸ってきた。

「ばか、やめろ!」

俺は思わず田中を制止したが、田中は俺の反応に、もっと吸ってきたのだ。

 

「秋山さん、乳首、感じるんですね」

乳首が感じると、とたんに股間が反応してしまった。

勃起し始めてきた俺の陰茎を、田中は見ていた。

そして、田中の柔らかく太い手が、俺の勃ってきた陰茎を握ってきたのだ。

田中は体を下にずらすと、俺の股間に入り陰茎の根元を握ってきた。

そして、俺の目を見ながら口の中に含んできたのだ。

俺は思わず、

「あ、あ、、、気持ちがいい、、、」

ヨガリ声が、無意識のうちに出していた。

 

尺八はまだ上手ではないものの、俺を喜ばそうと一生懸命に尺八をしてい

るのだ。口の中で、舌を動かしながら尺八をしている。

「田中、もういい、、、そこまででいい、、」

俺は上半身を起こし、田中に言ったが、田中は俺の陰茎を外さなかった。

 

「秋山さんの精液を飲ませてください、、、」

田中の目が潤んでいた。

俺は驚いた。

「いいのか?俺の精液を飲んでくれるのか?」

「飲みたい、、秋山さんの精液を飲みたいです」

田中が哀願した。

 

「わかった、お前の好きにしていいぞ」

俺は大の字に横になった。

田中は俺の股間の中に入った。そして、固く勃起している俺の陰茎を握り、

やがて口に入れていった。

田中は一生懸命尺八をした。俺は、こんな展開になるとは思っても見なか

った。

 

やがて突き上げてくる快感に、俺は耐えきれなくなってきていた。

「ダメだ、射きそうだ、、、いいか、お前の口の中に出すぞ、、いいか、、

いく、いく、イクーー」

俺は田中の口の中に、熱い精液を打ち込んでしまった。

田中は、俺の精液を口に受け止めた。

俺は田中を見た。

田中も俺を見ている。

俺の目の前で、田中はゴクリと俺の精液を飲んでしまったのだ。

 

田中は俺の精液を飲んでしまうと、俺に抱きついてきた。

俺は田中を抱きしめた。

強く抱きしめたのだ。田中は俺にしがみつくように抱きついた。

 

二人は、性行為の後の、気だるくも充実した時間を感じていた。

全てが満たされていると感じた。

俺のそばには田中がいる。田中も、満ち足りているような顔をしている。

俺が田中の体を、優しく包むように抱いた。

すると、ふくよかな体をした田中が、俺に抱きついてくる。俺の体に甘え

るように抱きつき、俺の胸毛をいじったり、乳首をつまんだりした。

 

そのうち、俺の顔を見ながら田中の手は、俺の股間に忍ばせてきたのだ。

そして、すでに固くはないが、俺の太いチンボを握ってきた。そして離さ

なかったのだ。

時々、俺の股間に入り、亀頭を口の中に含み、俺のチンボをおもちゃのよ

うに弄んだ。

 

俺は田中を抱き、官能の世界に浸りきっていた。田中との性行為で、親父

のことは、完全に忘れていた。

田中と肉体関係を結ぶと、親父のことは、頭の中から離れていたのだ。



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