愛しのじっちゃんのこと


                         里暮らし さん 作



(9)突然の破局



じっちゃんの好きなところ・・・(前号の続き)。

それは、とても清潔なところ!

 

私は、お年寄りは汚い、というイメージをどことなく持っていました。男

色の経験が豊富な人が相手ならエイズなどの感染症も心配になります。そ

のあたりのことを、昔、亡き庵主さんに相談したことがあります。庵主さ

ん曰く、『今のお年寄りは、とっても清潔ですよ、心配は要りませんよ』、

とのことでしたが、じっちゃんと付き合ってみて、まさにその通りでした。

じっちゃんは年に一度、エイズの検査をしていると言っていました。それ

に、会ったとき、いつも体を清潔にしているのか、加齢臭のようなものは

一切、感じませんでした。衣服も清潔そのものでした。

 

ただ、じっちゃんの清潔感は、精神的なところにも及んでいました。じっ

ちゃんは、男色家としての経験は豊富で、さまざまな男とお付き合いして

来たようで、「去る者は追わず来るものは拒まず」がモットーだったよう

です。仕事のこと、趣味のこと、何でもかんでも、この流儀を貫いてきた

そうな。心の広い、前向き志向の強い方だったんですね。

それが、85歳となった今は、複数の男を相手にすることからは卒業して、

太くて強い絆で結ばれた一人の相方との付き合いを望むようになったので

す。肉体的なことよりは、精神的なことにウエイトがシフトしたんですね。

とても良く理解できます。

ところが、精神性を重視するあまり、相方である私にも、同じ価値観を求

めて来るようになって来たのです。

 

求められた私はと言うと、男色の経験は浅く、勿論、特定の人とのお付き

合いは初めてのこと。男色の幸せを知り始めたばかりの私にとって、「他

の人と付き合うな」、と言われてもね・・・・。

私は大そう戸惑いました。

じっちゃんと私とは、太い絆で結ばれた相思相愛の関係でした。そのこと

は、お互いにハッキリと意識していました。だから幸せでした。

なのに、ある日・・・・。

 

じっちゃんからのメールに、「もう会わないことにした、メールも出さな

いし、もらっても読まずに捨てる、電話にも出ない」、と書かれてありま

した。

                                続く







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