想い出の新世界


                                         花栗 さん


その2



 僕が新世界を知るようになったのは、○上さんと巡り合ってからの事です。

やがて、間もなく「お父さん」と呼ぶ間柄になったが。

出会いは、約三十年前のこと。

当時、京都の四条大宮に安い映画館がありました。

みなさんが何となく探し当てるのと同じです。

少しは慣れてきた街で、「もしかしたら」と、見つけたのです。

道路を斜めに渡った所が、嵐電の駅でした。

ビルの2階にありました。名画座のような、名作をよく上映してました。

出逢った初めの印象としては、「気は良いが、遊び慣れた年配」という感じでした。

それは、過去にそういう雰囲気の人と何人か経験してきていたからです。

ある日曜日に行くと、いつものことですが、開けた扉付近に大勢の人がいて混み合っ

ていました。

見ると、禿げ頭の後ろ部分だけ毛のある年配者が目にとまりました。

60代と思われる、やや小柄な普通体型で、グレーのスーツ姿でした。

だけど、かんじんなのは顔を確かめて、好みかどうかがわかるんだと思います。

僕は理想かどうかわからないけど、丁度、秋の今頃で、人恋しさがあったのかもしれ

ません。

体が着くくらい後ろに立つと、そっとお尻に近い太ももあたりを指先で触れました。

経験は自分なりにしてきてはいても、やはりドキドキします。

すると、その人は後ろ頭を向けたまま動かさず、僕の指先を後ろ手の形で摘まむよう

に握りました。

そしてすぐにクルリと振り向くと、僕の顔を確認するように一瞬、見つめました。

指を握ったまま「出ようか。」と云うと、指を離し、もうさっさと扉を開けて外へ出ました。

そのとき、薄明りで見た顔は、正直なところ半分信じ、半分は信じられない印象でし

た。

メガネの奥の目は真っ直ぐ見てたけど、そのメガネから来る印象だったのでしょう。

少し端の上がり気味で、縁は茶色なのだけど光りに赤く見えたのです。

それが、何だかインチキ臭い雰囲気を感じたのです。

エスカレーターで下るときも、後ろデコちんの禿げ頭を、ドキドキしながら見ていました。

そして始まって行く、これからのことにワクワクしながら。

(けっしてハゲが理想というわけではありません。)

下に着いた所で、すぐにタクシーに乗ると、河原町まではすぐです。

どう歩いて行ったかかは、道を思い出せませんが、「美松」という名だけは覚えていま

す。

普通の一般のサウナがありました。今でもあるのかしれません。

そのすぐ隣、同じ建物に、家族風呂がありました。そこへ二人入りました。

今思えば「連れ込み風呂」といったようなものだったでしょう。

ノンケもお仲間も気軽に利用する場所だったのでしょう。

そこで初めて○上さんと結ばれました。

と云っても、お互いの物をねぶりっこする遊びです。シックスナインです。

その形で遊ぶのが好きだったようです。


 気が急いて、湯船にろくに浸からないのかと思いましたが、そういう性格の人でした。

後に付き合い始めてからそれがわかりました。「カラスの行水」の性格でした。

マットも使わずにタイルの床で抱き合い、そして「あと差しになろうか」と云うと、逆さま

になりました。

すぐさま僕のマラが「ぬんめり」とした熱いものを感じました。舌で絡められます。

僕もすぐにそれに反応して興奮が高まり、迷うとなく○上さんのマラを含みました。

ツルツルの毛の無い足は僕と正反対でした。

僕の太ももを「毛深いなぁ。」マラを一度くちから離すと、さすりました。

僕のような体が好きだったようでした。

シックスナインの形は、僕も好きです。

相手の舌でマラを絡められる、あの口の中の温みとうごめきが好きです。

と同時に、そうされながら相手のマラを同じように舐め回し、音立てるほどしゃぶりま

す。

興奮がどんどん高まって行かないはずがありません。

お互いにマラでふさがってる口から、善がり声を漏らし始めます。

「あんががぁ」「んがが、んぐぁが」

横になった体制の顔では、よだれが垂れます。

やがて鼻息も荒くなって行きます。

「はごぁがんぁあ」「ほんごがが」

○上さんは、「ゆっくり楽しもう」と云うタイプではありませんでした。

僕も若かったから、途中で止めたくはありませんでした。

お互いに鼻息が、苦しいほどに荒気て行きます。

「ぅぐあ」と、いったん口からマラを抜くと、糸を唇に引いたまま、出ることを告げました。

すぐにまた○上さんの赤く怒張してるのを咥え込むと、そのまま伝えました。

「あふぐあっ!出ぐ、出ぐふぁ!」

○上さんも含んだ顔を必死な思いで激しく動かし、答えます。

「ふむんぐ、ふんぐ(ああ、出しなさい、出しなさい)」

上下させ答える顔の、その熱い口の中へ、熱い熱いマグマを僕は繰り返し放出して

果てたのです。

○上さんはそれを呑み込みはしなかったと思います。

高揚した顔に笑みを浮かべ、濡れてる唇で「良かった?」と訊くと、クルリと体をすべら

しました。

僕の体の横に付けて、肩を抱くようにすると、「出して」と、マラを擦ってくれというよう

にしました。

僕はすぐ擦り始めました。唾液でぬるぬるでしたから卑猥な音が響きました。

このときには気づきませんでしたが、歳のわりに先走り液の多く出る人でした。


やがてすぐに「ああっ、ああっ、」と善がり始め伸ばしてる足を僕の足に絡めるようにし

始めました。

僕を抱きしめてる片手に力を入れると身をそのまま起こすようにしました。

「出そうや!ああっ、、」

と、起こした顔で出そうな自分のマラを覗きこんで見ました。

僕を抱きしめてる腕に力が入ります。思い切り。

「あっ!あっ!ああ~~ あっ、、、!」

と、僕をギューっと抱きしめて足先を伸ばすようにすると、果てました。

搾り切るように、唇を「くぅ~~!」と尖らせて。


 ねちっこさのまるで無い人でした。

「ああスッとした。」と言うと、すぐさま湯船にザブンと浸かるや否や、もう体を拭いて上

ろうとします。

僕も、慌てて上ると、拭ききれてない体にシャツを着り、後について行きます。


 外に出るとピカピカした頬を寄せるようにして、「マルサンへ行こうか」と言いました。

まるで僕がマルサンを当然に知ってると思ってるように。

「エッ?」と聴き直すと、気づいたようでした。

「行ったことないのか?」と、そうなのかと云う顔をすると、「ほな、行こか。」と歩き始


めました。

足は速くはありませんが、もう後ろも見ずにスタスタと。

まだ性格を掴みきれてないまま、僕はついて行きました。

それは興味からと、このお父さんの向こうにまだ僕の知らない世界があるような、好

奇心でした。

初めて通る道でした。けっこう人通りのある狭い路地を角々と曲がって行きました。


 ほどなく「マルサン」の看板が小さなビルに見えました。

ビルの2階には数件の店があったようです。

その一角に、スナック「マルサン」がありました。

僕がこの世界に溺れて行く始まりの店でもありました。

僕が30歳前。○上さんが、70歳前、68歳だったでしょうか。
                        




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