白 い 褌

                                         松風 さん 



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男が出ていったので、私は急いでシャワーで身体の石鹸を洗い流し、越中を付けて、

ロッカー室に戻りましたが、先程の男は既に着替えを済ませたのか、そこにはいませ

んでした。

「その場かぎりの遊びだったのか〜」と一瞬落胆しましたが、それでも何処かで待っ

ているのではと、甘い気持ちを抱きながら私は衣服を身に付けて、着替えを入れたバ

ッグを持って玄関ロビーに向かいました。

あっ〜やはり待ってくれていました。

ネクタイこそしていませんでしたが、きちんと背広に着替えた男がソファーに座って出

て来る私を目ざとく見つけると、軽く手を挙げ合図して立ち上がり近づいてきました。

シャワーの後の油気のない髪を後ろに撫で付けながら、「体育館前の喫茶店で一緒

にお茶でもどうですか」と私を誘うのですが、わたしも今まで何人かの男と関係は持っ

ていましたが、その時は我々の行くスタンドで出会った人とか、この道の出会い系の

本などで知り合った人で、何れもこの道の人と解ってからの付き合いでしたが、今回

の男はどの様な人か解りませんでしたので、少し躊躇しました。

「ゆっくりと私を品定めする為なのか〜」と意地悪な思いが浮かびましたが、彼も慎重

に私を知る為に誘ったのであれば、かえってそれだけ信用のおける人物だと思い、ま

た男のプールでの立ち振舞いからも誠実さを感じていましたので、私も心を許して男

の誘いに同意して、私達は喫茶店に入り、向かい合わせの椅子に座りました。

すぐに男は私に「コーヒーでいいですか〜」と言いましたので「それでいいです〜」とう

なずきますと、男は店員呼んで「コーヒー2つ」と注文をして店員がカウンターの方へ

去っていくと、男はテーブルの上に身体をかぶせるように身を乗り出して、私に何かを

求めるような振りをしましたが、私はそれに応じる事はしませんでしたが、差し出した

手のこうにも濃い毛がびっしりと生えていましたので、毛フエチの私は直ぐに下の方

がムクムクしてきました。

彼は周囲を気にするように、抑えた声で詫びるように「先程はびっくりされたでしょうね。

ごめんなさい、今日は来館者も少なく、前から気になっていた貴方を見てから自制心

がなくなりあんな事をしてしまいました〜」と素直に謝り「私は名前を吾朗といいます

が、まだお目にかかったばかりなので名字は勘弁して下さい〜」というと今度は私に

向かって「お見かけしたところ会社帰りだと思ったのですが、直ぐにお家に帰られるの

でしょうか〜少し時間がありませんか〜」と尋ねてきました。

私は10時頃までに帰ればいいのですが、わざと腕時計を見て少しならいいですよ〜」

と返事をしますと、男は満面に笑を浮かべて「ありがとう〜私はある会社の広島支店

に勤めていて単身赴任でマンションに一人で住んでいます〜ので、今から私の部屋

にきませんか〜」と言ってきました。

私もその頃から男の素性もある程度わかっていた上に男の体に性的興味を抱き初め

ていましたので直ぐに承諾しました。

ふたりはコーヒーを急いで飲み干すと、時間を惜しむようにして喫茶店を出て体育館

の駐車場に止めてある車まで歩いて行きました。

その途中で男は「気が着かなかったでしょうが、体育館のロッカー室で初めて貴方の

後ろ姿を見た時、貴方の穿いていた真っ白な越中褌が見えましたので、白い褌に性

的興味を持っている私は、もしかして、この人が同じ世界の人であったらと密かに思

っていましたが、その想いがだんだん大きくなってとうとうあの様な行動に出てしまい

ました。

勿論、褌をしているからといって必ずしもそうとは限りませんが、あの日、ロッカー室で

話していた時、褌で素早く下腹部を隠した貴方を見て、誘っても間違いはないと思い、

貴方との再会を心待ちにしていました。

そして今日大胆にもシャワー室で事に及んだのです」と言い訳するように語るのでし

た。

光を増し始めた水銀灯に照らし出された顔に私と肩を並べて歩く事が嬉しいのか満

面に笑みを浮かべて歩いて、体育館の駐車場に着くと、止めてあるオデッセイのドア

ロックを解き「さあどうぞ」と言いながら、自分もドアを開け、運転席のシートにその巨

体を沈めてここから車で15分もかかりませんから〜」と言い、カーオーディオのスイッ

チを入れました。

ムード音楽を聴きながらこれからどの様な事が、二人のあいだで行われるのかと想像

しているうちに、車は海沿いに立っている、マンションの駐車場に入って行きました。


                                                続 く 


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