ある出会い


                                         立花吾朗さん 


その人の名はMi、年齢は私Saよりも5歳年長、遠距離同士である。

その道の「出会い系サイト」で、見ず知らずの存在の人から、何度も何度も繰

り返したメールと顔写真交換、機が熟したとの判断から、お互い自然な形でお逢いしま

しょうか、となったのは、約半年の後だった。そんな出会いから付き合いが始まって他

人ではないほどの関係になったのである。


私Saはタチを好み、Miさんはウケ指向で、性格的にも違和感なく性向の相性も合致し

そうだったため、スムースに進行したのだと思う。

当時、私は65歳、Miさんは70歳代始めだった。


初デイトは都内のホテル。上野駅で待ち合わせとなり、携帯番号とアドレスの交換は済

んでいたので、もし予定の場所で会えなくても、連絡が取れるようになっていた。

待ち合わせ場所に先に来て待っていてくれたMiさん、顔写真で雰囲気は分かっていた

のでひと目で判り、その実際のMiさんは想像以上の好みのタイプだった。雰囲気は高

齢者独特の優しい落ち着いた雰囲気、それが控え目な動きと重なってウケとしての適正

に長けた人物であると、勝手に直感したものだった。


自ずと衣服の下の肉体を連想させ、私はこれから営まれるであろうその行為を想像し、

早くも身体の芯が熱くなりつつあるのを即座に感じずにはいられなかった。

Miさんはあまり現役時代の話をしたがらないが、どうも可成り大手の会社で管理関係の

重責を担っていた人物だったようで、何となく想像はしていたのだか、正解だった。Mi

さんも会うまでの不安から解放されたのか、満面の笑みで握手を求めてきた。

手の温みを直に感じて、メールでの理解と違う生身の肌の温もりに、全身に電流が流れ

るよううな錯覚さえ覚えた。


昔のお偉いさんの多くは、退いた後は殆ど元同僚或いは部下との交流が途絶え、話し相

手にさえ事欠く日常のようであり、部下から持ち上げられて過ごした昔日との落差を痛

く感じている様子は承知していた。これからの人生、利害関係抜きの真の友達を心のど

こかで求めての日々たったようだ。


Miさんは、男色のこの世界は多少の興味はあれど、踏み込むことは到底考えられなかっ

た。自宅ではネットとの関わりから、具体的な動画なども目に飛び込んできて、年甲斐

も無く股間を熱くさせてのめり込んでしまい、自然に手が下のチンポに移動して射精ま

で行ってしまうことが多くなってしまった。家ではもうとっくに奥方とは疎遠になって

いたので、こんな二度と来るとは想定外だった若さの再来に、気分も晴れやかになり明

るく楽しい毎日だったという。

男性機能もこのネットの効果が功を奏して立派に甦り、実践へと大きく心が傾いたのだ

と小声での告白されたものだ。使わないと衰退することを確かに実証してくれたとも。


Miさんの当日までの心境

〔初デイトの日が、日一日と近づいてくるに従って緊張と不安が増してくるのが分かっ

た。Saさんはメールの内容と写真からは、優しく誠実そうで申し分なしと判断しての決

断だったのだが、実際はどんな人だろうかやはり不安だ。初の性行為は失礼せずにそし

て支障もなく上手く運ぶだろうか。

何かスキン、ジェル等小道具類も必要やに聞き一応準備はした積もりだが、これで充分

だろうか。当日朝身体を清めて行くことにしているが、アナルの洗浄はどの程度行えば

良いのだろう。

Saさんの愛撫を感じた時率直に表現しても嫌われないだろうか。初めてのアナルセック

スは痛みが激しく我慢も限界に近いとか、しっかりお相手が出来るのだろうか。Saさん

のチンポとの適応具合はどうか。心配、不安ばかりをリックにつめて朝、列車を待とう。

一方、そんな不安にも勝るチンポに触ってみたい、しゃぶりたい、出来るならアナルセ

ックスでとろけるような感覚を体験してみたいとの期待の方が大きく膨らんでくるのが、

はっきりと自覚出来てその興奮度合いが日に日に増していくように感じていた〕


 Saの思い

〔Miさんは今回がデビュー。初物は拝んでみなければ分からないことと新鮮さに勝るも

の無しとの感情が交錯している。その初性行為の全てが、Miさんの今後の男色生活に影

響を与えることは、確実で有り何か大きな責任を背負ったようにも考えるのだ。

気が弱そうな一面をも見せているので、どのようなリードが好ましいのかとも考え、そ

の辺をさぐりながら、真から感謝されるような運びになればと思案して見るのだった。

お互いに相性が合致して細くても長いお付き合いに発展すれば嬉しいと思っている〕


上野駅の待ち合わせ場所での初体面で、Miさんの印象に好感を持てたことは今日の逢瀬

への期待を大きく膨らませていた。

半面Miさんの表情からは明らかに緊張が見て取れて、その緊張を解すことから推めな

ければと喫茶店での会話の時間をたっぷりと取ることにした。

椅子に座って死角になっている所で、Miさんの身体の一部に触れるなどの試みもしてみ

た。ピクリと僅かな反応はあったが、それ以上のジャブの押収は望めなかった、少し残

念。まあお見合いのようなものだし、事前にメール交信はあるにせよ必ずしもうまく運

ぶとは限らないものだから、慎重に言葉を選びつつ双方身近な存在になって信頼関係を

早く創りたいと思いながら、会話を進めた。


こんな出会いで期待することのひとつに、現役時代のというよりもこれまでの人生を違

った業界で生きて来て、その体験なりを話し合うのも楽しみである。

もちろん、そんな延長線上での性行為は、自然の成り行きとして大切に育んで行きたい

と思っている。


喫茶店を出てホテルへと向かった。それから数時間後有意義な行為を無事終えて、共に

充実した時間を過ごせて感謝に感謝をお返して、外は既に黄昏のホテルを後にした。そ

れから会員制のバーのドアを開け、二人で乾杯し今日のことを振り返って含み笑いなど

しながら充実の時間を共有し、そしてカラオケで本日の締めくくりとしそれぞれの

帰途についたのだった。





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