駒ケン界隈


                                         KE 爺さん

(3)寒い朝


 首都圏は今朝も快晴でしたッ!しかし、日本海側では大雪が降っていま

す。青森県の酸ケ湯では、なんと国内積雪記録を更新し534cmに達したと

のこと、本当に恐ろしいくらいです。

こちらは雲ひとつ無い快晴ですが、冷たい風が吹き、この冬一番の冷え

込みではないかと感じました。

 8時10分前、山手線を降り、いつものように駒込駅北口を出て、赤信号

を待っていました。

「うんッ?」

背中に、ちょっぴり暖かい視線を感じました。

ちょうど青信号に変わり、振り返ってから横断歩道を渡ろうとしました。

「おはようございますッ!」

その時、右後方に立っていた人物から声を掛けられました。

「あッ!?おはようございますッ!」

そう応えながら、その人物が誰であるか、すぐに思い出しました。

「駒ケン」の番頭さんです。

ふっくらとした色白の顔の中に、大きな目が人なつっこく微笑んでいまし

た。

私が毎日「駒ケン」の前を通る時、時々目が合って、挨拶を交わしていた

番頭さんです。

私は、もうずいぶんと「駒ケン」の中には入っていませんが、かつては常

連であったことを、今でも覚えていてくれているのです。

横断歩道を渡りながら、会話を始めました。

「今度、新館が出来て、旧館とつながったのですねッ!」

「そうなんですよッ!」

信号から「駒ケン」までは、40〜50mの距離です。私は、いろいろな

情報を知りたくて、大急ぎで質問を開始しました。

「それでいつから営業開始なのですか?」

「25日の今日からなのですよ!」

「ええッ!今日からですか?でも、1階や3階の窓はサッシのガラスだけ

で、何もされていませんが、大丈夫ですか?」

「新館全体がいっぺんにオープンするのではないのですよ。」

「そうなのですか!」

「今日は今まで1階にあったテレビ前の談話室を、新館の2階に移して、

オープンするのですよッ!」

「えーッ!今日からですかッ!」

「少しずつ、徐々にオープンさせていくのです。昨日は夜遅くまで、準備

でたいへんでしたよッ!」

「それはたいへんでしたね!」

「メル友から聞いたのですが、今度は新館にカラオケ・ルームができるそ

うですねッ?」

「いや、そうゆう噂があるようですが、カラオケ・ルームなんか無いです

よッ」

「そうなんですかッ!じゃあ、今日も頑張ってくださいッ!」

これが今朝の「駒ケン」前までの、番頭さんとの会話でした。

 そして、夕方6時少し前、仕事を終えて駒込駅に向かいました。染井橋

の上から、「駒ケン」の新館2階の窓に、黄色い灯りが灯っているのが見

えました。

窓の一つは、すりガラスのみ、もう一つの窓には黒いブラインドが降りて

いました。中ではきっと楽しい団欒が繰りひろげられていることでしょう。

 「新しい館内は、どんなだろうか?入ってみたいなッ!」

そんなワクワクした気持ちで、「駒ケン」前を通り過ぎました。

       (おわり)





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