想い出の新世界


                                         花栗 さん


その10




 「竹の家」に初めて行ったその刺激があまりに強くて、僕は翌日からの

仕事中に何度も、思い出しては勃起してしまうのでした。

それほど「竹の家」での興奮を引きずっていたのです。顏は知らん顔した

ままで仕事をしながら股間を硬くしていたのです。

日曜日までまだまだ遠く、月、火、水と、一日ずつ過ぎて行くのが、たま

らなくもどかしい、待ちきれない気持ちでした。

そして土曜日になり、「そうだ!今日行こう!」と思い立ったのです。

土曜日は三時で仕事が終るのです。それでふとそういう考えが浮かんだと

いうわけです。

何せ一度知った「めくるめく快楽の別世界」に夢中にならないわけがあり

ません。気持を抑えることなどとうてい出来ない歳でもあったから。三時

に終えると、逸る心で急いで帰って身支度をすると、駅へ踊るような、地

に足が着いてないように急ぎました。

 

 五時過ぎ頃に「地下鉄動物園前」に着いたでしょうか。

改札を抜け、階段を上がるとそこはもうジャンジャン横丁の入口近くに出

ます。

ガード下付近には、古着をズラリとハンガーに掛けて売ってたり、質流れ

品のような腕時計やらラジカセなども並んでいます。

エルジンの腕時計がビックリするほど安い値です。

中古のカセットテープもいっぱいあります。

ハンチング帽のおじさんがラジカセから流していた「大阪しぐれ」を背に、

○上さんを思い出しつつ、後ろめたい気持ちと恋しい気持ちと葛藤しなが

ら、大通りを渡りました。ジャンジャン横丁を抜けて、通天閣の近くまで

行こうかとも迷いましたが。

「竹の家」へと急ぐ気持ちがそうさせたのでしょうか?

それもあるけど、やはり、その時間帯は○上さんと出逢う確率が高かった

から、避けたのでしょう。逢いたいくせに。

 

 アーケードを「竹の家」へと向かいながら、入る前に夕飯を食べて行こ

うと思いました。

中に食堂はあるけど、中華の好きな僕は街に出ると、たいてい中華を食べ

に寄ります。それで太ったのかどうかは知りません。

けど、どうも入りたいような店が見つかりません。通天閣近くには何軒か

あったのですが、引き返してまでは止めました。

そうすると、ふっと『ちょっと飲みたいなァ』と思うと、気持ちが大衆食

堂に変わりました。

が、思うような雰囲気の店は無さそうだったので、小さな、食堂兼、居酒

屋みたいな店に入りました。

そうするともう今度はそこいらの住人のような気持ちになるから不思議で

す。

褪せて端がほつれてるような暖簾をくぐって、なりきってテレビの前のテ

ーブルにすわります。

こういう店はたいてい大ビール瓶です。キリンのマークのコップです。

座ったテーブルから、表の人通りが暖簾の下に下半身だけ見えます。

まだ年末までには少しありましたが、忙しなく行きあう人々に今さらなが

ら「これが都会なんだなァ」と感心しながらまるで山奥から出て来たよう

な「素」の気持ちにもなったりして、丼物をたのむ前の、きずしを肴にま

たビールをコップに泡を立てて注ぐのでした。

 そうして、何となく僕は、遠い遠い日の越中ふんどしを心のどこかに思

い出していたように思います。

酔って行く記憶の底に、子供の頃に毎日のように見たおじさんの越中ふん

どし一つの体を。

それは、僕がお風呂を焚く当番、唯一の仕事だったからです。だから、寒

い冬も沸いた湯に入り来るおじさんの、越中ふんどし一つの姿を見てたわ

けです。一日働いた体から解いた越中をおばさんが後からついでにやって

来るまで、風呂の焚口近くに無造作に置かれたままでした。なまなましく、

夏は湿り気が下の薪に移るほどで。

 

 少し酔ったその勢いで入りたい気持ちが、正直なところだったでしょう

か。

誰が見ているわけでもないのですが、まだ二度目でしたからドキドキしま

す。

玄関で靴を脱いで上がろうとしたとき、ゲタ札を貰ってこれから帰ろうと

する、タイプの人と出逢いました。

言葉を交わしたわけではないけど、向こうもこっちを見ます。何か言いた

げな瞳で、振り返りつつ去った後に、心にしばらく切なさが残ります。

『どうしてあのとき勇気を出して声をかけなかったろうか。もう二度とは

逢えないかもしれないのに…』

「めぐり合わせの不運」とはよくいったものだ。

人はとかく夢見がちである。

「頬にご飯粒が付いていますよ。」と言いたかっただけなのかもしれない。

 

 口元のご飯粒を噛みながら、僕はもう、これから始まることに、タイプ

を探すことにワクワクしていた。

ロッカーで着替える最中も、傍を通る人、向こうで着替えを済ました人、

風呂場へ行く人、奥のテレビの前に居る人たちなどの中に、ズボンを脱ぐ

のももどかしく落ち着かない気持ちでタイプを探していた。

タイプの範囲が広いわけではないが、もうすでに数人は目にした。

が、とりあえずザッと湯を浴びることにした。するとそこにもタイプが居

た。が、隣の人と出来てるふうで、湯船の中でピッタリとくっついていた

からすぐにあきらめた。ちょっぴり嫉妬心を抱きながら。

何だかもう嬉しくてたまらない。上の部屋に行ったらたくさん居そうな気

がしてくる。

石鹸付けて洗うのもそこそこに洗って出ると、拭ききれないままに浴衣を

着て二階へと、狭い廊下をきしませながら、個室の開いてる戸を覗きつつ

階段を上がった。すれ違いざまにタイプの股間が浴衣がはだけていて丸見

えであった。濡れてるふうに見えた。「精液か?風呂場に行くんだな。」

そんなこと思いつつ気持ちがどんどん淫乱になって行く。

真っ暗闇な大部屋を覗き、豆灯りの中部屋、明るい小部屋、薄明りの小部

屋と覗き廻りタイプを探す。同じように探してる人、本番最中の人、喘ぎ

声、往く声の中を鼻息も荒く、雌を探すさかりのついた雄のようにさすら

う。

と、薄明りの中部屋で最中の二人に目がとまった。

いわゆる「正上位」というのか、ウケの足を抱えて、タチの逞しい体をし

た年配者が腰をゆっくりと動かしていた。

寝て善がってる男もよく見ると同じ七十歳前後だろうか。少し年上かもし

れない。

二人共もう浴衣を脱ぎ捨てて丸裸だ。タチの禿げの男の物か、浴衣の上に

ふんどしがたたんで置かれてあった。

タイプこそ違うが、おじさんを思いだして、より興味を持って上から横か

らと邪魔にならないように、背後から見た。

おじさんがおばさんとおめこをしている姿を思い出していた。

今始めたばかりのところだったのか、禿げ頭が、先の方だけ埋めていたマ

ラを抜くと、何やらふんどしの下に手を伸ばして取り出した小瓶のフタを

開けた。それを指で掬うといきり立ってる棹にカリから棹の中ほどまで万

遍なく塗りつけた。

初め白い塊のように見えたのにすぐ溶けたのか、油でも塗ったようにテラ

テラとしていた。

『あれは馬油だな』と、そう思った。間違いない。

カリの辺りには念入りに塗りつけたのだろう。端が反ってるような大きな

カリの下から滴のように垂れていた。

長く太い棹に浮き出た赤紫の血管をクッキリと浮き立たせ、細かな皺の隙

間全部に入り込み、潤わせた。

上反りの20センチ近くはあろうかといった、ふてぶてしいほどのマラで

あった!

まるで山脈でもそこに見るような、隆々として、周りに蜃気楼でも立つよ

うな熱さを感じさせるほどであった。

 

そのとき、僕の浴衣をかき分けて、すでに硬くなってた股間に、誰かの手

が伸びた!と、生温かな心地良い感触にマラ全体が包まれた!

見ると、もう禿げ頭に近い薄い髪を、きれいに櫛目を残した頭が見えた。

すかさず腰を抱かれるようにされて尺八をされ続ける!ああ、何という舌

の口中のテクニック!!

先がとろけそうなほどに気持ちいい。熱い舌の熱がカリに伝わる。

僕はこの年配の男の顏がよく見えないままに、あまりの気持ち良さにまか

せてしまった。

尺八をされながら傍の二人を見ていたから、その快楽、快感はこの上なか

った。

馬油たっぷり塗ったマラが、先が入るのだろうかと見ていたカリが、小さ

な桃の蕾を思わせる花芯に、カタチをすぼめるように、少しずつ隠れて行

くように埋まって行くのが見えた。

ヌグチ グヌグヌ 抜きつつまた グニヌグと繰り返しつつ。ついに「ず

ぬぬんぐぬぬぐぬぐぬぬぐぐぐぐぬぬぬ~」と、7分目ほどまで埋め込ん

だ。

「ああっ!ああぁ~~!ああぁ~ああぁぁぁ……」

ウケの、お爺さんと呼んでいいだろう年配の男がのけぞるように、顎を上

げて声を漏らした。

「入ったで、先生」

『えっ?』と思った。この二人は知り合いだろうかと。

だが、そうではないようだった。日頃から、仕事がらか商売がらか、客や

付き合いの相手にそう呼んでいるのだろう。

けれど「先生」と呼ばれて、一瞬ピクッと反応した目は…?

偶然に、言い当てられた驚きだったのかもしれない。

このウケの年配者の職業は、もしかしたら日頃、「先生」と呼ばれている

仕事なのかもしれなかった。知る由もないが。

 

禿げ頭が腰をクイクイグイグイと、軽く強くと自分の腰でリズムを自分で

作り、マラの快感を高めて行ってるのか?

掴んでた足首を今度は尻を掴んだ。そして今度はゆっくりとした動きで、

根本まで埋め込む。陰毛が尻と皮膚に挟まれて上に膨れ上るほどに合わせ

る!

と、「ぬんぐぬ にぬ ぬぐ ぐぬぬぬー ー 」とカリの先を少しだけ

残すまで棹を引き抜く。

腸壁で味わう感触の、最も気持ちの良い箇所を探すかのように…!

先生の尻を玩具のように自在に操って!

ときにはカリが引き連れ出す入口の、桃色の輪を見せて!

「おおぅ。おおぅ。」と何が嬉しいのかニヤリとしたり。

初め、おじさんに重ねて見ていたが、同じなのはマラだけだと思い始めた。

おじさんはこんな根性悪ではない!

こいつは少しサドかもしれないとも思い始めた。

昇りつめくる快感に、その見せつけるような桃色の花芯とマラの先が、よ

り刺激的だ!

溶けて馴染んでる馬油が、わずかに覗く桃色の輪とその周りを濡らして、

まさに「おめこ」だ!

そのおめこに、憎らしいほどの別な生き物が暴れ回ってるようだ!

「ひっ!ひっ!あっ、あっ、あん!あん!」

「いいのか?ここか、ここか」

「あっ、あっ、そこ、そこ!あっあっ、ああぁ~ん!」

「ほらほら、根本まで突いちゃる!どや?」

「あああっ!!あぅわぁあ~~!!」

「泣け泣け。先が柔らこぉ溶くるぞ!おおう、おう!」

「あひぁあぁひあぃいっ、いっ、ひっ、ひっ!」

禿げのマラが縦横無尽にかき回し暴れる!

老人とは思えない腰の逞しさで!普段弛んでる皺がまるで尻を張らせ、し

なってるように見える!

押し開き掴んでる腕も手も!

先生は布団に首を振り、整えていた髪はもうバラバラで、眼鏡も鼻からず

り落ちそうだ。

その眼鏡の奥のうっすら開けてる眼に白眼が見える。

だらしなく開いてる口からは涎が垂れている。

半勃起の仮性包茎のマラからは、先走り液が金玉まで伝って、トロトロと

流れっ放しだ。

感じすぎて腰が抜けたのだろうか?

禿げは、その顔を悪人のような顔して、まるで面白がって犯し続けてるよ

うに見える!

腰の下に両手を入れて、抱き起こすようにしては腰をググイと、根本いっ

ぱい突いて、その突きのスピードを金玉が、「ビタンビタン」という音で

はなく「ビタビタビタビタ」と間を置かない。

『先生のおめこは大丈夫なのか?』

そんな心配をよそに先生は善がりまくる。

シーツを掴み、空を掴み、乳首を立てて!

両股を押しつぶすようにハメ込んだまま、その乳首に両手を伸ばし、吸っ

た!「チューチュー」音させて!腰を動かしつつ!

グイグイ、「チュバチュバチューチュー」と!

先生の柔らかな尻がずれないように、両方の太ももで挟みつけるようにし

て!

逞しくぺこぺこ動く尻の、肛門の下に爆弾のような黒ずんだ金玉が先生の

花芯の下の肌を叩き続ける!

穴いっぱいのマラでも擦り続けてると漏れてくるのか、まるで淫水のよう

に先生の尻が濡れている!

叩き続けてる金玉も濡らし!

ニトニト ビトビト ビタビタ

馬油が濃くなったのか、それともまさか先生の腸の奥にほんとのおめこが

あるのか?!

ぬらぬらと妖しく鈍い輝きをして白い餅肌を濡らしている!

「いいのう、いいのう、おなごよか良い気持ちじゃ。ああ~~いい。いい、

いいぞ!往きそうじゃ!」

「ぅふああぁ!ああぁ、ああぁ!」

「そうか、おまえも出そうなんか!よっしゃ、よっしゃ!」

ビズヌヌンダ グヌヌダヌチャ

男は湿りを帯びてる敷布団の上で、抱えてる先生の尻を引き寄せ直すと、

激しく激しく、一層激しく腰を動かしだした。

グチャヌチャ ビタビタとした音が大きくなった!

振る腰の、尻の音まで聞こえるようだ。

陰毛はもうべっとり濡れて束になって見えた。

「おうおうおう!!いいのお、いいのお!!往くぞ往くぞ往くぞ!!!」

「あぃ、あぃ、あぃ!!ぃぃわっ!あいっ!ひぃわっ、ひぬっ!いくっ、

くっ!ぐくっ、ぐっ、くっ、~~ ~!」

「うおうおうおっ、おっおっ!おおうっ…!!!おおうっ!おう!おう!

おおおっオオオオオ!!!ううぅ………!!!」

 

しばらく余韻を味わっているのか、折り重なったまま動かなかったが、ブ

ルブルッと、禿げが身震いをして、マラを抜いたようだ。

抜いた瞬間に開いた桃の花が一瞬見えた。濡れきった桃の花が。

その閉じた花から精液が白く流れ落ちていたが、さっきまで悪人面してた

この禿げが、柔和な顔になり、優しく拭いてやっていた。

どんな性格しとんねん!

 

僕は、とうに果てていた。

尺八してくれた年配の人はまた別の人を探しに部屋を移ったようだった。

一晩泊まり、翌朝はもう九時過ぎには出た。

放出した快楽の後の、何とも言い難いむなしさもまた胸に広がるのであっ

た。











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