すばるさんの体験談 2                    .




初体験  .



田舎の高校を卒業して、東京の大学に入ることになりました。今では死語

と化した下宿生活です。今の学生からしたら想像もできない環境で、当時

の僕の下宿は大家さんが一階に住まいして、二階の4部屋をそれぞれが使

用するというものです。風呂はなく、炊事、洗濯は共同、トイレも共同で

す。家賃は4畳半一間で
8,000円だったように記憶しています。しかしそ

んな環境でも、新たな自分の人生に興奮し、夢は広がるばかりでした。

時代は東大紛争に代表されるように、どこの学園もバリケードで閉鎖され

た状態でした。学校に行っても授業は休講で、田舎のノンポリとしてはゲ

バ棒をふることにも興味がわかず、これが憧れていた大学生活なのかとが

っかりした気持ちでした。

そんな中でも、何人かの友達も出来、標準語にもなれてきました。ある時

学食で友達が新宿の映画館でとなりに座ったおじさんに触られて困ったこ

とを面白く話してくれました。

その頃は今のように、そういう世界がまだ認知されてなく、僕自身も男と

男の世界があるのは理解してましたが、それはいわゆる女装した男性が男

性を求める世界で、僕には無縁な世界だと思っていました。

しかし性に関して何か自分が皆と違うような気がしていたのです。友達同

士で繁華街を歩いていても、皆はあの子は可愛いなとかナンパしたりして

います。僕も一緒になって、あの子も可愛いねとか言ってるのに、実際は

中年の恰幅のいいおじさんの方に目がいってしまい、僕は自分が他の人と

は変わっていることを気づいていました。そうなんです。男の人が好きな

んです。それも父親ほど年の離れた男性が!

友達の話していた映画館は新宿にあり、僕も何回か行ったことがあったの

で淡い期待を込めて早速行ってみました。

館内はかなり空席が目立ち、僕は後ろの席に座って、映画を観ていました。

しばらくすると後ろからかなり激しい息づかいを感じました。振り返ると

年は
50代くらいの人でした。目が合いました。優しそうな感じの人です。

おじさんは席を立つと前の列の僕の隣に腰掛けたのです。僕はどきどき胸

の鼓動が止まりません。おじさんは膝を僕に押し付けてきます。僕はじっ

とそのままにしていると、今度は僕の太ももをなで、僕のズボンのジッパ

ーを下げようとしました。僕はびっくりして慌てて席を立ちました。映画

館を出て、隣の書店で頭を冷やそうと本棚をぼんやり見ていると、人の気

配を感じ、振り返ると先ほどのおじさんです。白いとっくりのセーターを

着たとても素敵な人です。おじさんは一緒に来ないかと僕に言いました。

僕はなんだかどきどきしながらおじさんが止めたタクシーに乗り込みまし

た。



                                                 つづく



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