田舎の猿さんの 体験談 №2                      .




迷い道(2) そして再会



67歳になった進は巌との事が忘れる事ができず、婆さんとセックスをし

ても一向に気持ち良くならなかった。

巌が目の前で微笑んでいる妄想とストレスでどうしても巌に連絡を取りた

く電話を入れた。

「もしもし横山様のお宅ですか、私、河本と申します、巌様ご在宅でしょ

うか。」

電話に出たのは女性の声だった。

「もしもし河本様ですか、父から聞いています、私娘も幸子です。父は半

年前から体調を悪くしまして、今は施設に入っています。河本様から電話

があったら伝えてほしいと。『進君は私の一番大事な友達だ、こんな体に

なって2度と逢う事ができん、残念だすまない・・・』、と伝えてほしい

といって施設に入りました。

「巌様はどんな病気ですか。」

「認知症ですよ、半年前から父は認知症の症状が出て今では徘徊が始まり

仕方なく施設に入れました。」

「そうでしたか、巌様の入られた施設はどこですか。」

「面会に行かれても河本様が分からないと思いますよ。」

進は電話を切るとその場に立っている事が出来ず泣き崩れた。

1人になった進は寂しさのあまり食事さえ通らない日々が続いた。婆さん

も気にして進に問い掛けるが巌との事は話すことが出来なかった。

10月に入り進も元気が少しずつ戻ってきた。

初めて巌と逢った町内の敬老会が1週間後。進は昔のことを思い出したく

ないために今年は欠席する予定だったが婆さんがどうしても連れていけと、

しつこい為にしかたなく行く事にした。

当日、重たい足を引きずりながら会場にいった。2,3人の親しい爺さん

たちが進の顔を見ると手を振って誘ってくれた。皆の輪の中に入ると1人

だけ知らない老人が座って居た。進はその老人に何かを感じた。











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