想い出の新世界


                                         花栗 さん


その9


一度通り過ぎて、「まてよ?」と引き換えして見た路地の入口の少し入ったところに、

その看板はあった。

「竹の家」と書かれた看板を、ようやく発見したときは、喜びと安堵の気持ちであった。

少々歩きくたびれた疲れも汗も引っ込んだ。夜空に新たな星を発見したような思いで

もあった。

ワクワクドキドキと、ドアに手をかけた。

内側から外が透けて見える色ガラスの、手前に引く戸も、どこか田舎の駅裏にあるよ

うな、懐かしさであった。

「いらっしゃいませ」

と、下駄箱の世話からロッカーの案内をしてくれる人の一人は、中年のおとなしい小

太り気味で実直そうな人であった。

入って、靴を脱いで上がった正面に、受付の小口があり、そこでゲタ札を預ける。経

営者か、少しダミ声の痩せ形のおじいさんがノートに記していたようだった。奥に数人

居たようだが、食事の係りの人たちも居たようだ。ちょっと食事を出来るように、狭い

ながらも食堂もあった。玉子焼きも、ちゃんと焼き立ての物を食べられた。朝の定食

にはそれに海苔と味噌汁、納豆、おしんこが付いていて、まさにちょっとした旅館の

朝食であった。

だからではないだろうが、遠くは東北から定期的に旅行がてら来ていた客も居た。

受付の小口で貰った平べったい白のゴム輪は、いつも手首にはめておくようになって

いる。それに、ロッカーの番号がマジックインキで書かれてある。開けてもらうときにそ

れを見せて開けてもらうというわけだ。

「竹の家」は、着替えはガウンではなく浴衣であった。糊の効いた浴衣もまた懐かし

い田舎の旅館のフンイキであった。新しくはないが、清潔に保たれていた。それは風

呂場もそうであった。ロッカーの係りをしている人や受付の人が常に見回って、湯船

のお湯も清潔に保っていたようだ。

何せ古くて階段もきしみ、もうその頃でもレトロ感のあった家の作りであったろう。部屋

数をめいっぱい使っていて、二階から上は、低い階段の三階があった。その間にも狭

い部屋があったりして、初めは冒険心をくすぐられた。個室は個室で数はそう多くはな

かったが、薄い壁で仕切って増やしたようにこしらえてあった。上から隣の部屋を覗く

ことの出来るように、上部をわざと開けてるのか、そんな部屋もあった。お互い、カップ

ルが見せて見られて興奮してたのだろう。あるいは、興奮のあまりに隣を誘って四人

で、相手をとっかえて遊ぶカップルも居たかもしれない。

そこはもう世間に何の気兼ねも無い、男同士の性をむさぼる世界であったから、破廉

恥さを恥ずかしがる必要も何も無かった。

真っ暗にしてある部屋が、より雄の本能を目覚めさせていたのかもしれない。

ほんのわずかな光に目が慣れるまでにも、そう時間はかからなかった。

布団をかぶりうごめくカップル。浴衣を広げて隠して腰を動かしてる男。浴衣も脱ぎ捨

てて、相手の両足を掴んで荒々しく腰を突いてる男。尺八し合ってる男。それを見てる

男。相手を探してる男。

また、隅の方の布団の上では、マラと腸壁の唾で擦れ合う音が、下になってる男の喘

ぎ声が、闇の中に生臭く青臭く漂う。そこにはもう放出して拭いた精液の匂いも混ざっ

ていただろう。

そういった大部屋をドキドキと逸る心で覗き、興奮に興奮を覚え、前はもう先走りで溢

れていただろう。そして、わりと灯りの入る、豆電気の点いた中部屋、小部屋をいくつ

か覗き回っていたときだ。

艶めかしい声のする、少し戸の開いてる豆電球より明るい小部屋の中の光景に釘づ

けになった!

それは、初めて見る3人プレイであった!

浴衣を背中の上まで捲られて、四つん這いにさせられている年配の初老の太った男

が、前と後ろからいたぶられていたのである!

顏の前の一人は、60歳くらいの土方ふうで、禿げ頭にタオルでねじり鉢巻きした毛む

くじゃらな男だ。

一杯入っているのか赤ら顔をして、口に突っ込んでは軽く腰を前後に動かし、気持ち

良さそうな表情をする。

初老の品のよさそうな人の、きちんとポマードでも塗って分けてたであろう銀髪は見る

も無残に崩されていた。

頭を押さえつけている大きな無骨な指の間から、その乱れた銀髪が覗いている。

「ああ、もっと吸ってくれ。先を舐めてくれ。ああ~」

と言いつつ匂うようなマラを棹の半分ほど突っ込んでは引くのを、その口の中の感触

をカリで味わうようにゆっくりと動かしている。

とは云っても、まるで大きなハンマーのようなマラは口に含むだけでもやっとだろう。

それでときどき首を縮めるようにしてマラを吐き出して、鈴口やカリの周りに舌を這わ

してるか。

それでも、自ら握っては唾液と先走り液の混ざった糸を繋がらせたままに、口を持っ

ていこうとする。

すると男はその仕草が可愛いと思うのか「よーしよし。ほらほら舐れ」と、両方の手で

頬と首筋を擦るようにする。

そう、優しく撫でるようにしてるかと思うと、快感をより求めるためか、頭を今度は抱え

るようにガッチリと掴んで喉奥深くまで突っ込んだ!

「ふぐあがぐぁ!」と頬でもがくが男は容赦しない。

さらに押さえつけたまま喉奥に突き当たらせて快感を貪る!

鼻から唾液を垂らして顔が真っ赤になり眼鏡の眼は涙目になっている。

そうとう苦しいはずだ。思わずこっちも顔をしかめそうになった。

が、その眼は焦点が定まっていないにも関わらず、夢心地で空を彷徨っているのだと

気づいた。

それは、もう一人のバックから責めてる男のせいでもあった。

ねじり鉢巻きの男から「棟梁」と呼ばれていた男は、もう70を過ぎていたかもしれない。

顏はどこか先代の扇雀に目元が似ていて柔和な面立ちであったが、その体は鍛えら

れて、その歳のわりにまだ筋肉が50歳を思わせるほどであった。

さすがに垂れ気味の尻や腹などに、皺はたくさん出来ていたけど。張りのある血色の

良い艶があった。

それに、その一物のぎんぎんとした張りも、太い血管を稲妻のように棹に走らせてい

た。

女と相当使い込んだのだろう。カリに沁みが見えたが淫水の沁み込んだ黒く脂ぎった

棹も、50代の隆々としたそれとみじんもかわらない物であった。


その棟梁と呼ばれた男は大工で、ねじり鉢巻きの男はそこで働いていた職人だった

のではあるまいか?

これはあくまで推測だけど、二人に責められ弄ばれてる初老が家でも新築したときに

出会って何かのきっかけで関係が出来たのではあるまいか…?


「社長、今度、嫁さん抱かせてや。小柄やけど社長に似た体つきしとる。」

棟梁は腰をゆっくりヌチヌチと、浅く動かしながら続けた。

「社長は長いことしとらんやろ。嫁のおめこにゃもう蜘蛛の巣が張っとるぞ。ワハハハ。

わしが喜ばしたるでェ。」

冗談か本気かしらないが、まんざら冗談でもなさそうである。それはその元気なマラ

が求めてるように見えた。

滑りが悪くなったのか、棟梁がマラを一旦抜いた。

抜くときにカリが引き連れ出すようにした社長と呼ばれた初老の男の花芯を、背後か

ら顔を寄せて見た。

それはこの大きな餅のような尻にふさわしく、美しい桃色が一瞬見えた。

やがて素早く唾液を先端の方にたっぷり塗りつけると、カリから垂れたままに、掴んだ

尻を親指でいっぱいに開くと「尻を突きだせ!」と命令調に突きださせた。

扇雀似の目がクイと上る。柔和な顔が少しきつい顔になり、社長から一転、下僕を扱

うようだ。

丸く寄った皺を無理やり開かせるように、張ったカリが押し入って行く。

くくくくぐくくぐく…とカリが埋まってしまうと後は気持ち一呼吸置いただろうか。「ズニュ

ヌニュゥー」と音が小さく聴こえたようなほど一気にほぼ根本まで埋め込んだ。

唾液と精の匂いと汗と皺の皮膚の匂いを棟梁の股の下から嗅いだ。

「あぐぅぅあっ、ああっああ、ああぁぁぁぁ…」

社長がまるで井戸の底にでも落ちて行くような、あきらめに似た声を上げた。

と同時に、待ち焦がれていた喜びの音が井戸の底で響いた気もした。

案の定、先ほどからもう別人のように善がり声を上げ始めた!

まるで目覚めた老夫人であった。

「社長」と世間で呼ばれて、部下に社員に、嫁に、誰にも見せてはいけない、見られて

はならない乱れに乱れた光景であった。

品の良い老社長が今、浴衣を捲り上げらて、丸出しの肉体を生贄のようにされ続けて

いるのだ!

棟梁のマラが腰を掴み、浅く深く激しく突く!女で鍛えたマラが社長の尻を開花させた

のだろうか?

三人のもっと具体的なことは知るにも尋ねはしなかった。

目の真ん前でプンプンと匂う性の宴をクラクラするほど見ていて、そのまま突っ張った

まま浴衣の生地の擦れで射精してしまいそうなほどであった。

クンクンと棟梁の、ねじり鉢巻きのマラが匂い、溢れる精の香が匂い、汗が皮膚が、

かすかなポマードが、ふんどしのシミが!

棟梁のふぐりが揺れては「びたびた」と社長の蟻の門渡りを叩く!

そのぶつかる音がだんだん短く鈍い音に変わり、出し入れの音が、より生臭い匂いを

発して卑猥さを増す!

ねじり鉢巻きも刺激を受けて興奮し、社長の頭をがっしりと太い腕で押さえて腰を使

い始めた!

グニュヌニュヌニュ グキュググ グボグボ

ズヌズヌ ビタビタ ズゴヌズゴヌ

快楽を貪る音のまるで不協和音!

社長の垂れた腹が、おっぱいが、タプタプと揺れる!

マラを頬張っている皺の弛んだ頬も、顎も、喉も小刻みに揺れる!

棟梁の尻もさすがに垂れて二重の皺が出来てはいるが、腰使いの機敏な動きは、テ

クニックは目を見張る!

「社長、気持ちいいのか!」

社長がそれに鼻で答える。水洟か、唾液を垂らしながら!

「ふっんぐっ、あっ」

グヌヌニュ グヌネチャ ビトビタ

「いいおめこしとるぞ!」

社長が嬉しそうに、高揚した頬をかすかに高くした。しゃぶり続けたままに!

口から鼻から涎を垂らし、腰を尻を女のように体全体で喘ぎ!

「ぃひっ、ひっ!あんっ!」

「いぃっ、いいわ、いいわ!」

「わしん児を産め!いっぱい子種を出すぞ!」

「そらそら、もっと喜べ!おめこで返事してみよ!」

「ひいぃ!ひっ!あひっ!あっ、ああん、いや!あぅひっ!」

ヌグチャグヌチャヌグ ズグルグ ズベズヌ

腸壁を全体、性感帯にさせてしまったかのように、腰が抜けるほどの快感を味わい、

社長の半勃起のマラからはずっと先走りを垂らしていた。

まさか、出てしまったか?布団の上には大きくシーツが透き通っていた。

「泣け泣け!思いきり喜ぶんじゃ!」

「熱い!おまえのおめこん肉がわしん棹に絡みつくぞ!良いぞ、良いぞ!!」

ズゴズダン ダンズダン

「おう おう おう!」

「ぁ あっ、 ぁ…!」

棟梁のマラが、尿道が張りに張っている!

いつの間にかせり上ったふぐりが、左右に金玉をクッキリと見せてそれ以上は入らな

い根本まで激しく、餅を押し続けてるように繰り返す!

「ぃぃっ、あぁん いん、いん、 ぁぁん~」

「往くぞ、往くぞ!往く、往く!! 往くぞ!往くぞ、往くっ!!往くっ…!!!」


社長は本当に涙していた。眼鏡の下から目じりが濡れているのが見えた。

信じられないほどの無垢な眼をして…。

社長はいつしか「おまえ」と呼ばれて、なお一層、棟梁の妻にでもなった気持ちだった

のかもしれない。


僕も棟梁が果てるのと、ほぼ同時に浴衣の内側で飛ばしてしまっていた。

そうせずにはもう鼻血が出そうだった。

そしてすぐにそっと部屋を出ると、それだけでは興奮している高ぶりを押さえることは

出来ず、暗がりの大部屋へ、まるで並んでるフカを踏んで越える兎のように(そんな可

愛いものか!)適当にタイプの相手を探して、まず一発した。

それからそれでも興奮醒めやらずに、もう一発出して帰った。





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