最後の恋を求めて




                                         筑紫俊一郎 さん 



【 6.秘湯



 9時に正一が玄関に行くともう晉一は玄関に車を寄せて待っていた。

正一は「先ほどはありがとうございました。お手数をお掛けします。」

と晉一の車に近づいた。

晉一の車はクラウンであった。正一は「先ほど氷で冷やしたので足は大

丈夫のようです。ご心配おかけました。」

「良かったですね。捻挫をして腫れたら困りますからね。安心しました」

二人は道中新緑の出始めた山々を眺めながら、お互いの自己紹介をして、

ゴルフの話・仕事の話と楽しいひと時を過ごした。

途中、昼食は美味しそうな蕎麦屋を探して止まった。水が良いからか非

常に美味しい蕎麦であった。正一は「ガソリン代には足りないけど私が払

います」と言ってご馳走した。

「ありがとうございました。佐藤さんとご一緒させていただいたので非

常に美味しかったです。」

 法師温泉に着くと二人は揃って温泉に行った。広い温泉で、そこには丸

石が敷き詰められており、敷石の間から温泉が噴き出している。

晉一は「良い温泉ですね。これがJRのフルムーンに使われたお風呂です

か?今度ゆっくりと来てみたいですね。」というと正一は「私も昔から一

度ゆっくりと泊まってみたいと思っていたのですよ。今回、退職を機に実

現できて非常に良かったです。」と満足げの顔である。

洗い場に二人並んで座ると「佐藤さん!背中を流しましょうか?」「よ

ろしいですか?嬉しいですね。」と背中を向けた。晉一はタオルに石鹸を

つけ、優しくゆっくりと洗い始めた。右手でタオルを持って、左手は正一

の肩に置いて身体を支えている。大きな背中、ふっくらと横にはみ出した

お腹、餅のように椅子に横たわっているお尻と洗っていると、思わずチン

ボが膨らんでくる。晉一は「まずい。」と思ったが、石鹸を流そうと立ち

上がった時、正一が鏡を見たところで目の前に半勃起した晉一のチンボが

飛び込んだ。黙っていると晉一が気まずいだろうと思って「若い人は元気

でよいですね。羨ましいですよ」と言った。晉一は赤くなりながら「恥ず

かしいですね。何故か少し大きくなってしまいました。佐藤さんが魅力的

だからなのかな?変ですよね」と精一杯の気持ちを表現した。正一は「今

度は私が洗いますよ」と晉一の背中に廻った。晉一の気持ちが解かったの

で「変ではないですよ。私も洗って貰いながら少し大きくなりました。」

と言った。晉一の身体もふっくらとしていて、洗いながらずっと撫でてい

たい衝動にかられる。正一はタオルで洗って、その後は素手でゆっくりと

脇の下から、横腹、そしてお尻へと洗っていった。ゆっくりと石鹸を流し

ていると晉一も正一の身体の変化を見ていた。

正一は「もう一度お湯に入って出ましょうか?」と言って立ち上がった。

二人でそれぞれの思いで湯に浸かり、上がることにした。風呂上がりの火

照った身体を冷やすためにロビーでコーヒーを飲むことにした。

「今日は大変お世話になりました。電話番号を書きますので、是非ゴル

フご一緒したいですね。」とメモを晉一に渡した。

「ありがとうございます。必ずお電話します。ゴルフをするなら何曜日

が良いのですか?」

「私は毎日が日曜日だから、何時でもOKですよ」と正一は言った。暫く

話した後、「それではこれで帰ります。楽しいひと時ありがとうございま

した。」と晉一は帰って行った。

 正一は残された自分の虚しさを部屋に戻って感じていた。「いっそのこ

と一緒に帰っても良かったな」と思っていた。一方、今別れたばかりの晉

一は「一緒に泊まらせて貰ったら良かったな。今から電話して言おうかな?

せめて声だけでも聴きたいな」とハンドルを握っていた。「今日は電話す

るのは我慢しよう。不思議に思われるから・・・」と運転しながら、昨日

から今日までの正一とのやりとりを反芻していた。穏やかな笑顔、ふっく

らのお腹とお尻、そして使い込んだチンボ・・・・高崎までの道中退屈す

ることはなかった。



                                                  続 く 







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