想い出の新世界


                                         花栗 さん


その6


 もしも表を通ってる人が、鍵穴から中の様子を覗いたなら、通りのひっそりとした表と

は、あまりにも賑やかな別世界に、きっと驚いたことでしょう。

しかも、たくさんの客の、お爺さんたちの元気な顔を見て。

「しぶ柿」に入った印象は、そういう印象でした。

「マルサン」や「雅」も賑やかでしたが、それ以上でした。

広さも、奥に、狭いながらも舞台があり、ボックスも多くありました。そのボックスも常

に埋まっていました。2,3週、続けて〇上さんと訪れましたが、その後、僕だけ訳が

あって行かなくなるのですが、数回行った思い出です。

ドアを開けて奥のボックスへと行く右側の狭い中に、キッチンとカウンターの相手をす

るマスターや手伝いの人が何人か居たと思います。

その、入ってすぐの所に、レコード係りの人が居たように思います。

記憶があいまいなのですが、レーザーディスクになって間もない頃だったではないか

と思います。

今のように通信ではないから、盤を一曲終るごとに換えなければなりません。前もって

リクエストされてる曲の盤を、手際良く換えねばなりません。そのために専用に一人要

るわけです。小太りの年配者がしていたように思います。

マスターは70代の細い、控えめな感じで、相手も似たタイプが好みだったように思い

ます。

たぶん、ここで手伝っていたお爺さんが開いた店が「清作」と、○上さんから聞いてよ

うに思います。

「清作」もよく流行っていました。日曜日は1時から開いてたように思います。その時間

にはもうほぼ満席だったりでしたから、みんな早くムリ言って入ってたのでしょう。なん

せ、活気のある時代でした。

「しぶ柿」で、主にボックス等の客へビールや酒やおつまみを運んだり相手をしてる一

人に、Yちゃんと云う、短髪でいつも着流しふうな40前位の少し痩せ形のコが居まし

た。

その後、客で来ていた人か、レコード係りをしていた人だったのか、年配のおとなしい

小柄なぽっちゃりさんと「新世界でアパート借りて一緒に住んでる」と○上さんから聞

きましたが、何年か前に、そのお父さんはもう亡くなったと、どこかの店で聴きました。

もう、5年以上経ってるかもしれません。

このYちゃんと○上さんはもう気心の知れた間柄で、一緒に旅行に行ったこともあるよ

うでした。二人きりではなかったようですが。でも、浮気ものの〇上さんでしたから、1,

2度の関係はあったかも知れません。

それで、僕に焼きもちを妬いたという事ではないでしょうが、何となく僕に対する感じが

、あまり好意的には思えなかったのです。

その理由も数週間後にわかることになるわけですが。

                      続く

              ◇                      ◇

 「しぶ柿」で、忘れられない思い出があります。

それは、トイレに行ったら、その傍で、お爺さん二人が遊んでるのを目撃したのです。

「しぶ柿」のトイレは、よその店と少し場所が変わっていて、少し離れた場所にありまし

た。

共同では無かったように思います。

横手から戸を横に開けると、何か田舎の納屋を思わせるような作りの雰囲気で、そこ

からちょっと行くと、昔の懐かしい朝顔の形した小便器がありました。3つ並んでたよう

に思うのですが。

その中に、これも懐かしい、丸い固形の黄色い消臭剤が、どの便器にも2つ3つ入れ

てありました。

トイレが臭い匂いはしてなかったように思います。清潔好きな感じのマスターの性格

の表れだったのでしょう。きれいに掃除されてありました。

トイレに向かう間の、少し暗がりの所から僕は息を呑んで、ドキドキしながらマラを立て

っ放しで少しかがむような姿勢で隠れるようにして見ていました。

やや斜めの恰好で背を向け、しゃがんで尺八してる70代後半か、80歳くらいの頭の

禿げたお爺さん。

もう一人の、仁王立ちで尺八されてる70過ぎくらいの、でっぷりと肥えたお爺さん二人。

僕にまるで気づく様子もなく、夢中なようでした。

しゃがんで口いっぱいにしゃぶってるお爺さんは、腰を掴んで喉奥までいっぱいに吸

ったり、ゆっくりと吐き出すようにしては相手のマラを楽しんで味わっているようでした。

「づろのろーん」といった感じで、赤黒い剥けきったカリの張ったマラが、お爺さんの赤

い唇から出たり入ったり「ぬろぬろ」と見えるのでした。トイレの灯りの下で。

あんぐりと大きく開けたお爺さんの口が、輝いて息づいているカリを呑みこむように含

むと、尖らせた口の顏の頬がへこみます。

「じゅぶじゅぐ」「ちゅぐちゅぐ」といった舐る音を立てて。

それを、目を閉じて気持良さそうに少し腰でリズムとるように動かす肥えたお爺さん。

「ほおおぅ おおぅぅ」

と押し殺したような声が半開きの口から洩れています。

僕の足は震えていました。あまりの興奮で。

心臓が苦しくなるほどでした。パンツの前はもう濡れるほどだったでしょう。

時間にして、10分も無かったでしょうが、あまりにも別世界な、別世界の中の「別世界」

の光景でした。

よくその間に他の客が来なかったことだと今でも思います。

立ってるお爺さんが、しゃがんでるお爺さんの頭を軽く押さえるようにすると、一旦、腰

を引くようにしてマラを口から抜きました。

上反ったカリはもういっぱいに怒張して竿も怒ったように波打ってる筋が、てらてらと鈍

く輝いて見えました。

そうしてすぐさま「出すよ」と云うと、また口の中へ今度は自ら突っ込むようにして、お

爺さんの頭を両手で掴んで腰を使いました。

そのままゆっくりと腰を、お爺さんの頭を掴んだままに。

口で半ば、なすがままに受けてるお爺さんの鼻からと、大きく顎いっぱい開けてる唇

の、わずかな隙間を震わせるように開けると、「あがはが! んがあが! はんがん

が!」と、熱い蒸気でも吐き出すような声を漏らすのでした。

そして腰の動きが、ひざ下まで下してるズボンのベルトをカチャカチャ言わせると、「い

くよ、いくよ!」と空を見るようにして「おおおぅぅぅ!」と、少し尖らせた唇でその声を抑

えるように力を入れました。

お爺さんの唇から激しく出入りしていた波打った太棹も、その息遣いが治まったように、

それでいて「ドクンドクン」と息を整えているように見えました。

その濡れて鈍い輝きのマラと唇の隙間から、涎か精液か、タラりと一筋垂れて、お爺

さんの喉仏が大きく動きました。

やがて、緩んでるふんどしの前垂れで、それを無造作にしごくように拭うと、ズボンを

上げ、衣服をなおして、まるで何ごとも無かったような顔をして二人、店の方へ戻って

行きました。

そのとき、太った方のお爺さんが、僕の顏を見たのです。

少し酔った顔をしてたとはいえ、「ふふ」と云った、目元に悪戯な笑みを浮かべて…!

後々、ずいぶん経ってからですが、僕は、そういうことをする人が居ることを知りました。

そういった行いを見せることで、より興奮する人たちが居ることを知りました。

そして、僕もやがてそんな興奮を覚えて体験するのです。




                                                  続 く 



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