再 会


                                         立花吾朗 さん 



 『逢えなくなって 初めて知った

  海より深い 恋心』

「セイさん、お元気でしたか? お変わりないようで良かったなァ……」

「シゲちゃん、有り難う。まァ、でも寄る年波にはねェ」

久方ぶりの二人の再会である。お互いにその人間性に惚れて、自然の成り

行きによって、肉体までも固く結ばれた仲でした。誠一郎78歳、茂74歳、

15
年ほどのブランクはあっても、双方変わらない愛を持ち続け、今は高齢

者同志の再会であった。事情があって別れてから15年、やっと再会を果た

した今日なのである。

そして、ここはホテルの一室。

ベッドで隣に横たわっているのは、誠一郎品の良い老紳士。

頭髪は可成り白い物が多く、小太りで色白である。茂が知る以前の誠一郎

は肉体に張りがあり、中心部の陰毛もふさふさとして中心から存在感のあ

る逸物が、我が物顔に頭をもたげ大胆に振る舞っていたものだった。が、

現役を退いた今は築き上げた社会的地位も失い、それに矢張り加齢による

衰えは否めず、地域活動は気乗りせず年齢相応にただ生活しているだけと

の感じであった。

そんなセイさんの様子から、現役時代の社内での仕事ぶりは知る由もない

が、肩書と権力を奪われると、こうも脆く崩れてしまうものかと痛く感じ

た。

昔社内で擦り寄ってきた連中は、権力の喪失が明らかになった途端、手の

平を返したようにそっぽを向いてしまうし、年賀状すら途切れてしまった

そうだ。

そんな寂しい虚ろな日々を心の中で慰めてくれたのが、当時茂と重ねた密

会の甘い思い出であったのだろう。そんな心境をしみじもと語った誠一郎

だった。

「シゲちゃん、逢いたかったよぉ」

「セイさんは、男性のモヤモヤはどう処理していたの?」

「とても発展場などへは入る勇気が起きなくてね。独りで慰めていたよ。

やはりシゲちゃんに慰めて貰わないと、満足できないね。そんな虚しい日

々を何とかしようと、シゲちゃんのことを思い出してね。やっと連絡がと

れだんだよ。抱かれたい気持ちがおさえられなくてね」

「嬉しいね! あの時は事情が許さずやむなく別れたんだが、僕も逢いた

くて結ばれたくて抱きたかったんだよ、セイちゃんをさ」

「シゲさんの上手な肉体開発で、この上品な好々爺をこれまでにしてしま

って……もう」

「セイさんは社会的地位もあった訳だし、今もあまり淫らな行動はできな

いよね。そんなに欲しい欲しいと身体が訴えて我慢ならずにしてしまった

僕は、責任を感じてしまうな」

「まあ、一般的に男同士の性行為はあまり経験の出来ないこと、そしてこ

の世界を知らずにこの世を去る圧倒的多数の世の男性諸氏は、一度だけの

人生なのにとても惜しい気もするよね。もっとも、飽くまでも相方の人間

性に惚れなければ、真の身も心も溶け合うセックスには進展しないことは

本当だと思うんだがね」

「そうだね。この広い世の中、そんな相手を待ち望んでいる男性は、ワン

サといるはずなのに、引き合わせて貰えないなんてね。何とかならないも

のかね」

もう既に浴衣に着替えている二人は、長いブランクを一挙に取り戻すかの

ように、強くしっかりと抱き合い熱いキッスを何時までも繰りかえすのだ

った。

この二人のそもそもの馴れ初めは特に触れないが、男と男の関係を深めて

ゆくお付き合いのリードは、茂が主導権を握り徐々に誠一郎のウケ、茂の

タチと各々の色彩もはっきりと弁えるようになっていた。この辺りの相性

もきっちりと調えられていたせいでもあり、お付き合いの途中で背を向け

ることもなく、親密に継続したのだと思う。

茂の優しく時には荒々しい誘導は、誠一郎に大きな期待と若干の畏縮すら

もたらすのだった。誠一郎は今は白の晒の越中褌を着用しており、茂と同

じ下着を着けることで一層の一体感をと考えたのだと思うと、その健気な

さが嬉しかった。

褌の中に手を滑らせて、暫く触れていなかったチンポに辿り着き、指先で

ゆっくりとその形状と存在を確かめ、そして玉袋から更に下に滑らせ菊門

を満遍なくソフトタッチでその感触を味わい、セイさんの表情と様子を窺

っていた。喘ぐ吐息がどんどん大きくなってゆく善がり声にも達して、絶

壁のギリギリに立っているようだった。

「シゲちゃん、早く欲しい! その立派なチンポを入れて、突いて!」

セイさんは、この日を心待ちにしていたことは、その期待の大きさを直に

感じられて、そんなセイさんに感激すらしてしまい、焦らす作戦を急遽変

更して即要求に応ずることにしてしまった……

相変わらずセイさんの双丘の中心の蕾は、慎ましやかで全くの無毛とても

美しく、押し開いて見ても、中もピンクでとても綺麗でそそるものだった。

日頃セイさんはこの瞬間を夢見て拡張訓練を繰り返していたそうで、茂の

鰓の張った亀頭も難なく飲み込んでしまうし、その歓びを最大限表現して

感謝を反応で示してくれたのだった。

「セイさん、そんなに気持ちよかった? 大胆に取り乱していたけど……」

「そんな、恥ずかしいじゃん。とても久し振りだったんだが、ブランクを

全然感じなかったよ。シゲちゃんのテク、相変わらず見事だね、嬉しかっ

たよ」

この二人は、こんな幸せな時間を共有出来、これから未だ未だ延々と続く

裸同志の愛情の表現は時間の経つのも忘れて、続いたのだった。

「シゲさん、何時か再々会を是非実現したいね、それは構わないよね」

「勿論だよ、セイさん。楽しみにしているよ」

                             (完)








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