最後の恋を求めて




                                         筑紫俊一郎 さん 



【 3.湯けむり】



 お風呂場には一人の先客がいて。脱衣籠には浴衣と褌が脱いであった。

「褌?それではこの世界の人かな?」と思いながら晉一は風呂場のドアを

開けると、「こんにちは!」と笑顔の初老が風呂場のヘリに腰かけて挨拶

してきた。相手の優しそうな笑顔に、傷心の旅も忘れ「こんにちは!」と

笑顔を返していた。急いで身体を洗って彼のいる湯船に浸った。晉一の目

の前に彼がチンボも隠さず座っている。丸顔の優しい目、ぽっちゃりした

お腹、チンボは使い込んだような黒い色。勃起して来るのを隠しながら、

ちらちらと眺めた。

黙っているのも気まずいので晉一は「私は高崎なのですが、どちらから

ですか?」

「私は東京です。退職したので今までの仕事の垢を洗いにこちらに来ま

した」

晉一は「私は一人旅ですが、貴方は奥様とご一緒ですか?」

「いや、私も一人旅です。45年の企業人生を振り返るには家内が一緒

でない方が良いですからね」

「そうですか?私はまだ現役で仕事をしています。」と晉一は話に入っ

ていった。

晉一も熱くなったので縁に座った。晉一のチンボは亀頭が大きく、太さ

も人並み以上である。正一はそれを見ながら、「触ってみたい!舐めたい

!」と思った。

正一は「私は佐藤正一です。商社に勤めていたのですが、これからはゆ

っくりとゴルフもしたいし、野菜作りもして余生を楽しみたいと思ってい

ます。」

「私は中村晉一です。小さいながらも従業員・得意先・仕入れ先があり

ますからもう少し仕事をしないといけないですね。佐藤さんが羨ましいで

すよ。佐藤さんはゴルフがお上手なのでしょう?」

「いや、長くしているだけで、たいしたことはないですよ。年々下手に

なりますね。
40代に比べると20ヤードから30ヤード距離が落ちていま

すからね。このお腹ではなかなか身体が廻らないですよ」とお腹を撫で廻

している。

晉一は「私もお付き合いゴルフでなかなか上手くならないですね。曲が

るし、寄せが上手に出来ないですね。だからスコアーは90前後です。」

「そうですか?私も90前後ですよ。殆ど一緒ですね。今度ご一緒した

いですね。」と佐藤さんもなかなかゴルフ好きなようである。

晉一が「佐藤さんはいつもどの辺でするのが多いのですか?」と聞くと、

「仕事の関係でのゴルフが多かったのでマチマチです。でも、ホームコー

スは埼玉と群馬です」と答えた。

「それならお互いに近いですね。是非ご一緒したいです。」

「そうですね。是非お願いします。」

佐藤さん!そろそろ夕飯の時間ですね。あがりましょうか?」と二人は

身体を洗って脱衣所に向かった。脱衣所で汗を拭いている正一の身体を、

晉一は鏡越しにチラチラと眺めていると目が合った。何か恥ずかしい気が

してすぐに目を逸らせた。(越中姿の佐藤さんは魅力的だな・・私も越中

を穿きたいけど家内は嫌がるかな?)と今見た佐藤さんの身体を思い出し

ながら浴衣を着た。

晉一は「お蔭で楽しいお風呂になりました。ありがとうございました。」

「こちらこそありがとうございました。おやすみなさい」と別れた。



                                                  続 く 









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