愛しのじっちゃんのこと


                         里暮らし さん 作



(2)出会い



別れたばかりの元相方のじっちゃんは、私より20歳も年上。老け専の私

としては理想的な年齢差です。

今から10年前に、ある出会い系サイトで知り合いました。じっちゃんが

75歳、私が55歳の時でした。

海のない県の山あいの小都市に住むじっちゃんは、比較的、近距離に住ん

でいるということで、私に白羽の矢を立てメールをくださいました。その

内容は、会って欲しい、というものでした。

 

私は、子供のころから男色に目覚めていましたが、経験は数えるほどしか

なく、ましてや、特定の人とお付き合いをするなどということはありませ

んでした。なので、いきなり会おうと言われても、すぐにはOKを出せませ

んでした。あとのことが怖かったのです。

それで、メル友なら、ということでお付き合いが始まりました。

 

写真交換をしました。じっちゃんは私のことを気に入ってくださいました

が、私は写真に写るじっちゃんが好きになれませんでした。じっちゃんは

写真写りが悪かったのです。

また、じっちゃんは、私がいろいろなボランティアに精を出していること

を知り、ますます、私に夢中になって行ったようです。

 

メール交換を始めて3年が経ちました。この間、年賀状も交換するような

仲になっていました。会いたい、というじっちゃんの声も徐々に強くなっ

て来ましたが、その都度、やんわりと断り続けて来ました。そして、遂に、

しびれを切らしたのか、「自分は運転が得意なので、高速を飛ばして会い

に行く」、と言って来ました。

私としては、会いたくはなかったのですが、これ以上、会うのを断り続け

るのも悪いと思い、思い切って会うことに同意しました。まさに二階から

飛び降りたような大決断でした。じっちゃんが78歳、私が58歳の夏のこと

でした。

 

私は妻と二人暮らし。土曜日の昼前、妻が外出の時をねらって、我が家に

来てもらいました。家は太平洋を遠く臨む小高い農村にあり、じっちゃん

の家からは、高速道路を使って、約1時間かかります。

 

会って、私の気持ちは一変しました。じっちゃんは写真とは違って、とて

も、とても可愛らしかったのです。一目で好きになりました。こんなに写

真写りの悪い人は他に知りません。小柄なじっちゃんを家の中に招き入れ

て、すぐに強く抱きしめました。じっちゃんは「やっと会えた」、「会い

たかった」と何べんも言いました。目からは涙が溢れていました。長い長

いキスをしました。濃厚なキスでした。涙腺の弱い私も涙しながら、「も

う離さない」と心底、思いました。

                 (続く)







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